Fimmtudagur, ágúst 28, 2003
The Last Nightmare

帰国日。

しかし最後に大失敗。最後の最後,楽しみに取っておいた『Freddy vs. Jason』を寝坊で見事に見逃し…。深夜に行こうと思っていたらいつの間にか昏睡。起きたら朝の6時で,今から映画館に走ったら(毎日オールナイト上映してた)確実にフライトに間に合わない。やっぱり美味しいものは最初に食べなきゃダメなのよ…(いや,両者共に食ったら相当まずそうだけど)。

正直言って,それぞれ1作目くらいしか記憶にないんだけど,街中至る所に貼られたポスターのキャッチコピーにとにかく痺れまくったのです。なんつったって「Winner Kills All!」ですから。


Miðvikudagur, ágúst 27, 2003
So Many Books... So Little Time.

辛抱堪らず,再びGotham Book Martの扉を開いて諸々購入。

まずは『Sherlock Holmes Crossword Puzzle』。各短編の一部と,その謎を解くキーワードが隠されたクロスワードが一組となって,全数十編。クロスワードがホームズネタに限らない(新聞に載ってるいわゆる普通のクロスワードと同じ)のが残念だけど,まぁこの組み合わせが珍しかったので。

続いてゴーリーグッズとしてマグカップ。女の子が本を積んだトレーラーを引っ張っている絵柄で,その横には「So Many Books... So Little Time.」の一文(全くもって…)。

他にも色々あるけれど実際に読めるかというと難しいし(語学力・読解力共に),また手持ちも少ないんで止めとこうかと思ったら,最後にChris Wareの絵本(と言っていいのかどうかすら謎)とご対面。

後期クシー君を思わせるとっつきの良い絵柄に騙されてはいけません。某帝国の黒鼠とは対極を成す『The Quimby Mouse』,ノスタルジックな未来で孤独に過ごすオッサンを描いた『Tales of Tomorrow』,ヲタでゲイでマザコンのこれまたオッサンを描いた『Rusty Brown』等々,その内容は軽やかに,それでいて深く病んだ気狂い系。しかもその本としての体裁は見事にオブジェ。ペーパークラフト(もちろん,それらを実際に組み立てようとすると裏のマンガがズタズタに切り裂かれてしまうので,作るに作れない)があったかと思えば,余白を埋めるために縦横無尽に細かい文字が書き込まれ,またその文章がいちいちひねくれている。ゴーリーとあわせて,この店のテイストがちょっとわかったような(更にわからなくなったような)。

喜んでそれらを小脇に抱えてレジに向かおうとすると,更にトラップ。本屋のスタッフ(おそらく店長)が「おっ,Chris Wareだね。こいつ,いいよねぇ。ちょっと待て,他にもあるから持ってくるよ」と,またドサッと…。そんなに買えねぇよと,2冊に絞って勘弁してもらう。まったくもって怖ろしい本屋だよ…。

後日,ネットで調べたら,Chris Wareの個展が日本でも2000年に開かれていたらしい。


Miðvikudagur, ágúst 27, 2003
New York City Boy?

丸一日,費やせるのも今日が最後。

と思ったら,妙に眠れず,朝も4時から地下のビジネスセンターでネット(Bryant Parkは7時まで施錠されているので入れず)。すると今夜,Iggy PopとDuran Duranのライブがそれぞれマンハッタンのクラブで行われることをTicketmaster(日本の「ぴあ」みたいなもん?。今回のbjörkライブのチケットはここで入手)で発見。見たいのはやっぱりIggy,でも客層が気になるのはDuran Duranだなぁ,などと思いながらチケットの確認をすると両者共にソールドアウトの様子…。でも日本でTicketmasterを見ていた時はそんなスケジュール無かったじゃねぇかよと思いよく見ると,チケット発売日は共に8/22。こっちに着いた翌日…。ちくしょー,ホテルの部屋からネットが出来ていたら,もしかしたらもっと早く知ることが出来てチケットも…。などと夢想しても後の祭り。

気を取り直して朝飯後,地下鉄に20分揺られQueensへ。目的地はスーパーマーケットTarget。ここ限定のあれこれやを,前述ライブの腹いせもあって諸々購入。

帰り,Roosevelt Islandで途中下車。こことマンハッタンを結ぶケーブルカーを眺めながら,『スパイダーマン』でデフォーが頑張ったのはここねと一人ご満悦。


Þriðjudagur, ágúst 26, 2003
Visitors

旅も終盤,そろそろニューヨーク観光の定番巡り。

ということで朝イチ,まずは上がってメトロポリタングッゲンハイムへ。

メトロポリタンは相変わらず(っつったって2度目のくせに)広大な空間に圧倒されっぱなし。それでも今回は散漫にならないようにと,最初から見るものを絞って挑戦。フェルメール,武器・甲冑,中国・日本美術…。が,これでもたっぷり2時間半から3時間。しかし何が嬉しいって,普通に(つまり無料で)写真撮影・スケッチが許されていること。自分の経験では,ヨーロッパでも無料,もしくは追加料金を払えば可能なところが多いと思うんだけど,一方でなぜに日本はほとんどが禁止しているのか?。

続いてグッゲンハイム。でも正直,せつなくなってばかり。展示品よりも建築に価値があることは今や誰も疑うところではないのに,その建築の手入れがあまりにも…。窓の曇りに始まり,剥離が目立つ外壁,丸見えのバックヤード…。メトロポリタンよりも高い入館料取ってんだからなんとかしろよ。クレマスター撮影時,Matthew Barney(björk姐さんの旦那)にもっとグチャグチャにしてもらって欲しかったくらい…。

ひとまず休んで夕方,今度は下がってグラウンドゼロへ。今となっては何てことのない工事現場。でもここにリベスキンドの案が建つわけねと想像するとまた楽し。とは言いつつ,本当はシド・ミードの斜線都市だったらなぁと思っているんだけど…。


Mánudagur, ágúst 25, 2003
Met Life

夜,諸々の用事を済ませて宿近辺まで帰ってきたらBryant Parkへ。でも今回はネットに非ず。ここで6末~8月の毎週月曜日,無料の映画上映会が行われているそうで,今日が最終日。そしてその最後を飾るお題目は『2001年宇宙の旅』。

映画の内容自体よりも,観客の動向を観察しているほうがいちいちおもしろかったですよ。オープニングをスタンディングで迎え,タイトルが出た瞬間には拍手と共に大歓声が起き,『美しき青きドナウ』が流れるとリズムにあわせて手拍子。しかし何よりも興味深かったのは,モノリスに触れた猿人が初めて骨を振りかざし,そして戦い済んでそれを宙に放り投げる両シーンでのやんやの大拍手。お前ら,知恵を得たというよりは武器を手にしたという意味で喜んでんだろうと思ってしまう私はひねくれているでしょうか。

でも,パンナムの宇宙船登場シーンで「PAN AM, PAN AM」と小声で囁く現地人とおぼしき人を発見した時は親近感。


Mánudagur, ágúst 25, 2003
Public School No.1

そろそろ疲れが溜まりだして,朝飯→公園ネットの後に再び寝る。

昼を過ぎてからVラインに乗ってクィーンズにあるP.S.1 Contemporary Art Centerへ。"P.S.1"とは"Public School No.1"の略で,元々は学校だった建築を美術館にリノベーション(この言葉のむず痒さはなんとかならないものか)したものだそう。

幾つかの企画展と常設展があったなか,一番気になったタレルの作品はその性質上(光を嫌う),夏場日中の展示は無し…。ガックリしながら,それでもせっかく来たんだから全部見て廻らなきゃなと,迷路のような(元々が古い小学校だからその空間の雰囲気もあまり良くない。あんなとこ,生徒で入りたくないよ)内部をグルグル巡る。

やっと最後の部屋だという安堵感を伴いながらTaryn Simonの写真展示へ。しかしここでやられました。隅から隅までカッチリとフォーカスのあった写真に写っているのは冤罪で投獄された人々。しかも彼らが身を置くその舞台は,逮捕された場所やシチュエーション,または彼らの人生に縁のあるところ。なかでもマットレスの下に隠れていたところを発見・逮捕された人の写真が最高にカッコイイ。また,どことなくリンチの画とシンクロする雰囲気も。

が,一方でこの作品趣旨を知っているにもかかわらず,数人の被写体に対して「こいつ,ほんとに悪そうだなぁ」と,単純に外見だけから思っている自分を否定することができませんでした。

これらの写真,The Innocence Projectの一環だそうで,写真集も出ています(ミュージアムショップで$37で売っていたものの,amazonにあるだろうと思って止めといたら,案の定,安価で売られています)。


Sunnudagur, ágúst 24, 2003
Wise Men Fish Here

ちょっとした時間潰しに,ロックフェラーセンターのすぐ近くにある紀伊國屋書店で色々と立ち読みしていたら,『Invitaion』に先日見たゴーリーの展覧会を催していたGotham Book Martの話が載っていた。

記事によると,展覧会どころか筋金入りのゴーリー縁の店で,版権も幾つか管理。レジ周辺にTシャツやらマグカップ,ポストカードなどのゴーリーグッズがやたら充実していたのもその流れか。この店を知らずして日本に戻り,そしてその存在を知っていたら悔やんでも悔やみきれないところでした。出会えた偶然に感謝。

タイトルの"Wise Men Fish Here"は,店先にぶら下がっている看板に書かれている一文。「賢き人はここで本を得る」とでも訳しましょうか。


Sunnudagur, ágúst 24, 2003
A Flash of a Genius

朝飯後のBryant Parkでのネットが定番化。電波の強いポイントもわかってきたし,また昼の暑さが嘘のような涼しい空気も心地良し。

とは言え,やはり繋がったり切れたりを繰り返すことしばしば。メールチェックや個々のウェブを見るくらいなら許容範囲だけど,画像のアップロードやファイルのダウンロードは見事に途中失敗の連続。画像は別に今じゃなくてもいいんだけど,メモリが一杯になって追加撮影不可になった第二デジカメからデータを吸い出すためのドライバ(出発前にインストールし忘れ)を落とすのだけは緊急事項。

今一度,宿のビジネスセンターからNYCwirelessを覗いて他の無料無線LANポイントを探索。他の用事を済ます傍ら,その近隣でポイントがあったら接続を試みようという腹積もり。コンピュータをズタ袋に入れて出発。

まずは幾つかの蚤の市を廻りながら,Madison Square Park,Union Squareでダウジング。しかし全く反応せず…。さっさとあきらめて次なる目的地,向こうの世界では広く名の知れたOpen Centerへ。用事が済んで次はどうしようかと地図を広げたら,実はここから先に訪れたApple Store SoHoが近いことに気付く。そう言えば画像のダウンロードにはiPhotoも使うなとこじつけて,こうなりゃスペシャリストが集うGenius Barでアクセスポイントを訊いてしまえと考える。

2階に上がって一人の天才にお伺い。すると,「ここはアップルストアだぜ。ネットはここにあるじゃないか」と嬉しい返事。早速,店内の無線LANにマイコンピュータを潜り込ませる。しかし電波が弱すぎてBryant Park同様に切れ気味。ではと天才,イーサケーブルを持ってきて有線接続に切り替え。すると今度はIPすら取得できずまったくダメ。ちょっと焦り始める天才。しかしこれではその名が廃るとばかりに,指を鳴らしてイーサケーブルを別のものに取り換える。結果,見事成功。ありがとう,天才。


Laugardagur, ágúst 23, 2003
It's in her hands

いよいよこの旅のメインイベント,björk & Sigur Rósのライブへ。

Wラインに乗って終点のコニーアイランドまで。会場は,ジェットコースター「サイクロン」でお馴染みの有名遊園地,の隣にあるKeyspan Parkという野球場(マイナー球団,Brooklyn Cyclonesの本拠地)。バックスクリーン前にステージが据えられ,客席はオールスタンディングの外野グラウンドとシートのスタンドという会場構成。振幅ありすぎてまったく読めない客層がおもしろすぎ。

20:00,オープニングアクト(すみません,名前忘れました)に続いてSigur Rós登場。バックにはストリングス隊も健在。1曲目,4月の国際フォーラムでのライブ同様に『Untitled #1(a.k.a Vaka)』が来ると思いきや,全く耳慣れない曲(新曲?)。たゆたう心構えでいたところにくらわされた高速ドラムの旋律に面食らい。

その後はいずれも既曲。『Mílanó』『Gong』『Olsen Olsen』『Hafssól』『Vidar Vel Til Loftárása』『Untitled #8』,そして最後に『Smáskífa』。途中もう1曲はあったと思うので,全部で8~9曲,約1時間のライブ。相変わらず,途中で涙腺緩むことしばしば。それを堪えようとして上を向くとそこに星空。更に緩むの繰り返し。ただ野外ということで客席側の集中度が足りなかったのがマイナスポイント。くっちゃべりは当たり前,曲終わり,静かにフェードアウトしていく時に会場内を練り歩く売り子の「Beer! Beer!」が響いた時には失笑が起きるし…。

21:20頃,姐さん,ついに登場。バックにはVespertineツアー同様にMatmos,Zeena Parkins,そして新たにストリングスが6人程。

『Hunter』で始まって,3曲目か4曲目の『joga』でステージ上,火柱が20本程上がる。更にはステージ遙か後方,海側からレイキャヴィクの年越しかと思うくらいに花火がドカンドカン上がりまくり。最初にこのライブが行われると知った時,会場はてっきりマンハッタンのどこかの公園だと思っていて,まさかこんな遠くでやるもんだとは思わなかったんだけど,この花火を見て納得。現時点での正確な規制は知らないけれど,やっぱりこれだけの花火をマンハッタンで上げるのには問題あるんだろうなと…。

途中,何の曲かは忘れたけれど,スタンドからステージに向かってシャボン玉が宙を飛ぶ。

ラスト2曲(『It's in Our Hands』ともうひとつ(おかしくなってて忘れた))は上げ上げ。これでもかとばかりに火柱と花火は上がり,シャボン玉は舞う。

自分のこのライブへの意気込みはSigur Rósがメインで,姐さんはそりゃ見たいに決まっているけれど,正直Vespertineツアーほどの期待はしていなかったという程度のもの。実際,序盤は相変わらずのキュートと言うよりはコミカルに近い立ち居振る舞いに微笑む余裕すら。しかし中盤からは生きとし生けるもの全てを憑依させてそこに立っているような圧倒的存在感にすっかり当てられっぱなし。

しかも横にはあの俗物極まりない(褒め言葉)遊園地。清濁・聖俗・グッドテイスト/バッドテイスト…。背反二項だけではないけれど,ここでライブが行われたことに何らかの意味をつい感じてしまうし,また全てを併せ呑むその度量。感服…。


Laugardagur, ágúst 23, 2003
Wireless Wired

7時,食堂の扉が開いたと同時に朝飯。ちゃっちゃと食ったらコンピュータを持って,歩いて2分のBryant Parkへ。

この公園が宿から一番近い公共の無料無線LANスポット。早速,コンピュータを立ち上げて電波受信開始。しかしそれなりに広いので,やはり場所によって感度にかなりの違いあり。そこで駅弁売りのようにマシンを抱えて公園内を一回り。電波は地上だけど,気分は地面に埋めた金属をダウジングで探すジャイアン。

数分後,とりあえずこの辺だろうという所に腰を落ち着かせてブラウザを立ち上げる。すると,自動的にこの公園のサイトに繋がって認証画面へ。そこでアクセプトボタンを押せば,晴れてネットの世界へ。

There's More... "Wireless Wired"

Föstudagur, ágúst 22, 2003
Gotham City

朝飯を食ったら早速出発,南へ南へと,どんどん下がる。

道中,前回来た時のことを色々思い出す景色に出会いながら,Gershwin Hotel,H&M,Strand Bookstore(古本屋)などに寄り道。

更に下がってようやく最初の目的地,Apple Store SoHoへ。
宿のビジネスセンターとは大違い(当たり前)。デフォルトで日本語表示・入力可能なOSX最高。あ,ここに来た目的はネットじゃないよ。今回持ってきたコンピュータは旧式故にバッテリは遙か昔に死亡。でもこの旅では宿での利用を想定していたので,ACアダプタさえあれば問題無しの予定だった。しかし,昨日の無線LANの一件をクリアするためには,どうしてもバッテリが必要。そしてNYでアップル製品と言えばやっぱりここで訊くのが一番だろう。

ということで,バッテリをスタッフに所望したところ,
「ここはアップルストア,しかも最も位置付けの高いSoHoのショップよ,最新型のモノしか置いていないに決まってるじゃない。あんたが欲しがってる旧型のパーツなんて扱ってないから,よそのショップで買ってよ。はい,これが店の名前と住所。」(前半超訳。若干卑屈混入)
とのお言葉。

暑くなってきたので,地下鉄でそのショップ,Tekserveのある23th Streetまで上がる。ショップは駅からすぐのところ。役所や病院の受付のような整理券形式で,自分の番が来たらカウンターの中の店員にあれこれ説明して所望するモノを得るの販売方法。そんなこんなで無事バッテリ購入。高いけど仕方なし。

ちょっと疲れたので宿に一度戻ろうと地下鉄に乗車。ロックフェラーで降りてそこから宿に向かってふらふら歩いていたら,到着目前で古本屋を発見。名前はGotham Book Mart。しかもショーウィンドウを覗いたら,エドワード・ゴーリーのエキシビジョン開催中の貼り紙。もちろん入店。っつーか,何この店?。ゴーリーの著作はもちろん,それに加えてグッズの品揃えが半端じゃなし。しかもその他の棚も文学・哲学・詩・映画・音楽…,これでもかの景色。

宿に戻って休憩の後,アッパーウエストサイドへ上がって,Nicholas Roerich Museumへ。

セントラルパークの北辺を西から東になぞって,The New York Academy of Medicineへ。物の本によると,「ハンセン病患者の鳴子」だの「世界最初のペニシリン菌の丸薬」だの「瀉血処理用吸角」だの,そりゃもう素敵な医療器具の数々が収められているとか。

さぁいざ行かんと,入り口に立つオッサンに「展示を見に来た」と言うと,「ここは博物館じゃない」と冷たい一蹴の言葉。そこでいやあるだろと詰め寄ったら,あぁと言って1枚のA4紙切れを手渡される。見るとそこにはなめた一文。
「ここは6/9にエアコンが壊れて一時的に閉じました。エアコンが直って涼しくなった博物館であなたに逢えるのを楽しみにしてるわ!。」
2ヶ月経っても直りませんか,そうですか。


Fimmtudagur, ágúst 21, 2003
No New York

12時間,ブロイラーのように詰め込まれて(旅行代理店の担当者め,「窓際で予約しておきましたから」と言ってたので安心してたのに,いざ乗ってみたら中央5列のしかもど真ん中じゃねぇかよ。もうお前には頼らん)空港に降り立ち,更にそこからバスに小一時間揺られてようやく8年ぶりの街の中へ。

宿に到着して,早速無線LANチェック。この宿を選んだ最大の理由がこれ。サイトに全室から無料でWi-Fi(802.11b)が利用出来ると書いていたから。しかしコンピュータを立ち上げてもアンテナに一切反応無し,Hot Spotが全然見つからない。旅の疲れも相まって正直,グッタリ…。フロントに乗り込んでかけ合う気力すら無し。とりあえず一眠りして落ち着くことに。

21時頃,のそのそと起き出してフロントへ。しかし結果は更にグッタリしただけ。やれ無線LANだったらテレビ経由で出来るからそれを使えだの(んなこたぁ,部屋に入った瞬間に知ってんだよ。確かにWebTVみたいなシステムがあって(ワイヤレスキーボードもあり),1日$10でネットが使える。でもメール利用不可だし日本語も多分通らない),無料でネットがしたいんだったら地下にビジネスセンター(とは名ばかりの,3畳ほどの部屋にPCとプリンタが各1台置かれただけのもの。日本語指定のサイトは文字化けどころか表示されもしないし,更にプリンタは故障中)があるからそれを使えだの,しまいには俺には分からない,またその辺の技術スタッフも今はいない,明日の朝にはその技術スタッフが来るからそいつに訊いてくれと,明らかに話を収束させようとしている雰囲気充満。

そんな言葉を聞いているうちに,フロントそっちのけで「俺の中で俺と俺とが闘う」(by CKB『タイガー&ドラゴン』)気持ちに。「話の分からない奴と思う存分闘えるチャンスだろ」という俺と,「そんなのに関わっている時間が無駄,だったら自分で他の道を探したほうがいい」という俺。結局,後者の言葉を聞いて引き上げ。俺に切羽詰まった危機感の表現が足りなかったと思うことにした…。

深夜,再びのっそりと起き出して地下のビジネスセンターへ。色々調べていたら,この街には無料で使える公共の無線LANポイントが多いことを知る。それらをまとめたサイト,NYCwirelessで近場のポイントをメモ。