Laugardagur, nóvember 1, 2003
国技館にてダライ・ラマ法王来日講演「慈悲の力 "Power of Compassion"」。
司会はピーター・バラカン,そして開会の辞に吉本ばなな。
チベット語に時折英語を交えながらの約2時間の講演(もちろん日本語通訳あり)。様々な意味で高度に想像力を働かせる必要のある場だったということも含めて,非常に堪能させていただきました。自分は慈悲の境地からは程遠い人間ですが,「物には限りがあるが,物の考え方には限りがない」という言葉は心にしかと受け止めることができました。
今回,初めて法王と同じ場に肉体を置くことが出来たわけですが,期待していたユーモアの部分を垣間見ることが出来たのも喜びのひとつ。質疑応答(最初にピーター・バラカンが「欲しいのは質問であって,決して演説ではないのでその辺よろしく」と釘を刺したのもまた秀逸)で,「愛情は時として執着に変化することがありますが,その両者の違いは?。そして執着に陥らないための策は?(要約)」との問いに,「それは明日話すテーマだ。もし暇があるのなら,明日また来てくれ」(翌日,有料講演の予定が組まれていた)と返した瞬間,つい爆笑。ある意味,ドライで商売上手な一面もないと捌き切れないよなぁと,勝手に想像。
講演の最後には宮沢りえが登場して法王にカター(kha btags。友人が旅立つ際,安全祈願を込めて渡す白い礼布)をかける。最後の最後まで想像力が必要。