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9月
金土日の日曜日
過日,とある呑み屋で竹中英太郎と岩田専太郎の話題。
そういえば『谷根千』に岩田専太郎の美術館について掲載されていたと思い出し,週末のみ開館するという「金土日館」に足を運ぶ。
色彩鮮やかな女性画の印象のみで館内を歩くと,そこには墨で描かれた新聞・雑誌小説向けの挿画。これがとても良くて。ディテールを消してシルエットで描く方と,時にそれを更に強調させる荒い筆遣いに見入る。もちろん,女性画の数々も素晴らしく。ベリーダンスを描いていたことを知ったのは新しい発見。10月に入ると展示替えだそうで,時を置かずして再び足を運ばねば。
ほとんどが未読のものだったので,入り口脇に置かれた画集や著作も手にとってみると,その中の一冊『溺女伝』に眼を奪われる。巻頭,題字の記されたその下に描かれた二本の線と二つの点。最初はそれと気付かなかったものの,眺めているうちにひとつの像が結ばれる。ここまで削ぎ落として(いや,削ぎ落としたからこそか)尚窺い知れる色香。本には申し訳ないが,これだけで額装したくなる。
こんな日に口にする夕食の食材調達は吉池。
あの雑多な店内イメージとは少しかけ離れたレジ袋は専太郎の筆によるもの。先に金土日館で伺ったところ,その始まりは定かではないとのこと。紙袋があったかどうか記憶が定かではないけれど,今のポリエチレン製よりも前からのデザインであるのだろうと推測するが,さて。