旅もまだ前半の先週,普段から拝読している博物系ブロガーが,この街でイベントを開催することを知る。と言うとさもだけど,実はこの街の人だったこと自体,知らなかったのよね。こんな偶然はないと,地下鉄に乗って川の向こうのギャラリーを訪れた。
出迎えてくれたのは女性。そうだったんだ,そう言えば性別も気にしていなかったよ。図書館をテーマとしているだけに,会場一角の書棚にその手の書籍が隙間無く。未知の本を次から次に紹介してもらい,メモと写真を取る(撮る)のに嬉しい悲鳴。
一方で書棚から周囲に目を転じると,その既視感たるや。デロールのノート,ヨゼフィヌムの女性蝋標本ピンナップ,プロテウスのDVD,ウチにある物とそっくり同じ物が並んでいるのを見つけると,つい顔がにやけて口に出さずにはいられなく。それでも,こういう時に共通言語があると話は広がりやすい。それぞれから話題は更に転じ,気がつけば長居を決め込んでしまった。
会場にはその他の名だたる博物系ブロガーの姿も。もちろん面識があった訳ではなく,彼女に紹介されて知る驚き。「今回の旅行はこの街だけ?」と訊かれ,いや,ちょっとだけ時間があるからフィラデルフィアに行きたいと答えると,間髪入れずに「ムターだね」。話の通りが良いって素晴らしい。せっかくだからと,この街の博物館やその手のショップなどについても情報を頂戴。
フィラデルフィアから戻っての今週半ば,その教えてもらったなかのひとつである博物系のアンティークショップへ。剥製や実験器具などの純粋博物系に混じって,家具や衣類・古写真など古物・骨董的なものまで種々雑多。紹介があると話は早い。店主としばしの立ち話。一通り,お互いの趣味嗜好について会話も弾んだところで「この街以外で何処か他に行ったところはある?」との問い。一言「フィラデルフィア」と答えて次の口を開こうとすると,それに先んじてこちらの胸を指差しながら「ムター!」。
楽しいなぁ。
6年ぶりの米国訪問から帰国。
書きたいことは多々あれど,例によってありすぎてまとめきれない悪い性格。追々,記していくことにして,ひとまずはこれを入手した満足感だけを。
米国限定,Playmobil #5849。
ブリスターには手を出すまいと思っていたものの,Special #4539の「マンダリン・プリンス(Mandarin Prince)」と#4554「忍者(Ninja)」,このコンビはさすがに見逃せなかったよ。欲を言えば,空手家との日本コンビなら尚良しだったんだけど,武具を持つ者同士の対決ということで納得。
気になるのは,そんな日中コンビの背景を飾るプリント。微妙に手が加えられているものの,やっぱり宮島?。こういうのってやはり使用許諾取ってるよね?,それともフォトストックか何かから?。Geobra社に問い合わせしてみたい。
Targetで破格の$2.99(Tax入っても$3.24)。思わず,3個も買ってしまう。全部,開けないんだろうな,きっと。
Tags: Playmobil
ネットで買えるものでも,現地で見つけると嬉しくてつい。
それぞれに10年ぶりの復活もさることながら,このコンビで出してくるとは。
だから好きです,geobra Brandstätter。
降って湧いた米国訪問を前に,足を運びたい博物館を考えた。真っ先に浮かんだのはJurassic Technologyだけれども,自分でキーワードにしたくらいだから,今回の訪問地からは明らかに遠すぎると早々に断念。それならばMütter Museumはどうだろうと,RumeさんのKWを再確認させてもらう。へぇ,フィラデルフィアだったのかと,耳馴染みだけはあってもアメリカの何処に位置するのかは知らない住所をgoogleマップで打ち込む。あ,東海岸か,それなら滞在地からも近そう,ちょっと乗り換え案内でもしてみるか,電車で日帰り可能だよ!。
という,長い前置きの末に来てしまいました。
蝋標本のJosephinumと医療器具のNarrenturmを足して2で割り,そこに人体標本を大量に加えたと言えばわかりやすいか。って,誰にとってわかりやすいのかわからないけど。
他に何があるかと言われると困るけど,それでも「人体の保存には2種類しかない,ドライかウェットかだ」と言い切るだけに,その数たるや夥しく。なかでも双生児のウェットが数多く,これにはさすがに沈痛な想いが浮かぶ。と同時に,『AKIRA』の鉄夫が想起されたりもするから,人間ってやつは厄介なもので。その中に混じって一匹の子豚が眠っている姿には可愛らしさも覚えたりで,更に厄介。あの子豚以外,動物はいなかったような。なんであそこにあるんだろ?。一方のドライはちょっと色が濃いくらいで,あとは蝋標本と見紛うばかり。と,これまたどっちが先かを考えると不思議。
新しい発見は人皮で装丁された本。綺麗な鼈甲色に染まっていた”ひらの出”がそれ。調べるとWikipediaにも記載があり,また藤田嗣治も所蔵していたとか。
ウェブで確認はしていたものの,ミュージアムショップはちょっと拍子抜け。$3に値下げされていたカレンダーも心に響かず。中を確認した書籍については,旅の荷物を増やしたくないのでアマゾンで購入ということで(って,アマゾン,既に2010年のカレンダー予約受付中だし!)。他方,その奥のスペースで静かに開かれてた「Extraordinary Bodies」と題された写真展が素晴らしく。複数の写真家による博物館の所蔵品を様々に捉えた数々。有名なところではWitkinやHellwegなど。ここからカレンダーが作られているのかと推察。
2時間を越える時を過ごし,すっかり堪能。でもなぁ,$14の入館料はちょっと取りすぎかも。1995年の『別冊宝島』に掲載された山形浩生さんの文章によると,破格の$2。色々あるんでしょうね。これからも応援いたしております。
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こんな地下鉄だったとは,全くのノーマーク。
何処までもシンメトリー。コンクリの壁面も『未来世紀ブラジル』みたい。乗り換え駅ではホームが直行,その壁面の交わる部分の収まりがまた素晴らしく。
俄然,楽しくなってきた。
中心部へと向かう電車内,向かいに座るビジネスマンが読む新聞の背に,デヴィッド・キャラダインがバンコクで遺体となって発見されたという記事を見る。
どことなくふさわしい,そんな旅の始まり。
秋篠宮ご夫妻が中欧4ヶ国(オーストリア・ブルガリア・ハンガリー・ルーマニア)を御訪問中。
殿下は山階鳥類研究所の総裁,また生き物文化誌学会の常任理事でもあられるだけに,気になるのは訪問されている博物・美術館。国内外のニュースサイトから,現時点で分かったものを以下に。
オーストリア
・Klosterneuburg Monastery(クロスターノイブルク修道院)
ブルガリア
・The Museum of Thracian Art(トラキアアートセンター)
ハンガリー
・Magyar Iparművészeti Múzeum(工芸美術館)
・Magyar Mezőgazdasági Múzeum(農業博物館)
ルーマニア
・Muzeul National al Satului Dimitrie Gusti(農村博物館)
なかでも注目はハンガリーの農業博物館(Picture from Globe M. OWL.)。
鹿や野生動物の剥製・骨格・角標本の掲げられた館内。チェコのKonopištěを思い出す。360度パノラマも素晴らしい。
Konopištěは2004年に訪問。こちらが当時の書き記し。
・Imaginary Beings: Prague, Konopiště, Kostnice
Tags: Wunderkammer
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最後にあの泥と水に触れたのは高校生の頃だったか。週末に帰省して田植えの手伝い。
多少の道具の変化はあれど,人手のかかることには変わりはなく。親族八名,家長の指示に従いて,根っこ運びと植えに分かれて黙々と。段取りをすっかり忘れ,最初は所在なく指示を待つだけであったが,動かす体は何かと覚えているもので。
夕刻,作業が終われば,やることはひとつ。無事を祈願してあげた神棚のお酒を頂けば,あとは無礼講。家長のアルコールを含んだお国言葉はネイティブの我が耳をもってしてもヒアリングが困難。ならばと,分からないのをいいことに,こちらも滑らかになった口で放言。
二日酔いのままでの帰京の手土産は親の手と足による山の幸。わらび・ぜんまい,しどけ・あいこに山うど。お米しかり,子供時分から当たり前に口にしていたもの。だからこそ,いつまでも。まだまだ覚えなければいけないことばかり。
三年連続で雨に降られた五月満月祭にそんなものだと納得しつつ,足を運べなかった今年は晴天に恵まれたという話を聞くと,また色々と想うところもあり。
人も少ない終電の車内。俯いてのまどろみの中,降りる駅の一つ前で前方に座る人影を認める。それとはなく眺めると,20代前半と思しき金髪の西洋人青年。胸の前でニンテンドーDSに興じるその奥のTシャツに「ZTT」のロゴ。あれほど車内で話しかけたい衝動に駆られたことはないかもしれない。
帰宅後,iTunesで何を聴いたかは言うまでもなく。
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失って気付く相も変わらずの愚かさ。
ハンス・ベック氏のニュースを追いかけることで,Playmobilへの想いが再び強まる。現在,唯一集めていると言えるSpecialの未入手分をまとめ買いしたり,長らく放置していたebayを久しぶりに覗いてみたり。その流れでここ5年ばかりの勉強不足を埋める意味も込めて『Playmobil Collector 1974-2009 – 3. Edition』も購入。
初版を購入したのが,まさに5年前の2004年。そこから厚さも1.5倍増しとなった今回の第3版。1974年の発売開始から2009年までの約4,500品を収録。これは,飽きないなぁ。数がこれだけ膨大だと所有・未所有という個人的な想いはどうでも良くなり,その歴史の流れを目で追うだけでただただ楽しくて。販売国での違いや同じアイテムナンバーのバージョン違いなど,小ネタもしっかり。
それでもマニアの受難的な視点で言えば,ここに掲載されていないモデルの存在が気になるところ。特にマーチャンダイズ系に目立つようで,ウチにも2・3。これはやはり,知らせるべきだよね。また,巻頭の謝辞に記されている世界各地のコレクターやファンの名前に見覚えのある方もちらほら。皆さん,お元気のようで何より。なかには現地で直接お逢いした方もいたりして,久しぶりに連絡でもとってみたくなったり。
Tags: Playmobil