POWERED by HAKOBAKA vol.2
前回(下記リンク)に続きまして、一箱古本市のための箱をお披露目。今回は具体的な仕様をお伝えいたします。
今回、幸運だったのは、最初にこちらの意図をハコバカさんに伝えたところ、似たような箱を既に作られていたこと。そこにこちらのリクエストを加えていきつつ、構造的な問題を解消してもらい完成に至りました。
見ての通りですが、基本は箱を上下で二分割。上段に大型本、下段に小型本を収納します。下段は引き出しになっていますが、一箱古本市のルール上、そのまま引き出すと出張ってしまうのでちょっと問題。そこで一度引き出した後に90度回転、箱の中に再び収めるようにしました(実は、これが上面の荷重を支える役目にもなっています)。下段の高さは文庫サイズ。もちろんCDも大丈夫です。開いた上面のベロになっている部分には、屋号などポップを貼れば目立ちますね。
一箱古本市のための箱という意味では、次が最大の売りかもしれません。こちらからの必須のお願いとして、店主側に引き出しを作りました。売れた本から抜いたスリップや、お客さんに本を渡す際に使うビニール袋、会計に使用する財布やミニ金庫など、店主経験のある方ならお分かりと思いますが、何かとかさばる持ち物の数々。それらをまとめてここに収納することが出来ます。
以上、内箱についての説明でした。
はい、実はこれ、内箱なんです。もうひとつ、この箱を覆う外箱が存在します。
その理由は可搬性のため。むき出しのままの引き出しは、さすがに会場まで持参する際に注意を払う必要があります。
もうひとつ考えたのは、ドンベーブックスさんやモンガ堂さんのような、全国の一箱古本市を行脚する方々の姿。これをそのまま目的地まで発送してもらえば、あとは体ひとつで向かうだけ。喩えるなら、手ぶらの寅さんとでも言いましょうか(笑)。日本全国の一箱古本市にこの箱が並ぶ姿を妄想しております。ちなみに箱のサイズは、ゆうパックや宅急便でいうところの120サイズに収まるように作りました。
更に、この外箱があることで副次的な効果も生まれました。内箱を地面にそのまま置きますと、お客さんも立ったままでは見づらいことに。特に下段は棚で奥まっていますから、しゃがむことが前提となります。ここで外箱の登場、テーブルの役目を果たしてもらいます。その上に内箱を載せればお客さんも立ったままでの品定めが可能です。テーブルクロスのようなものをかけて外箱を覆えば、見栄えも良くなりますね。
しかし、ここで心配になったのは外箱の耐荷重性。空の箱で数十冊の本の重さを支えられるのか?。その旨をハコバカさんに伝えたところ、素晴らしいアイデアで応えてくれました。まずは上からかぶせる蓋の採用。一般的な段ボール箱のように左右から閉じるのではなく、上からすっぽりかぶせることで側面の強度も生かされています。更に驚いたのは筋交い板。外箱と内箱の間に収納された2枚の板を斜めに置くことで更に強度を得られるようになっています。
と、ここまで来て、ふと考えました。不忍ブックストリートから始まり、今では全国に広まった一箱古本市。ならば、自分も一人でこれみよがしに使うのではなく、複数の方に利用してもらったほうが良いのではと。そこから使い勝手の意見も集まり、更なる改良点も見つかるかもしれません。前回に続いて再びモータースポーツに喩えるならば、車体の複数供給です。エンジンである本はそれぞれの店主さんが用意、車体である箱も個々に改良やカラーリングを施してもらえれば。
とは言え、何分初めてのことでもあるので、まずはこれまでの一箱古本市で親しくさせていただくようになった方々に声をかけました。結果、4/29と5/2のそれぞれで2店ずつ、計4店が使用します。どんなものか実物を見てみたいという方は、是非とも下記の会場で店主さんに話しかけてみてください。
・4/29
・市田邸:芸工展実行委員会
・旧安田楠雄邸:マステルとマルガリータ
・5/2
・アートスペースゲント:たけうま書房
・Gallery Jin+classico:トンブリン
最後に箱が開く動画を。下段が90度回転するところが分かると思います。