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29
1月

iPad

発表から一日、iPadについて色々考える。

自分にとっての第一の利用方法は、やはり電子書籍ビューア。もっと言えば、ScanSnapでpdfファイルとして取り込んだ雑誌・書籍のビューアとして最適。Kindleではモノクロの画面が理由で取り込んだpdfをそのまま転送しても視認性が悪い。一方、iPhoneは資産流用と視認性には問題ないものの、1ページを俯瞰出来ないディスプレイサイズの小ささがいかんともしがたく。それがこのiPadなら全てが解決。問題はiPadに最適化されたpdfビューアの登場待ちだけれど、それも現在使用している「GoodReader」がやってくれるのではないかと楽観視(贅沢を言えば、Macでのpdf管理に使用している「Yep」のiPad版が出れば更に嬉しいのだけれど)。

その流れでもちろん電子書籍アプリ「iBooks」も気になる存在。ただ、現状では見えないことが多くて疑問だらけ。例えば、ファイルフォーマットがepubならば、手持ちのpdfをepubにコンバートすればiBooksでも管理出来るのか?。iBooksの書籍管理方法はどうなっているのか?。現在のiTunesで利用できるプレイリスト・スマートプレイリストの機能が存在するのか?。そしてそもそも、日本のアップルのサイトにはiBooksの説明が無く、それは当面アプリ自体の提供がされないということなのか?。

まぁ、3月になれば分かること。その時の自分に対する質問状ということで。

24
1月

The Night Life of Shinobazu Book Street

昨日は、今年から加えさせていただくことになった不忍ブックストリート実行委員会の会合に初参加。通算10回目ということで原点回帰的な話も出て、朧気ながら自分が考えていた方向とも合致。色々と提案することが出来れば。

終了後、宴席へと向かう道すがら「音の台所」の茂木さんから、インドの絵本『The Night Life of Trees』を教えてもらう。

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そのタイトルの通り、インドの木々が夜に見せる様々な姿を表した内容で、その造本は全てシルクスクリーンによる手作業。またインドの印刷らしい香りも素晴らしいとのこと。歩きながらabebooksを眺めると$30〜が相場、送料を加えると$50くらいかなというところで酩酊の世界へ出奔。

日付変わって今日、改めて調べてみると定価が$39.95で、日本国内の書店では8,000円を超える様子。これならabebooksのほうが少しでも安いかなと思っていたところ、amazonではそのままの3,400円。さすがと言うか、一気に食指が動く。

しかし、ここで先日購入した『Touched by Fire』を思い出す。版元のSteidlに注文したところ、メッセージと共に素晴らしいカタログが同梱。オマケ欲しさというわけではないけれど、直接購入だからこそのサービスが嬉しかった。そこで調べるとやはり。版元のTara Booksでも直販、しかも定価よりも若干安価での提供。

Tara Books: The Night Life of Trees

ちなみにサイトでは、この本に登場する木々のプリントも販売中(ここでしか買えない様子)。こちらも気になります。

21
1月

架空に遊ぶ

またひとつ、願いが叶った。

イタリアの建築家・工業デザイナーであるLuigi Serafiniが著した『Codex Seraphinianus』を入手。

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1976年から1978年の間に30ヵ月掛けて文章と図版を書き上げたといわれる百科事典。その内容は架空世界の事象であり、また使用されている言語も解読不能なもの。

百科事典という形式が好きなところに来て、更にそれが架空世界の事象を扱うとなれば、その関心も二重に惹かれるというもの。『ヴォイニッチ手稿』はもちろん、架空世界の国が発行した切手を描き続けたDonald Evansにも繋がる興味の対象として、長らく入手を夢見ておりました。しかし初版はもちろん、その後の版も到底手が届く価格ではなく、そのため入手どころから本の存在についても想いを馳せることが無くなっていました。それが昨年夏に2006年から廉価版が登場したことを知り再燃。購入の機会を伺っていたところ、今年になってまさかの15%オフ。これはと思い切ったというわけで。

Kindleはじめ、電子書籍の話が騒がしい昨今。実際、Kindleも購入してその利便性を大いに享受してもいるのですが、この本を実際に手にとって見ていると、紙で所有したいと思わせる本が確実にあることを実感します。

章立てなどはWikipediaを。
Wikipeda:コデックス・セラフィニアヌス

また、本書の各ページを画像で掲載しているサイトもあります。
Biblioteca Gráfica Digital

25
12月

鈴本お笑い師走会 12/24 昼の部

今年の落語聞き納めはキョンキョン。

三遊亭歌る美 たらちね
ホームラン   漫才
柳亭燕路    幇間腹
桃月庵白酒   宗論
林家二楽    紙切り(桃太郎・サンタクロース・メトロン星人・虎)
春風亭百栄   マザコン調べ
-仲入り-
ぺぺ桜井    ギター漫談
柳家喜多八   だくだく
三増紋之助  江戸曲独楽
柳家喬太郎  ハワイの雪

「宗教チャンチャカチャン」の一言がハマって、白酒師匠の「宗論」から変なテンションに。どんな人が「メトロン星人」お願いしたのかと思ったら顔見知りの方だし。百栄師匠の啖呵はいつ聞いても可笑しく、喜多八師匠は寄席で聴くとまた良くて。そしてキョンキョン。

今年足を運んだ落語会は24。聴いた噺はちょうど90席。どちらも例年の半分弱。これくらいが無理なく楽しめるみたい。

21
12月

石の縁は縁石

こちらからのリクエストに応えてもらえ、「音の台所」の茂木さんがエジンバラの鉱石店(化石店)「Mr Wood’s Fossils」について記してくれました。ありがとうございます。

・「音の台所 ひきだし日記:2009年12月19日
・「Mr Wood’s Fossils

茶話会のお話を窺っていても感じたことで、偶然の出会いを楽しみつつもそれが過度にならず落ち着いたご様子であることが伝わります。マニア体質な自分だと、そこが化石店でもあったならば鳥の化石まで夢中になって見ちゃいそう。

お店のサイトトップにあるオウム貝の化石が綺麗。また「Scottish Stones」という記述を見て、北アイルランドの「Giant’s Causeway」を思い出しました。

併せて拝見した茂木さんの台湾旅行記で思い出したこと。台北市内の高架下に数百もの鉱石店・宝石店が並ぶ台北の「建國假日玉市」は、今一度時間をたっぷりとって訪れたい場所。

・「建國假日玉市

鉱石・化石と言えば先週末の話も。京都・八坂神社近くにある「ぎおん石」の銀座支店に、初めて入店。晴海通りからすずらん通りをちょっとだけ入ったところなのに、今まで全く気づかず。ダイナミックな京都店とは対照的に小じんまりとした店構え。これからはちょくちょく覗きに行こう。

19
12月

Touched by Fire

2008年2月1日、パリの剥製商であるデロール(Deyrolle)を襲った突然の火事。そこで被害にあった剥製・標本を用いた展覧会「Nature Fragile」が催されたのが同年11月。複数のアーティストが参加し、同名の図録も発売されました。

その「Nature Fragile」にも参加した写真家Martin d’Orgevalが、単独でこのデロールの火事をモチーフとした写真集『Touched by Fire』を刊行。出版元であるSteidlに注文し、無事届きました。

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見開きの右ページは、火事の被害にあった額装標本が次から次に。標本として息を引き取った生物が火事により再び息を引き取ったその姿が、皮肉にもこれほどまでに美しいとは。これをそのまま額装したい。

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見開きの左ページは最初から最後まで文字がびっしり。これはAで始まる鱗翅類の名称で、その数は33,000。それらのデータは「Catalog of Life」から引っ張ってきたもの。

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布張りの装丁はウェブで見る小豆色に近い印象を裏切り、より赤みがかったもの。これならばと赤い本シリーズの仲間入り。

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望外の喜びは、同梱されていたSteildlの2009/10の出版カタログ。『Touched by Fire』よりも一回り大きいサイズで。これがそのまま写真集と言ってもよい造本。刊行される本もまた、木箱や布袋などを使った凝ったものが多く。価格がほぼ同じだからとamazon.comで買わなくて良かった。出版社から直接購入する行為を忘れちゃいけない。

10
11月

神楽とはだか

先週,田舎に帰省。
その折,必ずのように足を運ぶ「石田珈琲店 喫茶室」にて,MICABOX・三上敏視さんの来秋と全国のお神楽映像を紹介する「お神楽VJナイト」の開催を知る。東京で足を運ぶことが出来なかったので,こんな機会は無いと即座に申し込み。
スタートから少し遅れて入場したものの,それでも3時間以上。三上さんの解説で日本各地,それぞれに特徴のある舞を次から次に堪能。今の関心から,お囃子にも耳が行く。吹いてみたいもの色々。
質問タイムでは,神楽に登場する山の神とオコゼの関係について訊ねてみたり。女性神のみに非ずなので,オコゼの存在意義も絶対ではないのか。逆にオコゼが登場するお神楽があるのかどうか知りたくなった。
三上さんのはてなダイアリー(会場風景に髪だけが写ってた)でも,当日の様子が綴られています。
帰り際,初めてお逢いした店長さんとも軽くお話。三上さんを知るきっかけとして,細野さんとの環太平洋モンゴロイドユニットに始まり、寒空はだかさんの「カラフルロスタイムショー」などと口走ったところで,「え?,はだかさん?」の声。まさか田舎ではだかさんトークが出来ようとは。珈琲店スタッフの方も加わり,嬉しい出会い。ここでライブ見たいなぁ。
そういえば,はだかさんのDMでナマハゲの切手を見たことがある。あれ,消印も現地だったかどうか?。

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23
10月

書店に通うということ

何事も頼りすぎてはいけない。
日々お世話になっているRSSリーダーが,たけうま書房さんの更新を取得出来ていなかったようで,春の一箱での出品について褒められていたことを更新から10日も経ってから知る体たらく。大変に失礼いたしました…。ちなみに箱の内容はこれこれのような感じでございます。
さて。
今夜はショップインショップの形態で丸善丸の内本店4階に誕生した,松岡正剛さんプロデュースの書店「松丸本舗」のプレオープンへ。
確固たる目利きの存在,実体としての本の力,これからの書店ビジネス…。その圧倒的な存在感だけではなく,見る人の立場によって様々な想いを巡らせるという意味でも素晴らしいもの。個人的にも考えたいことが色々あります。が,一介の本好きとしてはもっとシンプルに。久しぶりに日参したい書店が出来たこと,そしてそれが自分の生活圏内にある喜びを強く噛みしめたい。
その昔,高校生だった頃。放課後に必ず寄る書店があって。それはまだ本を自由に買えなかったために,日々通っては次々読み切ってやろうという目論見があった一方で,とにかくその書店の棚の並びが好きだったという理由も多分にあったはず。なぜこの本とこの本が隣同士で並んでいるのか?,この偏ったセレクションは誰の仕業?。など,一冊一冊の本の中身だけではなく,それぞれの関連性で本を考えるきっかけであり,また棚を作る人の存在を意識する始まりがここに。実際,読むだけなら学校でも市や県の図書館でも良かったはずだし。
年齢を重ねるにつれそんな想いも薄まったのか,また金銭よりも地理的・時間的制約を言い訳とするようになったからか,はたまたネットに頼りすぎなのか。とにかく毎日足を運ぶ書店が無くなったし,またそれで困りもしなかった(唯一,八重洲ブックセンターの恵比寿三越店だけは常に気になる存在だったが,棚の規模が小さく,また毎日通うには遠すぎた)。
しかし,これからはそれが目の前にある。こんな幸せが他にあるでしょうか。

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12
10月

遅ればせながら

遅ればせながら,10日の「秋も一箱古本市」。
地元不動産屋での茶飲み話が盛り上がり,最初の会場「宗善寺」に着いたのは12:30も過ぎた頃。おかげで雨は避けられたけど,出店者の方々は大変だったご様子。
今回の主たる目的は「セカイカメラ」による箱撮影。
この「セカイカメラ」というサービス(敢えてアプリじゃなくてね)の良さは,場の記憶がネットではなくその現地に残されるところではないかと。バーチャルとリアルの間とでも言うか,ある場所で起きた過去の出来事を遠く離れたモニタ上ではなく,その場に行って初めて知ることが出来るという感覚が面白い。
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それでもパブリックなものではあるので,実際の撮影については知り合いの方々を中心にお願いして実施。新たに会場となった大圓寺を除いた(すっかり忘れてた)各会場に,店主さんの箱を撮影した画像が数にして15弱ほど浮かんでいます(上の画像はC.A.G + Neglaでセカイカメラを立ち上げた際のスクリーンキャプチャ)。それぞれをクリックするとオリジナルサイズの画像と共にテキストで「秋も一箱09:○○」(○○は,それぞれのお店屋号)というコメントも表示されますので,どの箱がどの出店者かはもちろん,今後同じ会場で一箱古本市が開かれ同じようにセカイカメラで撮影しても,2009年秋のものとわかるようになっています。iPhoneユーザーの方は谷根千散歩の折に覗いてみてください。もしくはセカイカメラで巡る一箱古本市ツアーなんかも面白いかもね。皆がiPhoneの画面を覗きながらゾロゾロ歩いては,「おぉ,この年はこんな箱だったのか」なんて言うの。怪しさ満点。
各会場を廻る道すがらはTwitterを覗く。いろんな方がこの古本市について呟いていて楽しい反面,ハッシュタグが活かされていないために散漫な印象は拭えず。情報は集約されてこそ輝くところもあり,イベント終了後に振り返る際には非常にもったいないこと。って,ハッシュタグの利用を強くプッシュしない自分もダメなんだけどね。一応,#akimohitohako09で見られますのでどうぞ。来年の一箱では,このハッシュタグを使ってねと事務局が宣言しておいてもいいかも。
本の購入は6冊ばかり。中でも「やまがら姉弟文庫」で入手した『The Christopher Robin Story Book』がお気に入り。探していた全面赤い本。新たに赤い棚へ仲間入り。

5
10月

聴けば遠く

先週水曜から欲しい本が一冊あった。
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恩蔵茂『FM雑誌と僕らの80年代–『FMステーション』青春記』
『FMステーション』と言えば,まさに音楽原体験。中学生時分に欠かさず買っていた雑誌であり,これでエアチェックの情報を得,付録のカセットレーベルにレタリングもしたもの。もちろん,鈴木英人のイラストも忘れられない。しかし,思い入れがあるだけに一度は手に取ってその内容はもちろん,本の体裁も確かめてみたいと,ネットでの注文をせずに書店で探すことにする。
「在庫がございません」という返答をもらうこと五度六度。仕事終わりが22時頃になると,大きな書店に足を運ぶことが出来ない。その時間までに足を運べるとなると,昼休みに行ける範囲にある地元に根ざした比較的小規模な書店,または家路の途中に寄れるJR駅構内の書店くらい。その何処でもことごとく手にすることが出来ず。実物を確かめてからという想いがあったからこそ,手間と時間をかける気持ちも持続したものの,すぐにでも欲しいとなれば,そりゃAmazonで注文しちゃうよと思った数日間。
結局,休日の銀座で訊ねると,あっさりと在庫有りの言葉。その手触りと内容を確認した上で購入。帰りの電車の中で待ちきれずに読む,その時のBGMはBrian EnoのiPhoneアプリ『Trope』。
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これまでのようにミュージシャンの手によって完成品としてリリースされた楽曲ではなく,その場でリアルタイムに自動生成される音楽(自分で奏でることも可能)。80年代というエアチェックの時代を綴った本を今という時代に読みながら聴くには,ある意味,最も適した音楽なのかもしれない。ちなみに前作アプリ『Bloom』が点描だとすると今回の『Trope』は線描の音楽。個人的にはこちらが好み。