3
19
12月

Touched by Fire

2008年2月1日、パリの剥製商であるデロール(Deyrolle)を襲った突然の火事。そこで被害にあった剥製・標本を用いた展覧会「Nature Fragile」が催されたのが同年11月。複数のアーティストが参加し、同名の図録も発売されました。

その「Nature Fragile」にも参加した写真家Martin d’Orgevalが、単独でこのデロールの火事をモチーフとした写真集『Touched by Fire』を刊行。出版元であるSteidlに注文し、無事届きました。

091219_Touched_by_Fire_02.jpg

見開きの右ページは、火事の被害にあった額装標本が次から次に。標本として息を引き取った生物が火事により再び息を引き取ったその姿が、皮肉にもこれほどまでに美しいとは。これをそのまま額装したい。

091219_Touched_by_Fire_03.jpg

見開きの左ページは最初から最後まで文字がびっしり。これはAで始まる鱗翅類の名称で、その数は33,000。それらのデータは「Catalog of Life」から引っ張ってきたもの。

091219_Touched_by_Fire_01.jpg

布張りの装丁はウェブで見る小豆色に近い印象を裏切り、より赤みがかったもの。これならばと赤い本シリーズの仲間入り。

091219_steidl.jpg

望外の喜びは、同梱されていたSteildlの2009/10の出版カタログ。『Touched by Fire』よりも一回り大きいサイズで。これがそのまま写真集と言ってもよい造本。刊行される本もまた、木箱や布袋などを使った凝ったものが多く。価格がほぼ同じだからとamazon.comで買わなくて良かった。出版社から直接購入する行為を忘れちゃいけない。

3 Awesome Responses.