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5月

一箱古本市当日の告知

何事も前倒しじゃないとね…。
昨夜に告知しようと思ったところ,まさかのサーバーメンテナンスでサイトに繋がらず。当日の朝となってしまいました。
ということで,今年も不忍ブックストリートの「一箱古本市」に参加いたします。出店場所は「ファーブル昆虫館 「虫の詩人の館」」。
昨年からテーマを決めての出店を行っていますが,今年は「ヴンダーカンマー(Wunderkammer)」。16・17世紀を中心にヨーロッパの王侯貴族の間で花開いた,世界を蒐集せんとする個人的な博物コレクションの部屋。日本語では「驚異の部屋」,英語では「Cabinets of Curiosities」と訳されます。
Wikipedia:驚異の部屋
今世紀に入ってからの個人的趣味であり,実際に現地で色々と見て回ったり,また方々で関連書籍を見かけると手にしてもいたので,それなりに数が揃ったかなぁと。
01.『愉悦の収集 ヴンダーカンマーの謎』 小宮正安
02.『太陽 No.378:澁澤龍彦の「驚異の部屋」』
03.『Cabinets of Curiosities 』 Patrick Mauries
04.『Shell Shock』 Patrick Mauries
05.『ウィルソン氏の驚異の陳列室』 ローレンス ウェシュラー
06.『Inhaling the Spore』(DVD)
07.『Anatomie als Kunst』 Manfred Scopec他
08.『驚異の発明家の形見函』 アレン カーズワイル
09.『突飛なるものの歴史』 ロミ
10.『鼻行類』 ハラルト・シュテュンプケ
11.『グリーンマン』 ウィリアム・アンダーソン
12.『失われた生物』 小島 郁生
13.『Proteus』(DVD)
まずは01・02で俯瞰し,03・04の優れた図版でこの世界の眼福を。05・06は現代のアメリカにある個人博物館の姿。07はウィーンの人体蝋人形博物館の鮮やかな書籍(リアルなので人を選ぶとは思います)。08は中世フランスを舞台にした博物的小説。09は更にフランス,風変わりを意味する「アンソリット(insolite)」にまつわる様々を集めた一冊。10~13は生物を。13のDVDがエルンスト・ヘッケルの博物画をアニメーションした優れたドキュメンタリーです。
またヴンダーカンマーと直接関係のあるものだけではなく,蒐集全般にまつわるものも追加。
14.『貼雑年譜』 江戸川乱歩
15.『Playmobil Collector』
14は言わずと知れた江戸川乱歩自作のスクラップブック。15はこれまた個人的趣味であるドイツの知育玩具「Playmobil」の30年分の商品カタログ。
更に会場がファーブル昆虫館ということで縁のあるものも少しばかり。
16.『日本の名随筆 別巻34 蒐集』 編・奥本大三郎
17.『Nature Fragile』
16は編者が昆虫館々長の奥本大三郎氏。17はちょっと強引なファーブル繋がり。パリの有名博物商「デロール(Deyrolle)」が昨年火事に襲われ,その焼け出された剥製標本を用いて行われた復興のためのチャリティー展覧会の図録。その同展覧会の参加アーティストにファーブルの曾孫であるヤン・ファーブルも名前を連ねています。また,デロールに関しては奥本氏も『芸術新潮 2001年7月号』に寄稿されています。
最後に紙物。
以前にポスト(詳細はこちらを参照ください)したように,書籍スキャン→pdf化の作業を進めているわけですが,その流れの中で断裁された書籍をただ捨てるのも忍びなく,気になるページ(丸々一冊ということも)を保管していたものを罪滅ぼしの意味も込めて放出。今回の出店テーマにあうものということで,素材となる本は中世の図像を集めた『The Complete Encyclopedia of Illustration』。自然から動植物,地図・建築など,複数のジャンルが揃っております。お好みでどうぞ。
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では,ヴンダーカンマー,また博物好きの皆様のお越しをお待ちしております。

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