Laugardagur, nóvember 8, 2003
ふと思い立って,家で積ん読になっている本を読もうキャンペーン展開。
まずは第一弾,積ん読期間1年弱の岩井志麻子『猥談』(朝日新聞社)。
CKB『青山246の夜』から野坂昭如の歌にはまり始めた頃,「だったらこれを読め」と山奥の某旦那から直筆のカバーつき(表にただ一言「猥談」)で渡されていたもの。そういった経緯故にてっきり野坂の著書だと思って扉を開いたら,実は岩井志麻子が3人の男(野坂昭如・花村萬月・久世光彦)と繰り広げた対談集。
内容はまぁタイトル通りなんだけど,やっぱり野坂が一番。
岩井志麻子が私の担当は雌ヤギが初体験だったと言うと,「ヤギとやるなら谷底に面した崖っぷちがいい。ヤギは谷底に向けられると落ちないようにと命がけで踏ん張る。そうすると締まる」と全く想像だにしない切り返し。「戦後,進駐軍の趣味が悪くて良かった。奴らが選ぶのはオリエンタリズム溢れた顔の女なんだけど,日本人から見たらブス。あれが仮に当時憧れだった高峰秀子のような女だったら,俺はきっとレジスタンスをやってたと思う」というのも激しく笑った…。いやほんと,もう書き切れないほど示唆に富んだ言葉の数々。
しかしそれに全く負けていない岩井志麻子もまた素晴らしい。「お付き合いする人を峻別する場合は,「いい人」「悪い人」や善悪といった判断ではなく,ただいいエロ話ができるか」という金言に加え,アジアの男と付き合い続ける自分を称して「逆従軍慰安婦」「一人関東軍」,更につき合ってるベトナム男がいろんなことをしてくれる彼女に対して抱く感情の変化を「頭に北爆を受けたようでした」と描写と,次から次に刺激的な単語が飛び出す。こうなると彼女の小説を読んでみないとだな