相も変わらず,ネットの世界は偶然の連鎖に満ちている。
きっかけは先日購入したボードゲーム。その数学的意味を探っているうちに,ゲームで使用するコマの木工製作に関心が移る。ドイツの伝統工芸が関与していることが分かったところで,その他の気になるボードゲームを幾つかチェック。その多くが(再び)ドイツ製ということから,ニュルンベルクで毎年2月に開かれている国際玩具見本市を訪れたディーラーさんの報告記を読むともなく眺める。そうこうしているうちに思い出したのが,ニュルンベルクでおもちゃと言えばPlaymobil。今年はまだ新作をチェックしていなかったと,幾つかのサイトを訪問。その流れで最終的に辿り着いたのが,巨大掲示板のPlaymobil板。そして「ハンス・ベック氏に黙祷」の一文を目にすることとなる。
今年の1/30,Playmobilの生みの親であるHans Beck氏,御逝去。享年79歳。
・Geobra Brandstätter (Playmobil Official)
・Deutsch Welle
このサイトを立ち上げたそもそものきっかけは,まさにPlaymobil。気になる箱絵をスキャンしてアップしたり,海外のファンパーク訪問記をまとめてみたり。今でも好きな気持ちに変わりはないけれど,絶対的な熱量は明らかに下降。約3ヶ月,その報に気付かなかったことが何よりの証拠でもあり。
ネットを巡ると,イギリス・アメリカ・フランスなど,ドイツ以外の新聞社サイトの多く,またWiredにも記事が掲載されている。
・The Times
・The Guardian
・New York TImes
・Washington Post
・Le Monde
・Wired
各記事を追いかけていると,生い立ちからPlaymobil誕生の逸話だけではなく,販売各国それぞれの製品に感じる文化的価値観の差,また新製品に対するGeobra社との意識の違いなど,あのPlaymobilの笑顔(benign smile)だけでは終わらない現実も幾つか見えてくる。それでも貫き続けた"no horror, no superficial violence, no short-lived trends"のデザインモットーに襟を正さねばと。
最後に個人的な思い出を少しだけ。
Timesにも記されている,ドイツを代表する100人として2000年に開催されたハノーファーのExpoで飾られた石膏像。奇しくも会場を訪れ,しかもウチの娘と同じ像が立っていたのを見た時の喜びといったら。彼からの授かり物としてこれからも仲良くしていきます。