Archive for 4月, 2010

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4月

POWERED by HAKOBAKA vol.2

前回(下記リンク)に続きまして、一箱古本市のための箱をお披露目。今回は具体的な仕様をお伝えいたします。

POWERED by HAKOBAKA vol.1

今回、幸運だったのは、最初にこちらの意図をハコバカさんに伝えたところ、似たような箱を既に作られていたこと。そこにこちらのリクエストを加えていきつつ、構造的な問題を解消してもらい完成に至りました。

見ての通りですが、基本は箱を上下で二分割。上段に大型本、下段に小型本を収納します。下段は引き出しになっていますが、一箱古本市のルール上、そのまま引き出すと出張ってしまうのでちょっと問題。そこで一度引き出した後に90度回転、箱の中に再び収めるようにしました(実は、これが上面の荷重を支える役目にもなっています)。下段の高さは文庫サイズ。もちろんCDも大丈夫です。開いた上面のベロになっている部分には、屋号などポップを貼れば目立ちますね。

一箱古本市のための箱という意味では、次が最大の売りかもしれません。こちらからの必須のお願いとして、店主側に引き出しを作りました。売れた本から抜いたスリップや、お客さんに本を渡す際に使うビニール袋、会計に使用する財布やミニ金庫など、店主経験のある方ならお分かりと思いますが、何かとかさばる持ち物の数々。それらをまとめてここに収納することが出来ます。

以上、内箱についての説明でした。
はい、実はこれ、内箱なんです。もうひとつ、この箱を覆う外箱が存在します。

その理由は可搬性のため。むき出しのままの引き出しは、さすがに会場まで持参する際に注意を払う必要があります。

もうひとつ考えたのは、ドンベーブックスさんやモンガ堂さんのような、全国の一箱古本市を行脚する方々の姿。これをそのまま目的地まで発送してもらえば、あとは体ひとつで向かうだけ。喩えるなら、手ぶらの寅さんとでも言いましょうか(笑)。日本全国の一箱古本市にこの箱が並ぶ姿を妄想しております。ちなみに箱のサイズは、ゆうパックや宅急便でいうところの120サイズに収まるように作りました。

更に、この外箱があることで副次的な効果も生まれました。内箱を地面にそのまま置きますと、お客さんも立ったままでは見づらいことに。特に下段は棚で奥まっていますから、しゃがむことが前提となります。ここで外箱の登場、テーブルの役目を果たしてもらいます。その上に内箱を載せればお客さんも立ったままでの品定めが可能です。テーブルクロスのようなものをかけて外箱を覆えば、見栄えも良くなりますね。

しかし、ここで心配になったのは外箱の耐荷重性。空の箱で数十冊の本の重さを支えられるのか?。その旨をハコバカさんに伝えたところ、素晴らしいアイデアで応えてくれました。まずは上からかぶせる蓋の採用。一般的な段ボール箱のように左右から閉じるのではなく、上からすっぽりかぶせることで側面の強度も生かされています。更に驚いたのは筋交い板。外箱と内箱の間に収納された2枚の板を斜めに置くことで更に強度を得られるようになっています。

と、ここまで来て、ふと考えました。不忍ブックストリートから始まり、今では全国に広まった一箱古本市。ならば、自分も一人でこれみよがしに使うのではなく、複数の方に利用してもらったほうが良いのではと。そこから使い勝手の意見も集まり、更なる改良点も見つかるかもしれません。前回に続いて再びモータースポーツに喩えるならば、車体の複数供給です。エンジンである本はそれぞれの店主さんが用意、車体である箱も個々に改良やカラーリングを施してもらえれば。

とは言え、何分初めてのことでもあるので、まずはこれまでの一箱古本市で親しくさせていただくようになった方々に声をかけました。結果、4/29と5/2のそれぞれで2店ずつ、計4店が使用します。どんなものか実物を見てみたいという方は、是非とも下記の会場で店主さんに話しかけてみてください。

・4/29
 ・市田邸:芸工展実行委員会
 ・旧安田楠雄邸:マステルとマルガリータ 

・5/2
 ・アートスペースゲント:たけうま書房
 ・Gallery Jin+classico:トンブリン

最後に箱が開く動画を。下段が90度回転するところが分かると思います。

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27
4月

POWERED by HAKOBAKA vol.1

その昔、モータースポーツに夢中でした。

そもそものきっかけは70年代後半にまで遡りますが、決定的だったのはやはり80年代半ばからの第二期ホンダ。エンジンサプライヤーとしての輝かしい戦績と共に、コンストラクターであるウィリアムズやマクラーレンのボディに描かれた”POWERED by HONDA”のロゴが眩しかったものです。

翻って2010年、一箱古本市。

一箱古本市におけるエンジン、それはやはり箱の中に並べられる本。他方ボディは、外側を覆う意味からも本を並べる箱。本は店主として参加する私自身が用意するもの。つまり、エンジンサプライヤー。では、ボディは?。これまでは既製のトランクや木箱を自らが用意し使ってきましたが、その工夫にもややマンネリを感じ始めたここ2年ばかり。そこに掲げられた今年の一箱古本市のテーマ「一箱の宇宙で遊ぼう!」。原点回帰、一箱という空間の中で楽しむ創意工夫。これは暖めていた企画を実行する時だと思いました。

それは、一箱古本市専用箱の製作。まさにF1のエンジンサプライヤーとコンストラクターの関係がここに実現しました。

設計・製作をしてくれたのは京都のハコバカさん。「箱の構造設計のための企画展示室」を標榜し、河原町今出川でギャラリーを運営されています。

・ハコバカ
 ・web – http://www.hakobaka.org/
 ・Twitter – http://twitter.com/hakobaka/

初めてお邪魔したのは、確か2008年12月。一介の箱好きとして、それは興奮したものです。その時、既に一箱古本市の話はしたと記憶していますが、箱製作については初対面の気恥ずかしさもあり、まだ胸に閉まっていたはず。それが今、シェイクダウンを迎えて目の前にある幸せ。当時を忘れてニヤニヤしちゃいます。

一箱古本市に特化した箱とは何なのか。
その仕組みについては、新たな画像と共に改めましてご紹介します。

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26
4月

谷中カフェ(油揚げ)の里帰り

いよいよ開催が迫る第10回 一箱古本市。
その企画のひとつとして「谷中カフェ(油揚げ)の里帰り」が開催されます。

「谷中カフェ(油揚げ)の里帰り」

昨年4月、穴守稲荷にて「油揚げ」の名で再始動した三崎坂の「谷中カフェ」が谷根千に里帰り。懐かしい味に触れてください。個人宅でのおもてなしですので、会場はウェブ参照、または当日のお問い合わせをお願いします。

日時:4/29 11:00~16:00

場所:文京区根津二丁目

・油揚げ
http://aburaage.web.fc2.com/

「谷中カフェ」は2002年から約7年、谷中・三崎坂で営業していた玄米菜食のお店。肉や魚、卵や乳製品などの動物性の食材は使用せず、野菜を皮まで全て調理して命まるごといただく健康食を提供していました。

その考えは「油揚げ」となってからも変わらず、また玄米菜食という響きからはちょっと意外と思えるくらいに、お腹がしっかりと満足する食事をいただけます。

当日の予定メニューは、搬入のこともありまして食事はカレー(20食程)の提供となります。ただ余裕があれば、お店の名前にちなんだ持ち帰り用の何かが加わるかもしれません。他にはクッキーなどのデザートメニュー、そしてコーヒーとなります。

場所ですが、先のご案内にもありますように個人宅(和室八畳間)となります。当初はお昼に営業していないお店を借りようかと考えたものの、店主ゆりさんの「谷根千ぽくっていいよっ!」の一言でこういうことになりました。尚、住宅密集地のため、お喋りの音量には少しだけご配慮いただけますと幸いです。

居酒屋「すみれ」の裏っ手、目印は玄関先に立つ身長120cmのPlaymobil。緑の帽子をかぶった文字通りの看板娘がお出迎えいたします。

当日のご連絡は下記のいずれかでお願いします。
tel: 080-3604-5436
email: lunatixorama☆gmail.com(☆ を@に変えてください)
Twitter: _tomblin_

ゆりさんを知る谷根千在住のお友達や常連の方々が旧交を温める場、そして一箱古本市に訪れる皆さんの休憩の場となればと思います。皆さんのお越しをお待ちしております。

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8
4月

Book Songs

昨夜4/7、千駄木のブーザンゴにて不忍ブックストリートの茶話会が開かれました。

・「不忍ブックストリート:2010年4月の茶話会

普段は選ばれた一人が好きなテーマで30分間話をするのですが、今回は特別企画開催。その名も「本の出てくる曲」。参加者それぞれが古今東西、本の出てくる曲を持ち寄り、それを披露するというもの。今回の参加DJは12人。時も場所も色々、それは幅広いジャンルの曲が集まりました。

Twitterでもその進行を実況しましたが(ハッシュタグ #booksongs で探してください)、ここに映像や歌詞のリンクも含め、まとめておきたいと思います。


01. 岡田奈々 “青春の坂道”

・選曲:吉上さん
・歌詞:goo

作詞:松本隆、作曲:森田公一。君に逢いたくて行く古本屋。


02. Sheryl Crow “The Book”

・選曲:桐谷さん(Twitter
・歌詞:metrolyrics

ある本を読んだら、そこに登場する女性に見覚えが。実は自分のことが書かれていたという。

http://www.youtube.com/watch?v=l3FWL9nmS7M


03. The Beatles “Paperback Writer”

・選曲:恭太さん(Twitter
・歌詞:metrolyrics

自著を売り込むライターのお話。
映像は日本公演のものがあったので、そちらをリンク。


04. Caetano Veloso “Livros”

・選曲:たけうま書房さん(Twitter
・歌詞:LyricsMode

どこか高山宏を想起させる壮大な歌詞。家には本が無く、町には本屋も無く。しかし書物は宇宙の膨張と超常的な意味をなす。というような。さすがにポルトガル語の歌詞では分からず…。ちゃんとした日本語詞が欲しい。

YouTubeの映像はオフィシャルのPVでいいのかな?。舞台の図書館に見覚えがあると思ったら、これはリオ・デ・ジャネイロの幻想図書館「Real Gabinete Português de Leitura」!!。さすがご当地!。こういう偶然があるから楽しい。

・「Real Gabinete Português de Leitura


05. HEATWAVE “雨の後、路は輝く”

・選曲:古書ほうろう 宮地さん(Twitter
・歌詞:HEATWAVE WEBSITE

本が出てくることを理由に、このアーティストを皆さんに紹介したいとのこと。知ることが出来て良かった。
映像は矢井田瞳との共演。

http://www.youtube.com/watch?v=Sq16q7NL5g8


06. 二階堂和美 “話しかけたかった”

・選曲:カリプソ文庫さん(Twitter
・歌詞:goo

南野陽子のカバー。本屋の前で雨やどり。歌詞リンクは南野陽子のほうで。


07. The Kinks “Picture Book”

・選曲:板谷さん
・歌詞:metrolyrics

Kinksもちゃんと聴いたことのなかった音楽。皆さん、本当に選曲が重ならない。


08. 荒井由実 “緑の町に舞い降りて”

・選曲:及川さん
・歌詞:goo

地元への熱い想い感じる選曲。花巻空港と銀河の童話。

http://www.youtube.com/watch?v=sjdy1QRlw6k


09. HARCO “スクラップブック”

選曲:さんごさん

良い曲だったのに、映像・歌詞共に見つからず。教えて欲しい。


10. 埋火 “と、おもった”

・選曲:ナンダロウさん(Twitter
・歌詞:見つかりませんでした

歌い出しに「装丁のきれいな本」。皆さん、他に「装丁」という言葉が使われた曲が思い浮かばず、耳で聞く「装丁」の語感に感じ入っていた様子。


11. 図書館 “図書礼讃”

・選曲:トンブリン:タケミツ(Twitter

「本」という言葉は出てこないけれど、そこは確かに図書館。そのイメージの想起が素晴らしくて選曲。映像・歌詞共に見つからなかったので、アーティストサイトとMySpaceをリンクします。

・アーティストサイト:図書館
・MySpace:図書館


12. 細野晴臣 “星めぐりの歌”

・選曲:永山マキさん(Twitter

宮沢賢治の一曲。今回は『銀河鉄道の夜』サントラから。


間髪入れず、2巡目に入りました。

13. あべ静江 “コーヒーショップで”

・選曲:吉上さん
・歌詞:goo

作詞:阿久悠。本を読んで涙する。


14. Elvis Costero “Everyday I Write the Book”

・選曲:桐谷さん(Twitter
・歌詞:metrolyrics

1曲目に選ばれたシェリル・クロウは本に書かれた側、今回は書いた側の曲。


15. 有隣堂 “テレビCM”

・選曲:恭太さん(Twitter

今回の最注目曲。
30年前、テレビ神奈川で流れていた有隣堂のCMソング。作詞作曲はおそらく小坂忠ではないかという推測。音源が見つからず、ギター弾き語りの生演奏。


16. Jim White “Book of Angels”

・選曲:たけうま書房さん(Twitter
・歌詞:HotLyrics

David Byrneのレーベルアーティスト。聴いたことのないものが多すぎる。


Jim White – Book Of Angels


17. Squeeze “Love Circles”

・選曲:古書ほうろう 宮地さん(Twitter
・歌詞:metrolyrics

愛の移り変わりのひとつとして登場する本。

http://www.youtube.com/watch?v=3mKDV5ekCSQ


18. かせきさいだぁ≡ “じゃ 夏なんで”

・選曲:カリプソ文庫さん(Twitter
・歌詞:見つかりませんでした

梶井基次郎や宮沢賢治の一節が散りばめられた詞。はっぴいえんど “夏なんです”へのアンサーソングでもあるそうです。


19. Simon & Garfunkel “Bookends Theme”

・選曲:板谷さん
・歌詞:metrolyrics
・映像:YouTube

静かな小品といった趣き。映像は埋込不可だったのでリンクを。


20. Marta Gómez “Paula ausente”

・選曲:ブーザンゴさん
・歌詞:martagomez.com

ここでブーザンゴさんも参加。Isabel Allendeの著作『PAULA』という本にインスピレーションを得た曲。


21. Talking Heads “The Book I Read”

・選曲:ナンダロウさん(Twitter
・歌詞:metrolyrics

Jim WhiteからDavid Byrneへ。僕が読んだ本が君の眼の中に。


22. Nick Cave and the Bad Seeds “There She Goes, My Beautiful World”

・選曲:トンブリン:タケミツ(Twitter
・歌詞:metrolyrics

John Wilmot / Nabokov / Johnny Thunders / Karl Marx / Philip Larking / Dylan Thomas。登場する作家・詩人の多さから選曲。

http://www.youtube.com/watch?v=d1fzqtTV2EE


以上、約2時間で全22曲。
並べてみると、改めてその選曲の幅広さに驚きます。一方で時に「その曲にしようかとも思った」という声が上がったりするのもまた楽し。皆さん、考えて臨んでます。

参加人数と時間の関係にもよりますが、2曲までという選曲ルールも面白かったです。1曲だけでは分からない選ぶ人の個性と言いますか。特に吉上さんの岡田奈々・あべ静江、桐谷さんの本に書かれた側と書いた側は、選ぶテーマがしっかり見えるようで楽しく聴かせてもらいました。

そして何といっても恭太さんの弾き語り。オリジナル音源も聴きたいし、また本当に小坂忠なのか知りたくもあり。更に日本各地の書店CMソングを探してみたくもなりました。ちょっと検索したら、島根の万代書店が。

皆さん、まだ出しきれていないようでもあるので、もしかたら第2回の開催もあり得るかも。今から新しい曲を探しておきます。