来た見た良かった
4/23,那覇の古書店とくふく堂で開催された「とくふく堂の一箱古本市」に現地参加してきました。現地からの更新予定が,ネット環境のトラブルで断念。1日遅れのレポートです。
まずは,とくふく堂さんのご紹介。
あの有名な第一牧志公設市場と通りを挟んで向い側,トクさんとフクさんによる通称”日本一狭い”古本屋。どれくらい狭いかはこの通り。
左が開店当初からの本店,右が新たに誕生した支店。支店はともかく,本店は中ですれ違うことままならず。これは確かに日本一狭いかも。そんなとくふく堂さん,この4/23でめでたくも開店3周年。毎年記念イベントをされているらしく,昨年の2周年では座談会を開催,そして今年は一箱古本市開催となりました。
今回の出店は5店。沖縄の出版社「ボーダーインク」編集者,新城さんの「うっちん堂 本店」。「散歩社」としてホームページ制作やパンフレット制作を行う一方で,写真雑誌『LP』も作られている松本さんの「散歩社」,一箱古本市発起人であるナンダロウさんの「古本けものみち」。元アクセス店長,畠中さんの「普通女子の本棚」,そして不肖私「トンブリン」。ナンダロウさんと畠中さんは箱のみの出店です。
天気はあいにくの雨模様。でも,会場のとくふく堂さんはアーケードの中にあるので濡れる心配はありません。いよいよ12時,スタート。まずは互いの箱を見ながらご挨拶。これまでに参加した一箱古本市同様,このサイズなだけにその人となりが色濃く反映される面白さが。そして時間が経つにつれて見えてくるお客さんとの接し方もまた特徴的。新城さんはその沖縄言葉に加えて話自体も上手いから(聞けば,ラジオ番組にも出演されているとか),自然と懐に飛び込んでいく。松本さんもスリップに書かれた内容説明に加えて,その柔らかい物腰でコミュニケーション。で,自分はと言えば,スーパーアウェイな環境に腰が引け気味になりながらも何とか。沖縄の人の優しさに救われました。
そんなこんなで店主同士やお客さんとの会話をしているうち,あっという間に終了時間の21時。降ったり止んだりの天気で思ったよりも客足が伸びなかったのは残念でしたが,それでも15冊が旅立っていきました。
撤収後,トクさん,新城さん,松本さんと那覇の社交街,竜宮通りの居酒屋「さかえ(女将さんがキュート!)」にて泡盛片手に打ち上げ。トクさんはプロ故,箱の中の残り具合を気にしていたけれど,出店者サイドは口を揃えてそれは違うと反撃。そりゃ確かに売れたほうが楽しいのは確か。でも,それよりもお客さんとの会話や出店者同士の出会いといったお金に換えられないものを享受出来る喜び,そしてそんな場が生まれたことこそが一番じゃないかと。それでも「延長させてください」,「僕が売りたいんです」と繰り返すんですから,何とも人の良い方です(そんなところが大好きなのですが)。
那覇という街に対するお三方の話にはただただ聞き役として頷くばかり。車社会で人は歩かないから,点と点の行動のみで線や面にはならない。何処の地方都市もそうなんだろうし,そうだということも分かっているつもりだけど,やっぱりそこに暮らす人の言葉は重い。
本を媒介に街と出会い,人と出会い。無理をしてでも行って本当に良かった(これから,不忍ブックストリートの準備もあるんだけど…)。とくふく堂のトクさんとフクさん,新城さん,松本さん,ボランティアでお手伝いしてくれたきょうこさん,そしてお越し頂いたみなさん,ありがとうございます。