twitterの利便性に溺れ、ブログの更新が滞るのはよくある話。それがなくても,ここのそもそもの在り方も再考せねばいけないのですが。
とは言え、この話題はやはり避けては通れず。
パリの剥製商、デロールが突然の火事に見舞われたのは2008年2月1日。その後、被害にあった剥製・標本を用いた展覧会「Nature Fragile」が催されたのが同年11月。この時は同名の図録も発売されました。
これで火事にまつわる話は終わったと思っていたところ、その「Nature Fragile」にも参加した写真家2人の書籍が、今年に入って刊行されておりました。
『1000°C Deyrolle: 1er février 2008』
Photo by Laurent Bochet, Text by Louis Albert de Broglie
Piblisher: ASSOULINE
眼を惹かれるのはその装丁。住所表記もあるということは、店頭にあった看板なのか。
しかし内容については、サイトに用意されているプレビューを見る限りではありながらも、昂揚感にはやや欠ける印象。白を背景に焼け出された標本や什器が置かれた構図は、美しくはあるものの一方でよそよそしさが。また寄り気味で撮影された昆虫標本も、標本は額あってこその標本と思うと残念至極。
また「Paris By Appointment Only」によると、写真家のLaurent BochetはデロールオーナーLouis Albert de Broglieの友人とのこと。この本に収められている写真を用いた展覧会も、デロールにて開かれたようです。
『Touched by Fire』
by Martin d’Orgeval
Publisher: Steidl
もう一冊は、Laurent Bochet同様、デロールと昵懇の仲である写真家による一冊。こちらもこの本に収められている写真を用いた展覧会が、デロール始め、アメリカやイギリスで開かれていた模様。
こちらもサイトにプレビュー。見ると、これがいい!。きっちり額も含めて撮影された標本、陰影のある色彩と質感。机らしき背景もまた雰囲気を増していて。細かくて判別は出来ないものの、ページ左にびっしりと記されたリスト表記は被害に遭った剥製・標本について?。これまた気になる。
こう書くとお分かりでしょうが、オーダーしたのは『Touched by Fire』。海の向こうからですが、今年中には届くのではないかと。『1000°C Deyrolle: 1er février 2008』は、何処かで現物を見てからの判断に。
Tags: Deyrolle, Wunderkammer
2009.10.14
DRIVE TO 2010
dip in the pool @ 新宿ロフト
最初に発せられた「midnight」で,ソラの彼方。
穏やかに至福のひと時でございました。
演奏されたのは全6曲。
dip in the poolのアルバム,甲田さんのソロアルバム『jupiter』から2曲,「DRIVE TO 2010」のサイトで言及されていた,映画『南太平洋』から1曲。残りの1曲,虚をつかれたのがサティの『Gymnopédie #1』。木村さんのアレンジと甲田さんのメロディに乗せた歌で,確かにdip in the poolの音楽に。色々なものが剥き出しのロフトが一転,どういうわけかリンチのレッドルームに見えてしまう。
帰宅後,ネットを見ると,お二人共に新たなサイトを作られていたことを知る。
・tat website
・NEW KODA PROJECT
もうひとつのほうはそれなりなのですが,こちらは相も変わらずのご無沙汰で。
とは言え,明日(正確には今日)の「DRIVE TO 2010」を想うと,そりゃいてもたってもいられないわけですよ。えぇ,初めてのdip in the pool,初めての甲田益也子様ですよ。今日は一日中,iPodで全アルバムを復習ですよ。
眠れずにオフィシャルを確認したら,セットリストに関して幾つかのコメントが。南の島かぁ。となると,クリスマスには早いしなぁ。マルイ月は出るのかなぁ。案外,ソロアルバムのほうがそういう雰囲気だなぁ。
眠れやしねぇ。
先週は浅草で初めての鶴瓶落語。日替わりゲストとの交流を表すオープニングの映像は,かつて深夜に放送された『真夜中はピクニック』から。調べると,同番組の演出家が今回の演出を担当。あれは本当に良い番組で,今でも頻繁に見返すほど。
番組もそうだったけれど,つくづく落語は人なんだ。教えを乞う側・授ける側,舞台を欲する側・提供する側。その関係性が微笑ましく,また羨ましく。何百年とこうしてずっと繋がってきた芸を今,この時に見ているんだと感じた2時間半。来年に続くセカンドシーズンは,共に高座に上がる落語家の出身地で開催するという仕掛け。行きたいのはやっぱり新潟だなぁ。
昼休みは食欲よりも睡眠欲。外界からの雑音を遮断するためにヘッドホンで聴くのは,Anonymous 4『The Lily & The Lamb』かBrian Eno『Ambient 1 Music for Airports』。そこに最近,新たに加わったのがSt. GigaのCDシリーズ。日本を中心に世界各地の自然音を収めたもの。川を流れ,海を漂い,鳥や虫の声を耳にしながら,沈むでもなく浮かぶでもなく。ただ,そこにいる心地良さ。ラジオ局としての放送を聴く機会には恵まれなかったけれど,今こうして出会う嬉しさよ。
同じく耳にしたことのなかったステーション・コールも,探せば出てくる素敵な世の中。
I’m here. I’m glad you’re there. はコメントを受け付けていません
阿波踊りのお囃子は成功失敗相半ば。音の出来不出来から言えば,明らかに不出来。練習の成果が発揮できず,本番に弱い自分にガッカリ。それでも昂ぶる観客の姿に救われたところ多々。さすがは高円寺。中央線に根付く音楽の力を肌で感じる。
さて,9月。
お囃子の練習が無くなるということで,日々の時間配分を新たに検討。まずはランニングの再開。最後に皇居を走ったのが何時なのか想いだせないくらいに鈍った体を何とかせねば。毎年落選が続く「東京マラソン」の応募も済ませたし。
もうひとつは博物系の話。
ニューヨークで博物系ブロガーと語らったのも遠い昔,6月のこと。当時の話や,訪れた場所についても色々と書きたいことがあるし,また英語で日本の博物系の話題を読みたいとリクエストされていたことも,きれいに棚上げしたまま。英文については分量と力量の問題もあるから,twitterで軽くつぶやく方法と平行で行くとして,個人的経験や考え,その時々の発見などはここできっちりとまとめて書いていきたいもの(いきなり博物系だけを新たに立ち上げる意気込みのないところに我が性格が見え隠れするけれどね)。
例によっての放置癖。
と言っても,今回だけは致し方ないところも無きにしも。
そもそもは突然の引越し。年初からボンヤリとは考えていたものの,懇意の不動産屋さんからの突然の物件情報に飛びついたのが先月半ば。そこから2週間で荷造りして何とか運び出し。本はもちろん,Playmobilや標本などの博物系小物も馬鹿にならない量。しかも,ちょっと怪しい雰囲気の物もあるから更に。引越し業者にジェニー・ハニヴァーを説明するのはさすがに困難を極めたなぁ。
8月に入ったら,今度は笛の稽古。縁あって阿波踊りの連に参加させていただくこととなり,月末の本番に向けてほぼ毎日中央線に乗っては吹き続ける。夜はこれに時間が割かれ,もちろん昼は仕事。合間を縫って新居の荷ほどきもするものの,それも思うようには進まなかったりで,もう何が何だか。
それでも,まずは今日からの三日間。8月の集大成をば披露いたしたいものです。
降りかかる日々の由無し事をこなしもせずに払い続けた一ヶ月。それも,全て今日からの三日間のため。笛を吹きながら高円寺の街を南へ北へ。
人前で演奏するのも高校生以来のこと。稽古は稽古,本番は本番。さてどうなることやら,我ながら楽しみ。
同じ阿呆でも吹く阿呆 はコメントを受け付けていません
追われる時と迫り来る時に挟まれているうちに,アポロの40年もRiceboy Sleepsの発売日もすっかり忘れていた。前者はgoogleのロゴで思い出す始末だし,後者に至ってはアーティストネームの変更にも気がつかず。検索しても出てこないわけだ。
いっそiTunes Storeで買ってしまおうかと思ったが,戯れにオフィシャルサイトを覗くとSpecial Edition Boxの在庫有り。しかも音源はメインアルバム・ボーナスアルバム共にダウンロードで即時入手可ということで,こちらに決定。現物は忘れた頃にやってくるお楽しみ。
はや晩秋の心持ち。日が短く夜が長くなっていく何処か寂しい季節のなかで,ふいに訪れた暖かい一日を過ごすかのよう。iTunes Storeで購入していたら聴くことのなかったボーナスアルバム『All Animals』は,更に季節が移ろいだ頃か。陽射しの下,肌に感じる冬の気配。
やっぱり,氷の国の音楽。
差すか差さずかの霧雨に濡れながら,久しぶりに観音様の裏っ手へ。
浅草見番「雲助蔵出し ふたたび」
今年初めての雲助師匠は,根多出しの「九州吹き戻し」に誘われて。主人公・喜之助の生き様,そして遠眼鏡を用いた船上からの風景描写に突然RPG的なものを感じる。『DQ』の「あそびにん」,そして『FF』『DQ』で初めて船を手に入れた時のような。何だか不思議。二席目の「居残り佐平次」終演後,予定には無かった「新版 三十石」を。広沢虎造の向こうを張って熱演する赤沢熊造先生。佐平次からのギャップもあり,笑いすぎて腹痛ぇ…。
浅草から銀座線で移動し,上野広小路。
落語協会二階「小ゑん・喜多八試作品」。
振り返ると10ヶ月ぶり。ご無沙汰しておりました。音源でしか知らなかった喜多八師匠の「仏の遊び」を初めて眼前で。遊び人の阿弥陀様がステキ。夏至の日に聞く「船徳」もまた。夏が来ますね。
霧雨は一日中止まず。
天候から来る体調の下り坂を落語で抑えたような一日。
ジェットラグ真っ最中。
眠れないなら,そのまま活動。散歩がてらに鈴本早朝寄席。
・柳家わさび やかん
・金原亭馬吉 鮑のし
・川柳つくし 歌のおねえさん
・春風亭一之輔 青菜
開演10分前に入ったら,既に8割を超える入り。最終的には立ち見も出る300人超えだったらしく。
久しぶりのわさび,やっぱり好きだわぁ。以前に聞いた「蝦蟇の油」の口上同様に,今回の講釈も真面目なだけに面白おかしく。