すみだトリフォニーホールにてPhilip Glass『Koyaanisqatsi』(1982)。
自分にとってのPhilip GlassはDavid Bowie『Low』をシンフォニーにした作品『Low Symphony』の人くらいの存在感。なもんだから,この作品も名声はうっすらと聞き及んでいたもののもちろん未見。それを途中(既発のLD・ビデオその他)すっ飛ばして,いきなり映像にあわせてGlass自らを含むアンサンブルが生演奏する形態で見てしまうことにちょっとした後ろめたさを感じつつ会場入り。
序盤の間延びした映像にどうしよう(チケット高かったのになぁとか(我ながら小さい…))かと思ったけれど,中盤,集積回路基盤と都市の俯瞰図がオーバーラップする映像が流れた頃から徐々に没入。低速・高速を絶妙に絡み合わせた映像とそれぞれの速度の印象を増幅させる音楽に,心地良さを伴って意識が遠くなり始める。
その先に待っていたのは,超高速映像(グランドセントラルターミナルを行き交う人々,夜の闇を疾走する自動車(両脇を幾十もの線となって駆け抜けていくネオン,『2001年宇宙の旅』のスターゲイトのシーンかと思ったよ)等々…),そしてそれに重なる超高速ミニマル。視覚・聴覚共に完全にオーバーフロー。しかしそれに逆らうかのように意識は過剰なほどに明瞭。っつーか,この気持ちよさは一体何!?。
しかし,超高速の世界が突然終わるとその先には,ゆるやかに,そしてだからこそ確実に見せつけられる文明の挫折が。人間であることの不幸を呪わずにはいられない。でも前に進むしかないというラスト(ふと『オネアミスの翼』が頭をよぎる。これを参考にしてたりしてたのかな?)。いや,生で体験できて本当に良かったです(DVDも出たけれど,せいぜい記憶の再確認程度にしか感じられないだろうな)。Phillip Glassの過去の作品もこれからしっかり勉強します。
あ,勉強と言えば『サウスパーク』。この映画(Phillip Glassも登場するとか?)が取り上げられている,エピソード#110「おしゃべりウンチのMr.ハンキー」も見なきゃ。