Fimmtudagur, október 15, 2009
my special island

2009.10.14
DRIVE TO 2010
dip in the pool @ 新宿ロフト

最初に発せられた「midnight」で,ソラの彼方。
穏やかに至福のひと時でございました。

演奏されたのは全6曲。
dip in the poolのアルバム,甲田さんのソロアルバム『jupiter』から2曲,「DRIVE TO 2010」のサイトで言及されていた,映画『南太平洋』から1曲。残りの1曲,虚をつかれたのがサティの『Gymnopédie #1』。木村さんのアレンジと甲田さんのメロディに乗せた歌で,確かにdip in the poolの音楽に。色々なものが剥き出しのロフトが一転,どういうわけかリンチのレッドルームに見えてしまう。

帰宅後,ネットを見ると,お二人共に新たなサイトを作られていたことを知る。
tat website
NEW KODA PROJECT


Sunnudagur, júní 29, 2008
Náttúra

時差ボケになったかのような夜更かしをして午前4時30分,Macの前でレイキャビクに到着。アイスランドにおける急激なアルミ精錬工業の増大に起因する自然環境破壊への問題意識を喚起するためにbjörkとSigur Rósが行ったフリーライブ「Náttúra」のウェブキャストを8時まで。

この頃,ライブという表現を見ていてよく思うのが,ステージに立つ人々が自分たちで楽しいと感じている姿を目の当たりにすること(もちろん,こちらからはそうだと想像することしか出来ないんだけど)が,こちらの幸せになるんだということ。2月の寒空はだか「カラフルロスタイムショーDeluxe」がその決定的なきっかけで,はだかちゃんはもちろん,細野さん,志の輔さんなど登場する全ての人々の楽しそうな顔といったら。それを見るこちらも嬉しくなって,そこからは多幸感のスパイラル。


080629_nattura.jpg
そういう意味では今回のライブも同様。背景にある問題は彼の国にとってシリアスなものだろうけど,だからといって眉をしかめるだけの活動にしないところが両者に至極共感できるところであり,またその姿を見ていて楽しくてたまらない。その頂点がSigur Rósの『gobbledigook』。メンバーはもちろん,サポートとしてjónsiの横に立ちスネアを叩く姐さんのその愛らしいことといったら(年上だけどね)。

Sigur Rósは『Heima』を見た際と同じ感情。音楽だけではなく,対峙する事象全てへの振る舞いに眩しいばかりの真摯な姿(真剣にバカが出来るという意味も含んでいるからまた素晴らし)。10月のライブが楽しみ。なんてったって会場が国際フォーラムに戻ったしね。

その他,細かいところを上げたらきりがないんだけど(この会場の辺りを歩いたなぁとか,遠くに見える教会が懐かしいなぁとか),ひとつだけ気になったのがSigur Rósからbjörkへのステージセッティング変更時に会場で流れていた音楽。明らかに琉球音楽だったんだけど,誰の曲か分からず。気になる。


Fimmtudagur, maí 22, 2008
心の中でClapping Music

「スティーブ・ライヒの音楽 Music of Steve Reich」
オペラシティコンサートホール

『Drumming (Part 1)』
『Proverb』
『Music for 18 Musicians』

龍が昇っていく幻覚すら見えたような『Drumming (Part 1)』の最初の一音で今夜の幸せを確信。『Proverb』では人の声の美しさを再確認。

そして『Music for 18 Musicians』。約1時間,増えて減って重なりずれる。ありきたりに過ぎるけど,動作が見えるだけにCDではわからなかった音が鮮明に聞こえてくる。

人生の思い残しがまたひとつ減った夜。
高校生の自分に「やっと生で聴けたんだ」と報告したいよ。


Fimmtudagur, febrúar 14, 2008
谷中の交叉点

ヴァレンタインの夜はZepp Tokyoで岡村ちゃんと久しぶりのデート。
のはずが,白い粉のせいでまさかのドタキャン。
どぉなっちゃってんだよ,どうかしてるよ,イケナイコトダヨ。

そんなことされたら,こっちだって考えがあるんだからね。
もう一人の裸の似合う男,「寒空はだか カラフルロスタイムショー Deluxe」に行っちゃうよ。

はだかちゃんだけでも大変なのに,加えてスペシャルゲストに立川志の輔師匠,そして細野さん。見ているこっちも楽しいけれど,舞台の上は更に楽しそう。そんな舞台を見てまたこっちも楽しくなるんだから,その多幸感のスパイラルは留まるところを知らず。

そしてもちろん,ホストのはだかちゃん。”耳に残って心に残らない”名曲『東京タワーの歌』,更には”耳に残って心に残る”名曲『カヤバコーヒーの歌』。特に後者は個人的な想い出もあって本気泣き。ルシアンの香りが甦る…。



Mánudagur, maí 22, 2006
今宵,遣らずの雨が降る

1年半ぶりの寄席,お江戸日本橋亭へ。
そのウィスパーボイスを初めてCDで聴いてから半年,三味線エンターテイナー,うめ吉姐さんと,ようやくの初逢瀬。

何かを食した際,味覚ではなく舌触りに喜びを覚えることがあるけれど,それと同じ意味合いで,聴覚ではなく耳触り(もちろん耳障りではありません)に得も言われぬ官能的なものを覚えましたよ。

唄が数曲,そして最後に踊り。膝替わりでの登場でしたが,トリの落語家さんが出てきてもその余韻は収まらず。同行者からは頭頂部から湯気が上がってるよと言われる始末。あぁ,そうさ。


Föstudagur, desember 16, 2005
moonlight, starlight, earthlight

お台場,MEGASTAR-II + rei harakami

満月の下,地上に輝く満天の星。 青く輝く地球の下,彼方へと誘う音楽。


Miðvikudagur, nóvember 30, 2005
Away

渋谷O-Eastでmúm。

中盤までは良かったんだけど…。後半は雰囲気で誤魔化されたと言うか,上手い具合に流されたと言うか。2年前,リキッドルームで見た時のような心の震えもなく,ただ淡々とライブが終わるの待ちながら眺めていただけでした。

同日,同郷であるSigur Rósの来日アナウンスあり。が,東京は立ち見…。今日の比では無い激しい人口密度の中であの音楽を受け止めるだけの度量が私にはありません…。即ソールドアウト,後,どこかホール(2年前と同じ国際フォーラム希望)で追加公演決定というシナリオは無いのか?。


Föstudagur, nóvember 4, 2005
山手線の下のほうで

人生のやり残しがまたひとつ減りました。
ついに見た,ナマ面影ラッキーホール。

セットリスト覚え書き。

『今夜、巣鴨で』
『温度,人肌が欲しい』
『必ず同じところで』
『夜のみずたまり』
『好きな男の名前 腕にコンパスの針でかいた』
『ひとり暮らしのホステスが初めて新聞をとった』
『俺のせいで甲子園に行けなかった』
『ラヴ ボランティア』
アンコール
『セクシャル・バイオレット No.1』
『東京(じゃ)ナイトクラブ(は)』

満腹〜。
ヴォーカルの「あっきー」改め「あきてぃ」(ライブ途中で改名披露)の強烈な存在感と,普通にバカウマのバンド(大所帯11人)というコンビネーションに,横山剣さん率いるCKBとの相関性が見え隠れするけれど,CKBを陽とするならこちらは明らかに陰。同じ下世話(言うまでもなく褒め言葉)でも全く異なる魅力っす。

曲以外にもくすぐりどころ満載。
最初のサウンドチェックでは『東京(じゃ)ナイトクラブ(は)』にあわせて「盗んだバイクで走り出す〜」。コール&レスポンスは平日の16時に屋外で叫んでいいのかっつーシモ系ばかり。更には『イケナイコトダヨ〜 シャブは〜…』と,囲いの中から同じ空を見ているであろうあの人に熱い想いを届ける。

敢えて欲を言えば,一番好きな『おらんだ花嫁』も聴きたかったところだけど,それは本当に欲張りすぎというもの。いつか聴ける日を夢見て生き続けることにします。


Sunnudagur, september 4, 2005
だんだんバカになってゆくのです

3ヶ月ぶりの髪切り,後,狭山で「Hyde Park Music Festival」。

まずはNew Moonの夕べに現れたThe Half Moonriders(鈴木兄弟+くじら。ライブ中盤で慶一さんは「アシッドファイブ」と名乗っていたけど)[→オフィシャルレポート]。それはひどい土砂降りの中,それでも雨ガッパ着用(ゴアテックス最高)で前線へ。ステージの上では曲が終わる度に慶一さんが「No Rain! No Rain!」と雄叫びを上げる(そしたら最後,ほんとに止むし。さすが…)。

覚え書きでセットリストを。
1. 銅線の男
2. 土手の向こうに
3. 地下道 Busker's Waltz
4. 大寒町
5. 夢が見れる機械が欲しい
6. 髭と口紅とバルコニー
7. Backstage Pass

初めて聴いた『髭と口紅とバルコニー』(帰宅後,iTunesで検索したら入ってた…)にずっぱまり。後半,転調後の大合唱にテンション上がる。

あまりの雨に一時,飯能に避難。2時間後,会場に戻ると雨がすっかり止んでいる。佐野元春をちょっと見た後,いよいよ登場,細野さん[→オフィシャルレポート]。

1. ろっかばいまいべいびい
2. ぼくはちょっと
3. Pom Pom 蒸気
4. 夏なんです
5. 終わりの季節
6. 恋は桃色
7. 幸せハッピー
8. ありがとう
9. Stella

穏やかに,しかし止めどなく押し寄せる多幸感。すっごいよかったぁ…。
細野さんの音楽に関して,今までは音のほうにばかり気持ちが行っていたんだけど,今回初めてその歌詞に心震えまくり。特に『ありがとう』の歌詞は身に沁みたなぁ…。また,毎曲終わる度に会場内の虫の音が際立って聴こえるのもまた格別。最後の『Stella』にいたっては,バックトラックのごとく演奏と溶け合っちゃったりなんかしちゃったりして。


Laugardagur, ágúst 20, 2005
Weird, but Great

金沢から戻って家で一休み。夜になってのっそり起き上がり六本木。昨年10月,Reykjavik以来のご対面となるMugisonライブ。

演奏はともかくとして(個人的には『2 Birds』と『Murr Murr』が聴けただけで満足なので),相変わらずの緩くて暖かいMugisonっぷりに笑いが止まらず。

まずは観客の声をその場でサンプリングして曲のバックトラックに使おうとするものの失敗。するとすかさず「Jobsの野郎,使えねぇコンピュータ作りやがって」(超訳)と悪態ついて笑いをとる(なんか見たライブ全てで一度は失敗してるんだよな。もしかして持ちネタ?)。 かと思えば,前回の来日ライブ(新宿リキッド)の反省からか,シャイな日本人とコミュニケーションを取るべく奮闘。小さい手帳(おそらく日本語のカンペ)をめくり,「オニャノコ?,(イェー)。オトコノコ,(イェー)」と掛け合いにチャレンジ。そういえば,「カンパーイ」と言ってビールも飲んでたなぁ。


Mánudagur, ágúst 1, 2005
Takk Fyrir in Naeba

フジロック初参戦。

昼過ぎに会場到着。勝手がわからないのでまずは会場をぐるっと一回り(その流れの中でライブやってたら聴いてみたり)。下に戻ってきて15時過ぎからAqualungとくるりを連続で。

一休みして18:20。お目当てひとつめ,Red MarqueeでRöyksopp。アルバムの印象からゆったり心地良いライブを想像していたら…。これでもかのアゲアゲじゃないっすか。そりゃ『Royksopp's Night Out』や『Poor Leno』なんかはわかりますよ。でもまさか『Remind Me』まで大騒ぎになろうとは(PVの印象が強すぎたなぁ)…。なんて書くと乗り切れなかったようだけど,実際は久しぶりにバカにならせていただきました。アンコールまで飛び出して,間違いなく今回のベストでございます。

19:30,Röyksopp終了後,ステージの外に出ようと思ったらいつの間にか大雨。仕方なくRed Marqueeでそのまま雨宿り。21:20,ようやく雨が上がって空には星が。こうなるといてもたってもいられずWhite Stageへ。えぇ,最悪の事態(入場規制)を考えてGreen StageのNew Orderは断腸の思いで素通りです。

一つ前のMars Volta終了後すぐに前方へ。22:30,いよいよお目当てふたつめ,Sigur Ros。霧がかった夜の森,見上げると空には星。月が見えないことを除けば舞台は完全に整いました。

aminaを従えての90分(セットリストはこちらを参照)。『Svefn-g-englar』の最初の1音が鳴った瞬間,『Viðrar Vel Til Loftárása』のライティング,『Untitled #4(a.k.a njósnavélin)』のブレイク,『Olsen Olsen』のベース…。体と心に震えが走ったのはもちろん山の天候のせいだけではないです。

が,もちろん存分に堪能したんだけど,その度合いで言ってしまうと2003年の国際フォーラムには敵わず。結局はコニーアイランドでのライブと同じなんだけど,どれだけ自分が注意散漫にならずに彼らの音楽に集中できるかなんだと思う。で,今回の問題は自分の疲労,そしてセキュリティと観客のイタチごっこ。疲労は腰に痛みを感じてしまい堪えるのに必死。イタチごっこはと言うと,写真撮影(基本的に禁止です)を試みてカメラを持ち上げる観客に対してステージ下からセキュリティが懐中電灯を照射。それがライブの間中ずっと繰り返されてすごい目障り。更には自分の近くだったりすると逆光でステージが見えなくなるわでもうブチ切れ寸前。

言うまでもなく国際フォーラムの時はそれらの心配は無し(それどころか,あまりの体験にライブの間中ずっと立ち上がることなんてできなかった),純粋にあの音と光に身を投じることができたわけで。

もちろんどっちがいいという話ではなし(っつーか,今回のフジロックを見逃してたら,それは悔しくて堪らなかったと思うし)。ただやっぱり次はホールで完全に身を委ねてみたいと思った夜でした。


Laugardagur, júlí 2, 2005
Live 8 Japan

幕張メッセで「Live 8 Japan」。

16:30,会場到着。ちょうどDreams Come Trueがはけるところ。しばし会場外でまったりの後,17:00に再入場すると『Pagan Poetry』のイントロが。おっ,噂どおり,ここで姐さん登場。

と思ったら,姿が見えないまま1曲丸々演奏が終了。そのまま2・3分が過ぎ,客がちょっとざわつき始めたところで突然,Coldplayの曲が場内に流れ始める。これは新手の演出ですか?(んなわけない)。それから更に数分。ようやく姐さんが姿を現し,もう一度『Pagan Poetry』から。

ステージ向かって左にZeena Perkins,右にMatmos,中央にストリングス隊(from Japan)と,メンバー構成は基本的にはコニーアイランドで見た時と同じ。そしてセットリストも『Medulla』からは『Desired Constellation』のみで,それ以外は定番どころ。たださすがに準備不足は否めず,所々で激しい音のずれが。更には姐さんも心なしか体調が優れない様子で,正直,見ているこっちがつらく感じてしまう時も(金沢に集中していたところに突然振られた話だったろうからなぁ…)。

とは言え,個人的にはMatmos登場で十分満足。久しぶりのスーツ姿(誕生日でもないのに)が眩しかったっす。


Mánudagur, maí 2, 2005
Maestro Atom!

「Soundz from Germany」初日。

monolakeの硬質音にしびれ,Der Planの安芝居(褒め言葉)に本気で笑った前半。しかし,何と言ってもトリのSenor Coconut and His Orchestraですよ。1曲目にいきなり『Showroom Dummies』を持ってこられたらもう…。その後も『The Man Machine』,『The Robots』,『Tour De France』と次から次にKraftwerkのカバーを繰り出し,更には『Beat It』,『Smoke on the Water』まで惜しげもなく披露。

極めつけはアンコールラストの曲。「3つの言葉を教えよう」と言ってボーカリストが口にしたのは「Music, Non, Stop」。本家Kraftwerkと同じ曲で締めるっすか!。しかも一人一人がソロを演じてはステージを後にするのも本家と全く同じ。わかってるよなぁ。


Laugardagur, mars 19, 2005
Soundz from Germany

何だかんだで黄金週間の予定が埋まり始める。今日は「Soundz from Germany」のチケット購入。Senor CoconutとMouse on Marsの揃い踏みとあっちゃやっぱりねぇ。

でも,あの四神は降臨されないのですね… (と言いつつ,代わりにSenor Coconutがカバー曲を披露してくれたら,それはそれで大興奮間違いなし)。


Laugardagur, janúar 1, 2005
Serious & Joy

Cinefil Imagicaで毎年恒例「世界の短編100本:24時間大放送!!」。全部は見てられないのでとりあえず気になったものを選りすぐって。その中でも1994年のローマとサラエヴォにおける同じ10分の対比を描いた『10 Minuta(10 Minutes)』の皮肉は殊更強烈。製作国はもちろんボスニア・ヘルツェゴヴィナ。

午後,有楽町で『カンフーハッスル』。
ドラゴンがどうこうというよりも,個人的にはやっぱり最後は仏様だよなという想いを新たに。そういう意味では『マッハ!!!!!!!!』と同じ見方。そしてどちらも素晴らしい。

夕方,上野に流れて鈴本演芸場で「新春爆笑特別興行」。
まずはなんと言っても昭和のいる・こいる師匠。やっと,本当にやっと生で見た。どこまでもいい加減,でもそれがたまらなく好い加減。はいはいはい,そうそうそう,そんなもんだ,しょうがない。

そしてやっぱり寄席の雰囲気は堪えられん。「バカ」だの「キチガイ」だのという言葉が普通に話され,更にくっだらねぇ(でも大爆笑)下ネタが次から次に飛び出す。出演者の交替テンポがいいから3時間という長丁場もあっという間。今年は折りを見て通うかも。


Laugardagur, desember 18, 2004
041218

神保町をブラブラした後,恵比寿に向かい「バラード・エレキテル」。

ただSketch Showのライブだからと誘われて行ったら,その前に対バン(と言うか前座と言うか)が2組。事前に調べなかった自分を呪いつつも,クラブのソファや家で寝転がりながらまったり聴くような音をあのオールスタンディングの環境で出されてもよぉと毒づく。しかもそれが30分くらいならまだしも,それぞれきっちり1時間,つまり合計2時間。拷問,もしくはSketch Showへの忠誠度を測る苦行ですか?。会場後方で壁にもたれながら座り込み,ぐっすり眠らせていただきました。

21時を廻ってSketch Show。想像以上にフィジカルなステージ。細野さんはずっとベースを握り,Y.Tも半分以上の曲でドラムを叩く。そして驚いたのは小山田圭吾のギター。それが無いと曲が成立しないかのような存在感,あんなにカッコイイ音を出す人だとは知らなかった(Flippers Guitar,ソロ活動共にかすりもせずに生きてきたもので)。

バックの映像は黒川良一。自分の中では高木正勝よりもこっちのほうが好き。気になったのは『Walking to the Beat』(帰宅後,ネットで確認。確かにY.Tが口にした歌詞はまんまそうだったんだけど,アレンジが全然違うんで会場では気づかなかった)で流れた映像。それまでのCGモノから一転しての実写映像。しかも何か見たことあるぞと思ったら『Session 9』そのものじゃねぇかよ。演奏そっ ちのけで,なぜこの曲でこの映画を使うのか,その関連性が気になって仕方ない。更にラストでは客席をリアルタイムで捉えた画像が流されてますます深読み。お前らはあの病院の患者と一緒(もしくは清掃業者)だとでも言いたいんすかと邪推。


Föstudagur, september 10, 2004
Sweet Bitter Peach

3ヶ月ぶりの髪切り。男性スタッフに髪を乾かしてもらいながら旅行行きたいよねぇという会話を。そこで「チェコにある骸骨教会は一度行ってみたいんすよ」と口にするや否や,数m先から女性スタッフが勢い良く駆け寄り「○○○さん,コストニツェ行くんですか!?」と,こっちは口にしていない固有名詞をいきなり出して詰め寄ってくる。だから好きです,ここの髪切り屋。

そのままお台場へ向かい,岡村靖幸@Zepp Tokyo。
まさかの『Adventure』(岡村と卓球),そして『だいすき』から『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』という超絶キラーコンボに悶絶。

しかしその一方で,心の何処かには冷静にステージを眺めている自分も。ある意味では仕方のないこととはいえ,去年のRock in Japan Fes.やZepp Tokyo初日のような渇望感や切迫感は殆ど無し(だからといって僅か1年で彼がステージの上に立っていることを当たり前のことと感じるのもどうなんだろうと思うけど)。更に昨年に比べたら岡村ちゃんのステージングもまさに余裕そのもの。声も出てるし,客を引っ張る力も完全に復活。

ただそうなると何か刺激が足りない。去年は強烈に感じた,この次は何をしでかすんだろうという昂揚が薄らいでしまった。ベテランミュージシャンのライブではよく言われることだけど,悪く言えば式次第に乗っ取った伝統芸能。贅沢なことだとはわかっているものの,客を置き去りにするようなパフォーマンスが見たい,見たいのよ。


Miðvikudagur, júlí 28, 2004
Adventures in Modern Recording

朝,なんとか人の形を成してきたのでネット徘徊。11月に稀代の山師,トレヴァー・ホーンの活動25周年記念ライブ「Produced by Trevor Horn」がウェンブリーで行われるそうで[bounce.com]。

早速,ウェンブリーのサイト(要登録)へ飛んでみると,出演者リストがヤバイ。再結成のBugglesを筆頭に,ABC,Art of Noise,Belle & Sebastian,Lisa Stansfield,Pet Shop Boys,Propaganda,Seal,Yes(and more)。Buggles,Art of Noise,Propagndaの揃い踏みが見られるなんて…。でも,更にGodley & CremeやFGTH(ついでにt.A.T.uも来いや)なんかも出てくれたらと夢想すると…。11/11かぁ(机上ツアコンモード発動)。

イベントロゴもキャッチーで素敵。誰が見たってトレヴァー・ホーン(ヘッドホンしたケント・デリカットとか言うな)。ウェンブリーのサイトで登録したくないって人は,彼のオフィシャルサイトでも見ることができるんでそちらへ。


Sunnudagur, júní 6, 2004
Never Be Rude to George

目が覚めると雨の音。こんな日は雨読。

夕方には小降りになったので飯がてら外出。ふらっと入ったヨドバシで『Concert for George』を発見。ポイントが貯まっていたので購入。

1年半の時を経てようやく眼にしたその映像。もちろんお目当てはMonty Python。まずはエリック,テリーG,テリーJ,ニールによる『Sit on My Face』。皆さん,いい具合に肉感的なお姿になられて…。しかし年齢を考えるとあの尻の綺麗さは驚異的(っつーか,ステージ背後に掲げられたジョージの遺影にケツを向けて歌ってるんだよな…。素晴らしい。)。

続いてペイリンによるジョージを讃える大袈裟なまでのほめ殺し。しかし実はこんなことしたくないんだ,本当の望みは…。と言って始まったのはもちろん『Lumberjack Song』。コーラスの騎馬警官隊にはオリジナルメンバー(『Python Night』でインタビューを受けていたオッサンが個人的ツボ)に混じってトム・ハンクスの姿も。最後,メンバー全員が観客に向かって敬礼の後,さっと振返りステージ背後のジョージの遺影にも敬礼。笑わせてくれるだけで十分,泣かせないでくださいよ…。

モンティ繋がりでもうひとつ。
チャップマンの伝記的映画,『Gin and Tonic』の製作にあたり,その主演俳優を選ぶオーディションがニューヨークで行われたそうで。しかしそこに集ったのはバカ(もちろん褒め言葉)ばっかり(Yahoo!ニュース)。


Laugardagur, apríl 24, 2004
Video Killed Music?

人見記念講堂にてDavid Sylvianライブ。

ステージ上はデヴィシル,Steve Jansen,そしてバックの映像を担当する高木正勝の3人構成。前半はキーボードの前に座り『blemish』主体で進行し,途中からはアコギに持ちかえて新旧色々取り混ぜてという選曲。とにかく低く震えたあの声の魅力に酔いしれる。なかでもまさかの『Praise』にはこれ1曲だけでライブ全体として満足するくらい。

しかし,はっきり言って映像が邪魔。音との関連性を感じさせる要素がほとんど無いにもかかわらず,やたらと視覚にだけは訴えたつくりで(パーティクルの高速運動,きつめのエフェクトと色彩…),そのため肝心の音への集中をひどく妨げられる。結局,毎曲演奏開始時にステージを見つめ,そこでつらいと思ったら即座に頭を下げ眼をつぶっては音に集中するの繰り返し。

一応断っておきますが,映像だけを別に切り離して鑑賞すれば刺激的と感じるであろうものもなかにはありました。ただそれがこのライブの主役が奏でる音と一緒に使われる必然性が全く感じられなかったという話。どういう理由からかはわからないけれど,途中で2曲ほど映像を使用せずに演奏された時には明らかに音を敏感に捉えられただけに更にその想いは強まるばかり。となると,あのハコの大きさでもしステージ上に兄弟2人だけだったら見た目にしょぼいという単なる見栄えの問題?(個人的には別にしょぼいなんて思わなかったほど音には満足してたけど)。

と言うか,今回使われた映像の中の幾つかは以前に足を運んだ高木正勝自身のライブで見たことのあるものだったんですが…。他人の曲のために作られた映像をそのままデヴィシルの曲に使い回してもそりゃあうわけないんじゃ?。もちろんどの曲にどの映像を使おうという選択には気を配っているんだろうけど,例えば完全に音との同期を狙ったKraftwerk,またあの音世界を更に増幅させる映像を見せてくれるSigur Rósなどに想いを馳せると客をなめてんのかよと…。

なんてことを眼をつぶりながら考えていたら次第に腹が立ち始め,思考は更にあらぬ方向へと飛躍。ライブ以外,例えばPVでもどれだけ音の世界を広げているものがあるのかとか,逆に画としておもしろかったら音のほうが意識から消えることがあるよなとか,それって"Video Killed Radio Star"どころか"Video Killed Music"じゃねぇかよとか,つべこべ言わずにお前が映像を作ってみろよとか,もう何考えてんだか収集つかない状態。


Þriðjudagur, mars 9, 2004
Sailing Over Cony Island

暴威さん2日目。
昨日からセットリストが約1/4変更(詳細はこちら)。独逸の四神もこれくらいの柔軟性があったらなぁなどと無理な願望を抱きながら今夜も堪能。

昨日からうっすら思い始めてはいたんだけど,『Heathen』っていいアルバムだったんだな。『Sunday』『5:15 The Angles Have Gone』『Heathen (The Rays)』…,特に『Slip Away』がこんなにウルッと来るとは思わなかった。

歌詞の内容は本人が昔好きだった子供向けテレビ番組『The Uncle Floyd Show』について。でもそんなこと歌われても極東の人間には何が何だか(ま,含意は色々あるのでしょうが…。でも無理矢理直球ローカライズをすると,岡村靖幸が『ピンポンパン』好きだったと歌ってるようなもんでしょ?。あ,ちょっとおもしろいかも)。でも暴威さん,そんな歌詞をそりゃもう歌い上げる上げる。そして背後のスクリーンにはサビの歌詞とそれを追うように跳ねる番組内に登場するパペット。いやほんと自分でも良く分からないんだけど泣かされた…。

アンコールでは『Bring Me the Disco King』。Mike Garsonのピアノにやられる。

そう言えば,さすがに『Love Missile F1-11』はやってくれなかったか…(やるかよ)。


Mánudagur, mars 8, 2004
All the Young Dudes

先週のKraftwerkライブ終了後から結構な風邪状態。すぐに治ると楽観視していたものの,今日になって咳のし過ぎか肋骨まで痛む始末。やはり寄る年波には勝てず…。

それでもショーマストゴーオン。57歳の英雄が来るってのに風邪なんかで寝てられるか。ってことで,今日・明日と玉葱の下で初のDavid Bowieライブ。

この年になって初めて目の当たりにした暴威さん。でもそのわりには淡々とした心持ちでいられたと言うか,あ,本当に存在するんだなぁという妙な感覚に襲われる(一方で,『All the Young Dudes』には涙腺が緩むし,また『A New Career in A New Town』が聴けたのも何気に嬉しかったのですが)。

むしろ暴威さん以上に印象的だったのはスキンヘッドの女性ベーシスト,Gail Ann Dorsey。均整のとれた筋肉質の肉体に褐色の肌。その上に纏うのは純白のドレス。後ろからのライトで透けて浮かび上がる脚のしなやかな力強さもただただ美しい。

ライブ中盤,メンバー紹介で一番最後に名を告げられた後,暴威さんが語る。「フレディと一緒に作ったこの曲,彼のパートは彼女が歌います」。もちろん聴こえてきたのは『Under Pressure』のベースライン。フレディとジョンの役を一人でこなすんすか!。しかもその声はフレディ追悼コンサートでのアニー・レノックスを思い出す存在感。


Miðvikudagur, mars 3, 2004
sayoNAra

Kraftwerkライブ@AX。

ハコ中央に陣取れたこともあって,音・映像共に心ゆくまで堪能。また四神のもうひとつの魅力である抑制された振る舞いの中に垣間見える笑いの精神も確かに受け取りました(フローリアンの退場時ダッシュがほんとツボ)。これでもうしばらくは参拝せずにご利益がありそう。

…なんて思っていたものの,戯れにこの先のツアースケジュールを眺めていたら"Prague"の文字を発見。行動に強い意味を包含したいと思う気持ちに駆られる身としては,チャペックの国で『The Robots』を拝聴し,生ロボの舞いを拝観するというのは,ダラムサラでダライに謁見するに匹敵する圧倒的に正しく,また絶対的に意味のある行いではないか。などとヨカラヌ考えがムクムクと…(ちなみにチケ代は約2,800円。物価の違いもあるけれど安っ!!(その地へ辿り着くのに幾らかかるか考えましょう))。

更に調べたら四神の2日前にmúmも同じ地でライブをやるみたいだし(しかもmúmはその前日,Nürnbergでライブ。ってことはファンパーク…),また,かの街や国自体にも前回訪れた際に行きそびれた場所が幾つもあるしなぁ(とりあえずKostniceTerezÌnは…)。

ふぅ…。


Sunnudagur, febrúar 29, 2004
God's Magic Finger

Kraftwerkライブ@Zepp Tokyo。

『Tour De France 2003』の痺れるほどの昂揚感(ほんと今回の一番),キュートとさえ言える『Vitamin』背景映像でのヒラギノ丸ゴ(のような)フォント,そして『Autobahn』のイントロでは噂に名高いエンストまで!(客席爆笑。の後,大歓声)。

黒のスーツに赤いシャツ(黒いネクタイには赤色LED),ワイヤーフレームスーツ,そしてそして初めて目の当たりにした生ロボット。

欲を言えばきりがないけれど,とにもかくにもお腹いっぱい,胸いっぱい。


Mánudagur, desember 1, 2003
愛のソビエト

t.a.t.uライブ初日へ。

各所で報じられた通り,開演予定時刻から50分遅れで姿を現し,そして同じ50分だけ歌って踊って帰っていきました。

でも。それが予定されたものかどうかは分からないけれど,遅れた50分間はDJの兄ちゃんがずっと皿を回してた訳で,それが未告知のまま行われた前座だと考えれば全く問題無し。っつーか,自分としてはこっちのほうが楽しかったくらい良い音を出してました。ちなみにネットを見ると,ロシアのDJ Vadimではないかという話も(自分としては,顔がちょっと違う気もするんだけど)。

とは言いつつ,多くの来場者がダレまくってたのも確かで,その景色はまるでYMO再生ライブ(そういや,これも東京ドームでしたね)の開演時刻に現れたThe Orbに対する客の反応と同じ(記憶が定かではないんだけど,こちらも事前に発表されていなかったような)。

で,肝心の娘二人については殆ど興味が無いんで,ライブ本編は見入るでもなくただボーッと眺めてた程度。じゃぁ何でそこにいたかと言うと,この時代にあっては希有なプロデューサーの山師感覚に非常に感じ入っていたからで(もちろん,トレヴァー・ホーンの招聘(彼自体が希代の山師だし)やスミスのカバーもテイスト分岐点)。確かに今回のプロパガンダの手法はどうかと思うけれど(それこそトレヴァー・ホーンに学ぶべきかも),でもそれこそが山師の山師たる醍醐味なんだろうなと,山師になりたくてもなれない元々山に住む山師に使われる側の人間は思うのでした。


Laugardagur, október 18, 2003
Powaqqatsi -life in transformation-

2日目。すみだトリフォニーホールにてPhilip Glass『Powaqqatsi』(1988)。

の前に,『Koyaanisqatsi 』『Powaqqatsi』共にチケット購入した人を対象にした『Anima Mundi』(1993)の特別試写会。いやぁ,ぐっすり眠らせていただきました。以上。

で,『Powaqqatsi』。
『Koyaanisqatsi 』から打って変わり,人間そのものの営みに焦点を合わせているためか,カタストロフィの類を感じることは無し。でもそれが逆に妙な安心感を覚えることになって,個人的には『Koyaanisqatsi 』ほどの衝撃を受けるまでには至らず(音楽もまた,希望や心地良さを感じるくらいのもの)。でもそれは2つの作品が全く別の魅力を持っているということなので,その差違を感じ取ることこそが大事なのかも。

ライブ終了後には,Phillip Glass本人を招いてのアフタートーク。チベット(『Kundun』の音楽,彼だったのか…),政治家,アメリカ(冗談半分に「まだホワイトハウスに招待されたことないんだよな」とポツリ),テクノロジー,人としての行動規範(「暗いと不平を言うよりも進んで明かりを点けましょう」),子供(こんな時代だからこそ子供生め(この辺,岡村ちゃんとだぶるものが。っつか,あの年(66歳)でまた新しくパパになるんだって!))と,興味深い話が色々。それらがすんなりと頭の中に入っていくから自分でも驚き。穿っているとは思いつつ,これも彼のバックボーンを知らないが故か?(背景を知っている人だと,どうしても耳に入る前に拒絶してしまうのよね…)。


Föstudagur, október 17, 2003
Koyaanisqatsi -life out of balance-

すみだトリフォニーホールにてPhilip Glass『Koyaanisqatsi』(1982)。

自分にとってのPhilip GlassはDavid Bowie『Low』をシンフォニーにした作品『Low Symphony』の人くらいの存在感。なもんだから,この作品も名声はうっすらと聞き及んでいたもののもちろん未見。それを途中(既発のLD・ビデオその他)すっ飛ばして,いきなり映像にあわせてGlass自らを含むアンサンブルが生演奏する形態で見てしまうことにちょっとした後ろめたさを感じつつ会場入り。

序盤の間延びした映像にどうしよう(チケット高かったのになぁとか(我ながら小さい…))かと思ったけれど,中盤,集積回路基盤と都市の俯瞰図がオーバーラップする映像が流れた頃から徐々に没入。低速・高速を絶妙に絡み合わせた映像とそれぞれの速度の印象を増幅させる音楽に,心地良さを伴って意識が遠くなり始める。

その先に待っていたのは,超高速映像(グランドセントラルターミナルを行き交う人々,夜の闇を疾走する自動車(両脇を幾十もの線となって駆け抜けていくネオン,『2001年宇宙の旅』のスターゲイトのシーンかと思ったよ)等々…),そしてそれに重なる超高速ミニマル。視覚・聴覚共に完全にオーバーフロー。しかしそれに逆らうかのように意識は過剰なほどに明瞭。っつーか,この気持ちよさは一体何!?。

しかし,超高速の世界が突然終わるとその先には,ゆるやかに,そしてだからこそ確実に見せつけられる文明の挫折が。人間であることの不幸を呪わずにはいられない。でも前に進むしかないというラスト(ふと『オネアミスの翼』が頭をよぎる。これを参考にしてたりしてたのかな?)。いや,生で体験できて本当に良かったです(DVDも出たけれど,せいぜい記憶の再確認程度にしか感じられないだろうな)。Phillip Glassの過去の作品もこれからしっかり勉強します。

あ,勉強と言えば『サウスパーク』。この映画(Phillip Glassも登場するとか?)が取り上げられている,エピソード#110「おしゃべりウンチのMr.ハンキー」も見なきゃ。


Miðvikudagur, október 15, 2003
なごりピーチ

Zepp Tokyoにて岡村靖幸「フレッシュボーイTOUR」最終日。

『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』『(E)na』でのギター,そしてピアノ即興弾き語りを堪能するべく客席右側前方に陣取り。姿形の多少の違いなど霧散させるあの眼力の強さを,あの距離で再び感じ取れたことこそが至上の喜び。ステージ中央に飾られたピーチマーク(次回は舌が出てほしいもの)を再び見上げる日を心待ちにいたしております。

以下小ネタ。
色々とネットを辿ったところ,今回のバンドのホーンセクションの1人はCKBにも参加しているTrio the Dog Hornsの澤野博敬だそうで(ちなみに2階席にはTrio the Dog Horns,そしてCKBのサックスとフルート担当であるジャッカルもいた模様)。また,12月には『太陽にほえろ!』のリミックスアルバム発売にあわせたライブなんてのがあって,そこにCKBと岡村ちゃんが共に参加予定(岡村ちゃんと『太陽にほえろ!』がどうしても結びつかないんだけど…)。これで会場入り口に飾られたCKBからの花も納得。


Þriðjudagur, október 14, 2003
あの娘ぼくが年に4枚LP出したらどんな顔するだろう

Zepp Tokyoにて岡村靖幸「フレッシュボーイTOUR」東京2日目。

喉の調子が悪いのか,声の出がいまひとつ。そんななか,今夜惹き付けられたのは即興の数々。まずは定番のピアノによる即興弾き語り。「お前のパンツを見せてくれたら1年にLP4枚出すぜ」と歌う岡村ちゃん。そしてそれに「見せる〜」と野太い声で返す多くの愛すべき野郎共(でも4枚はいいから,とりあえず1枚出してよ)。

しかし何と言っても圧巻だったのは,バンドを交えての即興セッション。その都度指示を出しながら(「転調C」,「ドラムとベースのみ」,「ギター,カッティング」…)自在に展開していく音,そしてそこに例によって社会時勢に鋭く切り込んだ即興の歌詞が乗る(「少女なんか誘拐すんじゃねぇよ。女は自分の実力で手に入れるんだぜ」,「独りぼっちの夜が寂しいからって俺は少女を誘拐なんかしないぜ」,「大事なことは独りっぼっちの時に起きるんだぜ」 )。本当に愛と不条理の人…。

そして,もうひとつ気になったことが。
会場入り口に飾られた花,そのひとつの贈り主がなんとクレイジーケンバンド。岡村ちゃんとの繋がりは一体何?。どちらかがどちらかの曲に参加する話でもあるのか?,それともまさか事務所,またはレーベルが一緒になるってことなのか?。個人的に今一番気になっている2つの名前がここでひとつになったことに,憶測と妄想が無限に膨らみ続けます。


Laugardagur, október 11, 2003
デコトラと夜と新木場と

怒濤のライブ週間,スタート。
初日の今日は,クレイジーケンバンド「777 Tour」を新木場Studio Coastで。

今日がツアーファイナルということで,事前に脳内妄想が膨らみすぎてしまっていた分,個人的には勝手ながら不完全燃焼。特にアッコさんの登場を信じて疑っていなかったので(もちろん歌うは『タイガー&ドラゴン』),その不在だけでもかなりガッカリ。Rhymesterが現れての『肉体関係 Part 2 逆Featuring クレイジーケンバンド』だけじゃなぁ…(とは言いつつ,冷静に考えればCKBのライブがつまらない訳なんかないんだけど。『いかつり船(小野瀬雅生ショウ)』ではそりゃもう狂いましたよ)。

2月にはホームグラウンドのィヨコハマはパシフィコ横浜でのライブも決定しているとのことなので,アッコさんはそっちに期待。


Sunnudagur, september 28, 2003
He is the "Fresh Boy"

Zepp Tokyoにて岡村靖幸「フレッシュボーイTOUR」初日。

尋常ならざる空気が立ちこめた,ひたちなかでのあの25分。しかしそれも全くの序章に過ぎませんでした。2度の休憩を挟みながらの怒濤の2時間半,「見た」よりも「見てしまった」と言いたくなる完全復活のステージ。

7年待った観客の意気込みもすさまじいものが。しかしそんななか,体の芯からホッコリと暖まる会話が耳に飛び込む。開場して十数分後,前から2ブロック目のところで思い悩む野郎二人組。

 男A:「久しぶりだから,こんなに前だと照れない?」
 男B:「やっぱり照れるよなぁ。もう少し後ろにしようぜ」

あんたら,狂おしいほどに愛おしいよ。


Þriðjudagur, september 16, 2003
Tuesday Night Just Keeps on Rolling

múmのライブをLiquidroomにて。

しかしその前にセカンドアクト,同郷のMugisonの一挙手一投足に釘付け。客の声をサンプリング,それをそのままバックトラックに使おうとするんだけれど,その声を出させるための煽りがいちいちすべる…(客ポカ〜ン,のち失笑)。さらには,そのサンプリングに使用していると思われるノートPCが不調で,茶目っ気たっぷりに八つ当たり。あんな危なっかしい綱渡りライブ,高校の文化祭でもそう見られないだろうよ(褒めてます)。喋りもめちゃめちゃおもしろいし(母ちゃんが作ってくれた楽器の描写,しかも結局それが動かなくて憤怒),私的アイスランディックミュージシャンランキングでも一躍トップ入り決定。CD買わなきゃ(あの動乱のライブの後に聴いても物足りなさを感じそうで不安…)。

本命のmúmは,此処ではない彼処の音楽の雰囲気十二分。とは言うものの,同郷であるSigur Rósのそれとは明らかに違う場所。もう少し精神的に余裕があると言うか,行動に自由があると言うか…。Sigur Rósのような,強いられた極限の緊張の果てに訪れる光ある世界とは全く別。また,エレクトロニカで牧歌的と言いつつも,実はbjörkから繋がる彼の国のパンク成分を感じる瞬間も多々。ガーリーの王道を行くような,あの空気の漏れたボーカルに騙されてはいけないと,なぜか執拗に思ってしまいました。

そう言えば,Mugison,múm共に,12日に逝去したJohnny Cashに捧げると言って歌うこと数度。名前しか知らず曲を聴いたことがなかったのだけれど,今思うとセット替えの間に流れていた曲も彼によるものだったのかも。

しかし,相変わらず彼の国の人の話す英語は聞き取りづらい(向こうにしたら日本人に言われたくないだろうけど)。björkのインタビューを聴いたことのある人ならわかってもらえるかと思いますが,あんたら,ほんとに舌巻きすぎ。


Laugardagur, ágúst 23, 2003
It's in her hands

いよいよこの旅のメインイベント,björk & Sigur Rósのライブへ。

Wラインに乗って終点のコニーアイランドまで。会場は,ジェットコースター「サイクロン」でお馴染みの有名遊園地,の隣にあるKeyspan Parkという野球場(マイナー球団,Brooklyn Cyclonesの本拠地)。バックスクリーン前にステージが据えられ,客席はオールスタンディングの外野グラウンドとシートのスタンドという会場構成。振幅ありすぎてまったく読めない客層がおもしろすぎ。

20:00,オープニングアクト(すみません,名前忘れました)に続いてSigur Rós登場。バックにはストリングス隊も健在。1曲目,4月の国際フォーラムでのライブ同様に『Untitled #1(a.k.a Vaka)』が来ると思いきや,全く耳慣れない曲(新曲?)。たゆたう心構えでいたところにくらわされた高速ドラムの旋律に面食らい。

その後はいずれも既曲。『Mílanó』『Gong』『Olsen Olsen』『Hafssól』『Vidar Vel Til Loftárása』『Untitled #8』,そして最後に『Smáskífa』。途中もう1曲はあったと思うので,全部で8~9曲,約1時間のライブ。相変わらず,途中で涙腺緩むことしばしば。それを堪えようとして上を向くとそこに星空。更に緩むの繰り返し。ただ野外ということで客席側の集中度が足りなかったのがマイナスポイント。くっちゃべりは当たり前,曲終わり,静かにフェードアウトしていく時に会場内を練り歩く売り子の「Beer! Beer!」が響いた時には失笑が起きるし…。

21:20頃,姐さん,ついに登場。バックにはVespertineツアー同様にMatmos,Zeena Parkins,そして新たにストリングスが6人程。

『Hunter』で始まって,3曲目か4曲目の『joga』でステージ上,火柱が20本程上がる。更にはステージ遙か後方,海側からレイキャヴィクの年越しかと思うくらいに花火がドカンドカン上がりまくり。最初にこのライブが行われると知った時,会場はてっきりマンハッタンのどこかの公園だと思っていて,まさかこんな遠くでやるもんだとは思わなかったんだけど,この花火を見て納得。現時点での正確な規制は知らないけれど,やっぱりこれだけの花火をマンハッタンで上げるのには問題あるんだろうなと…。

途中,何の曲かは忘れたけれど,スタンドからステージに向かってシャボン玉が宙を飛ぶ。

ラスト2曲(『It's in Our Hands』ともうひとつ(おかしくなってて忘れた))は上げ上げ。これでもかとばかりに火柱と花火は上がり,シャボン玉は舞う。

自分のこのライブへの意気込みはSigur Rósがメインで,姐さんはそりゃ見たいに決まっているけれど,正直Vespertineツアーほどの期待はしていなかったという程度のもの。実際,序盤は相変わらずのキュートと言うよりはコミカルに近い立ち居振る舞いに微笑む余裕すら。しかし中盤からは生きとし生けるもの全てを憑依させてそこに立っているような圧倒的存在感にすっかり当てられっぱなし。

しかも横にはあの俗物極まりない(褒め言葉)遊園地。清濁・聖俗・グッドテイスト/バッドテイスト…。背反二項だけではないけれど,ここでライブが行われたことに何らかの意味をつい感じてしまうし,また全てを併せ呑むその度量。感服…。


Sunnudagur, ágúst 3, 2003
Come Baby

rijf行ってきました,Rock in Japan Fes.

彼が姿を現した瞬間,会場に沸き立ったあの異様な昂揚感。あれを体感できただけでもう言うこと無し。失われた7年にようやく決着がつきました。

心残りがあるとするならば,着る場所が無いと思って買わなかった「岡村ちゃん Tシャツ」…(ジムで着るという手があったな)。

オフィシャルのレポートはこちら

There's More... "Come Baby"

Þriðjudagur, apríl 15, 2003
18 Seconds Before Sunrise

Sigur Ros @ 国際フォーラムホールC 2日日

演出その他,場の雰囲気に対するこちらの慣れもあったせいか,昨日ほどの衝撃は感じず。が,だからといって,もちろんそれがつまらなかったということではなく。時より寄せる大波に鳥肌を出しつつ,昨日は放心の中で見過ごした細かい部分を中心に堪能。特に光ではなく影を見せる照明にウットリ。

There's More... "18 Seconds Before Sunrise"

Mánudagur, apríl 14, 2003
Takk Fyrir

Sigur Ros @ 国際フォーラムホールC 初日

思い立って当日券で潜入。行っとかないと後々になって後悔しそうだと思っての行動。席は1階8列左(前売りで買った明日の席よりいいって…)。前座の高木正勝の時,横の空席ブロックにメンバーの姿があったような,なかったような(暗くて確信持てず)。

結果,ただただ衝撃…。音色(音圧)・声色・映像・照明,あの場に彼らが繰り広げた全ての要素に陶酔。エンディング,ステージ背後の大きなスクリーンに"Takk"の文字。
それはこちらの言葉です。心からの賛辞と感謝を込めて"Takk Fyrir"。

後日談。巨大掲示板で見たんだけど,当日はロバート・フリップ御大も会場にいたらしい。しかもお気に召したらしく,翌日からのクリムゾンのライブ(これがあったのすっかり忘れてたよ…)で客出しのBGMにSigur Rosの曲を使っていたとか。

There's More... "Takk Fyrir"