Twitter・facebook・RSS…
プッシュ型の情報に慣れてしまうと、自分から情報を探しに行くことを忘れがちになります。
誰かがアップした情報を上下にスクロールしながら眺めては、ただ享受するだけ。特に震災以降は、その傾向が強くなっているように思います。自分一人の知識では判断出来ないことも多いですからね。
しかしその結果、コンピュータの利用で文字を書く機会が減ったように、このままでは自分で調べるという行為そのものを忘れてしまうような心配もしてしまいます。
Midnight in Paris
と、大風呂敷を広げてみましたが、言いたいのはデロールのことです。
サイトがRSSに対応していることは知っていますし、RSSリーダーに登録して読んでいたこともあるのですが、日々重複する内容が届くので登録を外していました。そんななか、久しぶりにサイトを直接訪れてみたところ、「Woody Allen」の名前が飛び込んできました。最新作「Minuit à Paris (Midnight in Paris)」で、デロールがロケ地として使われたそうです。
・Woody Allen chez Deyrolle pour ’Minuit à Paris’(オリジナル)
・Woody Allen chez Deyrolle pour ’Minuit à Paris’ (google英語翻訳)
IMDbに飛んでみると、パリを訪れた主人公が1920年代にタイムスリップとするというストーリー。日本では公開前ということで、それならばとYouTubeに。すぐに予告編が見つかりました。
・YouTube:Midnight in Paris 2011 – Trailer
嬉しいことに、1分16秒からの一瞬、あのデロールの2階が映し出されました。
パーティーシーンでグラスを持って乾杯する紳士淑女の間を縫うように、見慣れた剥製達も同席しています。デロールのサイトによると、撮影が行われたのは2010年7月とのこと。
海外では来月にもDVDが発売されるようです。
日本での公開時期にもよりますが、円高も続いていますので、デロールのためだけに購入するのも一興かもしれません。
Tags: Deyrolle
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Through the Weeping Glass (via Mütter Museum)
いつも(一方的に)お世話になっている「Morbid Anatomy」にて、待望のニュースがアップされました。ブラザーズ・クエイがフィラデルフィアのムター博物館を舞台に製作を進めていたショートフィルムが、ついに完成。
・Morbid Anatomy: 20110821 ‘Quay Brothers Mütter Museum Film Premiere in Philadelphia, New York and Los Angeles This September!’
同じMorbid Anatomyで製作中との情報を知り、このブログに記したのは昨年11月5日。あれから約10ヶ月。まさに待望です。
・Imaginary Beings: 20101105 ‘The Brothers Quay at the Mutter Museum’
発表になったタイトルは「 Through the Weeping Glass: On the Consolations of Life Everlasting (Limbos & Afterbreezes in the Mütter Museum) 」31分のドキュメンタリー。Morbid Anatomyより引用します。
Through the Weeping Glass: On the Consolations of Life Everlasting (Limbos & Afterbreezes in the Mütter Museum) is a documentary on the collections of books, instruments, and medical anomalies at The College of Physicians of Philadelphia and the Mütter Museum. This short film (running time: 31 minutes) is the first made by the internationally recognized Quay Brothers in the United States.
「嘆きのガラスを通して: 永遠の生命の慰み」とでも訳しましょうか。ガラスケースの中に並ぶ、永遠の生命を獲得した人体標本の姿が脳裏に思い出されます。また人体標本のみならず、書籍(そういえば、人皮で装幀されたものもあった)や医療器具などの収蔵品も登場するとのこと。これはイギリスのウェルカム財団のコレクションを撮影した「The Phantom Museum」を思い出させますね。
今回、上映されるのはアメリカ国内の3ヶ所。
9/22 The College of Physicians of Philadelphia, 18:30~
9/24 The Museum of Modern Art, New York. 19:45~
9/27 Cary Grant Theater, SONY Pictures Studios, hosted by The Museum of Jurassic Technology, Los Angeles, 20:00~
フィラデルフィアとニューヨークは当初のアナウンス通り、それぞれムター博物館とMoMA。ロスアンゼルスはケーリー・グラント・シアターに変更となり、当初の予定だったジュラシック・テクノロジー博物館は、ホスト役として関わるとのこと。
しかし、22日と27日は既にソールドアウト。24日のMoMAは、チケット発売情報が見つけられなかったものの、おそらく同様なのでしょう。このために飛ぼうなんて、ほんのちょっとしか思わなかったけれど(笑)これでスッパリ諦めもつくというものです
では、もう見られないのかといえば、DVDの発売が予定されていて一安心。この映画のメイキングを中心とした展覧会がムター博物館で開かれることになっており、その模様や同時開催のシンポジウムのドキュメントなども同梱されるとのこと。ここから更にまた首を長くして待つのですね。えぇ、待ちますとも。
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Requiescat in Pace
本家同様、二度目の息を引き取ることになるとは。
それでもなのか、それだからこそなのか、本家の光景を見た時と同じ感情を抱いております。
あの日から一ヶ月。
Tags: Deyrolle
Mini Dress in Cat Yellow (via Opening Ceremony)
何だか、Deyrolle(デロール)の話ばかりですが。
ニューヨークのセレクトショップ「Opening Ceremony(オープニングセレモニー)」とのダブルネームでスカーフが発売されたと知ったのは、昨年11月。
・Imaginary Beings: 20101108 ‘Deyrolle Pour Opening Ceremony’
TwitterでNY話が出たことをきっかけに、久しぶりにOpening Ceremonyのサイトを覗いてみると、今年の春のラインナップにデロールの剥製をモチーフとした女性服が登場していました。
・Opening Ceremony New News: 20110119 ‘Deyrolle pour Opening Ceremony, Part Deux!’
・Opening Ceremony New News: 20110203 ‘Deyrolle pour Opening Ceremony Spring Lookbook’
Mini Dress in Fox Black (via Opening Ceremony)
服の種類は、ロングドレス・ロングスカート・ミニドレス・ロングスリーブ・ボタンダウンドレスシャツ。それぞれに狐・ネコ・カブトムシがモチーフとして配置されています。価格は$270-$360。オンラインショップからの購入も可能。
・Opening Ceremony Online Shop: Deyrolle Pour Opening Ceremony
デロールの店内で撮影されたカットが素晴らしく。
Long Dress in Fox Black (via Opening Ceremony)
Button Down Dress Shirt in Beetle White (via Opening Ceremony)
Mini Dress in Beetle Blue (via Opening Ceremony)
YouTubeにはPVもアップされています。
硝子扉を開けたり、剥製に触れたりしているのは撮影ならでは(普段は写真撮影もご法度)
BGMはパリのファッションブランド・音楽レーベルの「Kitsuné(キツネ)」のコンピレーションアルバムから。やはり狙ってのことでしょうか。
くすり…
VIDEO
Tags: Deyrolle , New York , Paris
20100606: Deyrolle, Paris
今日、2011年2月1日で、デロールが火事に見舞われてから3年が経ちました。その一報を耳にしたのは2008年8月某日。その場の光景と、これが言葉を失うことかという驚きは、永遠に記憶に残り続けることでしょう。
・関心空間: 剥製標本は二度,息を引き取る
遠く離れた日本にいては、今の様子を知る手立ては店舗のサイトのみ。このエントリーを記している時点では特別に3年が過ぎたことを伝えるような記述は目に飛び込んできませんでした。便りの無いのは良い便り。
その代わりにではないですが、店内にて昨年11月から先月まで、François Lelongによる鹿と植物のハイブリッドをテーマとした展示「’Hybrides’, cervidé/végétal de François Lelong chez Deyrolle」が行われていた様子。同じくパリの「狩猟自然博物館」を思い出すような作品の数々に心躍りました。
・Deyrolle: ‘Hybrides’, cervidé/végétal de François Lelong chez Deyrolle
Deyrolle: Papillons Cards
次にあの扉を開け、階段を上がるのはいつになることやら。
飛んで行ければ良いのですが、今はまたの訪問を夢見るばかり。
Tags: Deyrolle , Paris
失礼ながら、1日遅れのお話。
昨日、1/30はPlaymobilの父、Hans Beck(ハンス・ベック)の命日でした。2009年に亡くなって2年。仏教で言えば三回忌。
亡くなったのを知ったのは2009年も4月に入ってからでした。
・Imaginary Beings: 20090422 “Fingerspitzengefuhl”
Playmobilに最も情熱を注いだのは1998年から2005年頃にかけて。リアルタイムで発売されていたものはもちろん、1970・80年代のオールドものにも手を出しました(今でも未開封のまま大事に保管してあります)。しかし、その後は進化の袋小路と言いますか、ギミックやディテールにこだわった製品ラインナップについていけなくなり、Specialシリーズを中心に、どうしてもというものだけを厳選して買い求めるに留まっております。
そんなSpecialシリーズ、今年の目玉は何と言っても「サムライ」。
・Playmobil 4748 “Samurai”
Playmobil 4748 “Samurai” (via Playmobil.de)
かつての「空手家」や「忍者」を想起させるジャポニズムに心踊ります。数十体も買い求め合戦させたい。
このブログとしては、Playmobilの博物・幻想科学的な側面にも触れざるをえません。世界最大のPlaymobilのカタログサイト「Collectobil」より幾つか引用します(商品名は英語 / ドイツ語)。
Playmobil 4524 “Axe Man / Henker” (via Collectobil)
・Collectobil: Playmobil 4524 “Axe Man / Henker”
Playmobilファンにはお馴染み、「死刑執行人」
Playmobil 3933 “Forest Ghost / Waldgeist (via Collectobil)
・Collectobil: Playmobil 3933 “Forest Ghost / Waldgeist”
見た目の通り、イギリスの森に生息すると言われる樹木の精霊「グリーンマン」
Playmobil 3839 “Wizard’s Workshop / Magierwerkstatt” (via Collectobil)
・Collectobil: Playmobil 3839 “Wizard’s Workshop / Magierwerkstatt”
錬金術・天文学を思わせる魔法使いの研究室。
Collectobilに掲載されていないものですが、最後にこちら。Wunderkammer・Kunstkammerと並ぶ**kammerのひとつ、Schatzkammer。
Playmobil 4255 “Schatzkammer”
Playmobil 4255 “Schatzkammer”
こうやって並べてみると、我が事ながらもPlaymobilにはまった理由がはっきりと見えてきます。これからも静かに求め続けることでしょう。
Tags: Playmobil
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名古屋から戻り、いつもの日々。
初めて訪れたダイアモンドホールでのヨンシーのライブ。小さい会場だったためにステージとの距離も近く、より親密感のあるライブでした。
一方で、その小ささのためか、パリ(バタクラン)で見た時とはステージのセットに違いが見受けられました。大きくは以下の二点。
・ステージ上に複数個並んでいた標本ケースが無かった
・ステージ後方に鉄骨フレームで区切られたガラス窓が無かった
(注:大阪・東京は未見のため、同様だったのかは定かではありません)
特に残念だったのは後者。パリではラストの曲『grow till tall』にてガラス窓が飛び散る映像があったのですが、名古屋ではそれも削られることに。全てを吹き飛ばすあの嵐を更に強く印象づけるものだっただけに、もったいなく。とはいえ、異なる2つのパターンを見ることが出来たと考えると、望外の喜びであるとも言えます(そもそも、こんな細かい見方をすること自体、おかしいのかもしれませんが)
ところで、以前にこのブログにて、今回のステージセットはデロールの火事を題材にした本に影響を受けていることを記し、それが具体的にどの本であるかの推測をしました。
・Imaginary Beings: 20100307 ‘Jónsi meets Deyrolle ‘
今回、改めてネットを彷徨ってみたところ、LVMHグループのサイト「NOWNESS」にて今年3/3の時点で記事になっていました。少し長いですが、引用します。
・20100303 NOWNESS: Like a Phoenix Rising -Jónsi’s Sonic Menagerie-
The stage show for the accompanying tour, designed by London-based studio Fifty Nine Productions, is an equally grand endeavor. Inspired by photographer Martin D’Orgeval’s 2008 book Touched By Fire, which documented Parisian taxidermy store Deyrolle after it burned down in February of the same year (it has since re-opened), the set tells a story of hope born from devastation. Says designer Leo Warner: “It’s about a space that has been repurposed and become something else—a magical space.” On stage, partly dilapidated walls will writhe with soft projections and motion graphics of animals taking flight, “as if brought back to life,”
推測の通り、Martin d’Orgevalの『Touched by Fire』でビンゴだったようです。
・Martin d’Orgeval: 『Touched by Fire 』(別ブログ「Tomblin」での記述)
また、副題「Sonic Menagerie」は、この日曜日まで東京大学総合研究博物館小石川分館で開催されていた「ファンタスマ:ケイト・ロードの標本室」の仮称「Wunderkammer: Neon Menagerie」を連想させるもの。ここでもまた何らかの繋がりが。
残るライブは12/29のレイキャビクのみ。
『grow till tall』が終わると同時にあのセットも消えてしまうのでしょうか。
Tags: Deyrolle , Jónsi
Sonic Menagerie は コメントを受け付けていません
今年はヨンシーで始まり、ヨンシーで終わりそう。
3月にステージセットがデロールをモチーフにしていることを知ったのが全て。あの時点で来日予定はなく、ならばいっそパリでライブを見ればデロールにも行けるだろうと思い、6月に実行。
そして12月、日本で単独ライブを堪能。
名古屋で行われたそれは小さな会場向けの仕様で、図らずもパリとあわせて2種類のセットを見ることが出来た。
残るは29日のレイキャビク。
行けるものなら行きたいよね。
最後にして最大のGo Do
デロールは海を超え は コメントを受け付けていません
明日から名古屋へ小旅行。
6月にパリで見たヨンシーのライブを、いよいよ日本で。東京公演において、先行抽選・一般発売共に完全敗北したための苦肉の策ですが、パリに比べたら名古屋はすぐそこ(しかし、名古屋・大阪は未だにチケットを購入出来るというのが。東京が異常なのでしょうね)。おそらく、これが最後の見納めとなる、デロールに発想を得たステージセット。堪能したいと思います。
・EMI Music: Jónsi
ライブも楽しみですが、せっかくの機会ですから名古屋周辺の博物的なる場所にも足を運ぼうと調査。これは訪れてみたいと思う場所が幾つか見つかりました。
1. 東急ハンズ名古屋店:地球研究室
玉青さんのブログ「天文古玩」で目に留まった場所。
・天文古玩 20101118:「理科趣味アイテム、あります。」
化石・剥製・鉱石・実験器具… 博物好きの気持ちをくすぐる数々が並んでいるようです。東急ハンズということで、空間の怪しさは望むべきものではありませんが、いずれにせよこの目で確かめてみなければ。
2. 徳川美術館:「名古屋開府400年 徳川美術館開館75周年記念 特別展 国宝 初音の調度」
Twitter経由で教えてもらいました。
全くのノーマークでしたが、これが素晴らしく。特に箱物の数々には、箱馬鹿として胸躍ります。
そのなかのひとつ。16世紀に東南アジアからもたらされた「真珠貝玉箱」の怪しさたるや。同じ16世紀、神聖ローマ皇帝ルドルフ2世がプラハ城で愛でていたと言われても良さそうな造作。これを徳川家康が使っていたというのですから。
・真珠貝玉箱
真珠貝玉箱 (via 徳川美術館)
3. 内藤記念くすり博物館
名古屋から足を延ばして、岐阜へ。
製薬会社、エーザイの創業者である内藤豊次が設立した博物館。
ここは以前から行きたいと思っていた念願の場所。ヨーロッパ・アメリカで足を運んだ医療系博物館に抱く期待と同じ物がここにはありそうです。
他にも、名古屋のキューガーデン、東山動植物園の温室や、数多の古書店なども訪ねてみたいものです。
Tags: Deyrolle , Jónsi
all scarves (via Opening Ceremony New News)
ちょっとした手隙にあかし、戯れに「デロール(Deyrolle)」で検索。
すると、この9月にニューヨークのセレクトショップ「Opening Ceremony(オープニングセレモニー)」とのダブルネームでスカーフが発売されたとの情報が目に入りました。
・Opening Ceremony New News: 20100906 ‘FNO 2010: Deyrolle ‘
このスカーフは、9/10にニューヨークのファッションブランド店が参加して行われたイベント「Fashion’s Night Out」にあわせて作られたとのこと。イベント自体のテーマが「A Parisian Flea Market」ということで、それにあわせてデロールが選ばれたということでしょうか。
デザインはデロールにある剥製や標本を万華鏡のように配置(撮影はフラン人カメラマン、Bastien Lattanzio)。白・青・黄と色違いで3種作られています。お値段は$95。
私自身、ファッションにおけるブランド志向があるとは思いませんでしたし、ましてやダブルネームものに食指が動くなんて考えられないことでした。しかしデロールとなると、やっぱり別なようで…。単にそこで扱われるブランドに対する愛情の違いだったようです。普段、スカーフを使うことは無いのですが、ならば額装でもよいのではと…。
ちなみに、デロールとスカーフと言えば、火事で燃えた2008年に復興を目的としてエルメスとダブルネームで出されたものがあります。画像だけですが、こちらにも掲載しています。
・Imaginary Beings: 20100527 ‘Go Do ‘
blue scarf 01 (via Opening Ceremony New News)
blue scarf 02 (via Opening Ceremony New News)
white scarf 01 (via Opening Ceremony New News)
white scarf 02 (via Opening Ceremony New News)
yellow scarf 01 (via Opening Ceremony New News)
yellow scarf 02 (via Opening Ceremony New News)
Tags: Deyrolle , taxidermy