Laugardagur, desember 6, 2003
ガスト・ノッチな気分で行こう!

『テレビゲームの展覧会 レベルX』へ。

言うまでもなく展覧会というものは,そこに展示されているモノに少なからず好意や関心を持つ人が足を運ぶイベントでありますが,それ故に展示物を眺めること以上にそこに集う人々の反応を観察しているほうが刺激的なことだったりすることも個人的に多々ありまして。で,今回がまさにその極致。会場全体を周回するように並べられたガラスケースの中に全ファミコンソフトが鎮座していた訳ですが,来場者全員と言っていいでしょう,もう皆,語る語る。しかもその内容がイチイチおもしろく,且つ熱いもんだから,それらに聞き耳立ててるだけで楽しくて仕方なし。

「俺,16連射できたんだよ」(『スターフォース』)と今は柔らかい親指の腹を見せて自慢する人(昔,ギターやってたことを自慢するオッサン?),「昔,高橋名人っていうゲームのめっちゃ上手い人がいたんだよ!!」(『高橋名人の冒険島』)と高橋名人を知らない連れの友達に力説する女性,「あぁ俺,ミポリンに電話したことある…」(『中山美穂のトキメキハイスクール』)と己の恥部を彼女に吐露する彼氏,「このゲーム,友達の○○に貸したまま返してもらってねぇよ」と21世紀になって友情に亀裂が走りそうになっている若者…。ほんと,会場で話される会話をすべて録音して後世に伝えたいよ。

ネンドのTシャツを着たオシャレゲーマー(男性複数グループ多し)も,何も知らない彼女や奥さんを無理矢理誘ってやってきた元ゲーマーのお父さんも,体から香ばしい匂いを発してフリープレイのゲームに興じる現役ヲタも(さすがにその後にコントローラーを持ちたくはなかった…),少ないながらも熱いトークを聴かせてくれた女性だけのグループも,ほんと,あんたら最高。

しかし,ただひとつお話にならなかったのが会場で販売されている図録。この尋常ならざる写真の酷さは何?。全体に暗いだけならまだしも(いや,ほんとバカみたいに暗いんだけどね)色相まで狂っているものも…。印刷ミスを掴まされたのかと思ったけれど,何冊か見たところでみんな同じ。各々のソフトの保存状態(日焼けや経年変化による色褪せもそりゃあるでしょう)を考慮に入れたとしても資料としては全く使えねぇ。この展覧会のアートディレクターであり,且つそれらの写真の撮影者として奥付に記されているSaruBRUNEIの人は,一体どうしてしまわれたのでしょうか?。

気を取り直して。
帰宅後,iTunesを立ち上げて聴いてしまったのは,やっぱり細野晴臣『Super Xevious』。こちらは全くもって色褪せません。



Comments:


Post a comment