Laugardagur, desember 20, 2003
Camii

代々木・渋谷方面に出向く用事があったので,だったらついでにと上原のあの店へ。想うところは色々とあるけれど,とりあえず1・2・3がブリスターパックになっていて驚いた(今年の秋頃からだとか)。

しかしそれよりも,その店へ向かう道の先にそびえ立つ尖塔に釘付け。近づくとその下には見事なイスラム建築が。存在は幾度となく聞いていたけれど,ここに建っていたのね。ありがとうあの店,おかげで思いがけず素晴らしい体験をすることができました。

中に入ると(基本的に誰でも見学可),まずはギャラリーに多目的ホール。壁・扉・家具(暖炉・棚・ソファ…)・照明・磁器・マーブル画…,それぞれに顔を押し付けるようにして幾何学文様とカリグラフィのディテールを堪能。

そして上階の礼拝室(メインドーム)へ。

心から帰依する宗教を持たず(とは言いつつ,多くの日本人がそうであるように無自覚な仏教寄りなんだろうけど),また更に言うならば,宗教が人類に与えた最大の教えは「争い」だと思っているくらいの人間ですが,殊,宗教美術に関しては全ての宗教に畏敬の念を抱く気持ちがありまして。で,初めて目の当たりにしたイスラム教建築の空間にただただ呆然。6本の柱で支えられた中央の大ドームと,その柱の間を埋めるように配された6個の半ドーム,カリグラフィになっている中央のシャンデリア,透かし彫りの石で作られた説教壇,螺鈿細工が施された扉…。ストラホフ修道院以来,その空間に身を置いただけで膝が震えて動けなくなる(そして図らずも,PC販売兼宗教団体の最大の失敗は,完全なる美的感覚の欠如だということも再確認してみたり)。

M.C.エッシャーの昂奮がちょっとだけわかったようなひととき。お努めの方に訊ねたところ,絵を描くこともオッケーということなので,スケッチブックを持って再び訪れますと伝えて辞す。



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