Archive for the ‘Travel’ Category

24
8月

A Flash of a Genius

   Posted by: fumi

朝飯後のBryant Parkでのネットが定番化。電波の強いポイントもわかってきたし,また昼の暑さが嘘のような涼しい空気も心地良し。
とは言え,やはり繋がったり切れたりを繰り返すことしばしば。メールチェックや個々のウェブを見るくらいなら許容範囲だけど,画像のアップロードやファイルのダウンロードは見事に途中失敗の連続。画像は別に今じゃなくてもいいんだけど,メモリが一杯になって追加撮影不可になった第二デジカメからデータを吸い出すためのドライバ(出発前にインストールし忘れ)を落とすのだけは緊急事項。
今一度,宿のビジネスセンターからNYCwirelessを覗いて他の無料無線LANポイントを探索。他の用事を済ます傍ら,その近隣でポイントがあったら接続を試みようという腹積もり。コンピュータをズタ袋に入れて出発。
まずは幾つかの蚤の市を廻りながら,Madison Square Park,Union Squareでダウジング。しかし全く反応せず…。さっさとあきらめて次なる目的地,向こうの世界では広く名の知れたOpen Centerへ。用事が済んで次はどうしようかと地図を広げたら,実はここから先に訪れたApple Store SoHoが近いことに気付く。そう言えば画像のダウンロードにはiPhotoも使うなとこじつけて,こうなりゃスペシャリストが集うGenius Barでアクセスポイントを訊いてしまえと考える。
2階に上がって一人の天才にお伺い。すると,「ここはアップルストアだぜ。ネットはここにあるじゃないか」と嬉しい返事。早速,店内の無線LANにマイコンピュータを潜り込ませる。しかし電波が弱すぎてBryant Park同様に切れ気味。ではと天才,イーサケーブルを持ってきて有線接続に切り替え。すると今度はIPすら取得できずまったくダメ。ちょっと焦り始める天才。しかしこれではその名が廃るとばかりに,指を鳴らしてイーサケーブルを別のものに取り換える。結果,見事成功。ありがとう,天才。

23
8月

It’s in her hands

   Posted by: fumi Tags: ,

いよいよこの旅のメインイベント,björk & Sigur Rósのライブへ。

Wラインに乗って終点のコニーアイランドまで。会場は,ジェットコースター「サイクロン」でお馴染みの有名遊園地,の隣にあるKeyspan Parkという野球場(マイナー球団,Brooklyn Cyclonesの本拠地)。バックスクリーン前にステージが据えられ,客席はオールスタンディングの外野グラウンドとシートのスタンドという会場構成。振幅ありすぎてまったく読めない客層がおもしろすぎ。

20:00,オープニングアクト(すみません,名前忘れました)に続いてSigur Rós登場。バックにはストリングス隊も健在。1曲目,4月の国際フォーラムでのライブ同様に『Untitled #1(a.k.a Vaka)』が来ると思いきや,全く耳慣れない曲(新曲?)。たゆたう心構えでいたところにくらわされた高速ドラムの旋律に面食らい。

その後はいずれも既曲。『Mílanó』『Gong』『Olsen Olsen』『Hafssól』『Vidar Vel Til Loftárása』『Untitled #8』,そして最後に『Smáskífa』。途中もう1曲はあったと思うので,全部で8~9曲,約1時間のライブ。相変わらず,途中で涙腺緩むことしばしば。それを堪えようとして上を向くとそこに星空。更に緩むの繰り返し。ただ野外ということで客席側の集中度が足りなかったのがマイナスポイント。くっちゃべりは当たり前,曲終わり,静かにフェードアウトしていく時に会場内を練り歩く売り子の「Beer! Beer!」が響いた時には失笑が起きるし…。

21:20頃,姐さん,ついに登場。バックにはVespertineツアー同様にMatmos,Zeena Parkins,そして新たにストリングスが6人程。

『Hunter』で始まって,3曲目か4曲目の『joga』でステージ上,火柱が20本程上がる。更にはステージ遙か後方,海側からレイキャヴィクの年越しかと思うくらいに花火がドカンドカン上がりまくり。最初にこのライブが行われると知った時,会場はてっきりマンハッタンのどこかの公園だと思っていて,まさかこんな遠くでやるもんだとは思わなかったんだけど,この花火を見て納得。現時点での正確な規制は知らないけれど,やっぱりこれだけの花火をマンハッタンで上げるのには問題あるんだろうなと…。

途中,何の曲かは忘れたけれど,スタンドからステージに向かってシャボン玉が宙を飛ぶ。

ラスト2曲(『It’s in Our Hands』ともうひとつ(おかしくなってて忘れた))は上げ上げ。これでもかとばかりに火柱と花火は上がり,シャボン玉は舞う。

自分のこのライブへの意気込みはSigur Rósがメインで,姐さんはそりゃ見たいに決まっているけれど,正直Vespertineツアーほどの期待はしていなかったという程度のもの。実際,序盤は相変わらずのキュートと言うよりはコミカルに近い立ち居振る舞いに微笑む余裕すら。しかし中盤からは生きとし生けるもの全てを憑依させてそこに立っているような圧倒的存在感にすっかり当てられっぱなし。

しかも横にはあの俗物極まりない(褒め言葉)遊園地。清濁・聖俗・グッドテイスト/バッドテイスト…。背反二項だけではないけれど,ここでライブが行われたことに何らかの意味をつい感じてしまうし,また全てを併せ呑むその度量。感服…。

23
8月

Wireless Wired

   Posted by: fumi

7時,食堂の扉が開いたと同時に朝飯。
ちゃっちゃと食ったらコンピュータを持って,歩いて2分のBryant Parkへ。
この公園が宿から一番近い公共の無料無線LANスポット。早速,コンピュータを立ち上げて電波受信開始。しかしそれなりに広いので,やはり場所によって感度にかなりの違いあり。そこで駅弁売りのようにマシンを抱えて公園内を一回り。電波は地上だけど,気分は地面に埋めた金属をダウジングで探すジャイアン。

数分後,とりあえずこの辺だろうという所に腰を落ち着かせてブラウザを立ち上げる。すると,自動的にこの公園のサイトに繋がって認証画面へ。そこでアクセプトボタンを押せば,晴れてネットの世界へ。

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22
8月

Gotham City

   Posted by: fumi

朝飯を食ったら早速出発,南へ南へと,どんどん下がる。

道中,前回来た時のことを色々思い出す景色に出会いながら,Gershwin Hotel,H&M,Strand Bookstore(古本屋)などに寄り道。更に下がってようやく最初の目的地,Apple Store SoHoへ。

宿のビジネスセンターとは大違い(当たり前)。デフォルトで日本語表示・入力可能なOSX最高。あ,ここに来た目的はネットじゃないよ。今回持ってきたコンピュータは旧式故にバッテリは遙か昔に死亡。でもこの旅では宿での利用を想定していたので,ACアダプタさえあれば問題無しの予定だった。しかし,昨日の無線LANの一件をクリアするためには,どうしてもバッテリが必要。そしてNYでアップル製品と言えばやっぱりここで訊くのが一番だろう。

ということで,バッテリをスタッフに所望したところ,
「ここはアップルストア,しかも最も位置付けの高いSoHoのショップよ,最新型のモノしか置いていないに決まってるじゃない。あんたが欲しがってる旧型のパーツなんて扱ってないから,よそのショップで買ってよ。はい,これが店の名前と住所。」(前半超訳。若干卑屈混入)
とのお言葉。

暑くなってきたので,地下鉄でそのショップ,Tekserveのある23th Streetまで上がる。ショップは駅からすぐのところ。役所や病院の受付のような整理券形式で,自分の番が来たらカウンターの中の店員にあれこれ説明して所望するモノを得るの販売方法。そんなこんなで無事バッテリ購入。高いけど仕方なし。

ちょっと疲れたので宿に一度戻ろうと地下鉄に乗車。ロックフェラーで降りてそこから宿に向かってふらふら歩いていたら,到着目前で古本屋を発見。名前はGotham Book Mart。しかもショーウィンドウを覗いたら,エドワード・ゴーリーのエキシビジョン開催中の貼り紙。もちろん入店。っつーか,何この店?。ゴーリーの著作はもちろん,それに加えてグッズの品揃えが半端じゃなし。しかもその他の棚も文学・哲学・詩・映画・音楽…,これでもかの景色。

宿に戻って休憩の後,アッパーウエストサイドへ上がって,Nicholas Roerich Museumへ。
セントラルパークの北辺を西から東になぞって,The New York Academy of Medicineへ。物の本によると,「ハンセン病患者の鳴子」だの「世界最初のペニシリン菌の丸薬」だの「瀉血処理用吸角」だの,そりゃもう素敵な医療器具の数々が収められているとか。

さぁいざ行かんと,入り口に立つオッサンに「展示を見に来た」と言うと,「ここは博物館じゃない」と冷たい一蹴の言葉。そこでいやあるだろと詰め寄ったら,あぁと言って1枚のA4紙切れを手渡される。見るとそこにはなめた一文。
「ここは6/9にエアコンが壊れて一時的に閉じました。エアコンが直って涼しくなった博物館であなたに逢えるのを楽しみにしてるわ!。」

2ヶ月経っても直りませんか,そうですか。

21
8月

No New York

   Posted by: fumi

12時間,ブロイラーのように詰め込まれて(旅行代理店の担当者め,「窓際で予約しておきましたから」と言ってたので安心してたのに,いざ乗ってみたら中央5列のしかもど真ん中じゃねぇかよ。もうお前には頼らん)空港に降り立ち,更にそこからバスに小一時間揺られてようやく8年ぶりの街の中へ。

宿に到着して,早速無線LANチェック。この宿を選んだ最大の理由がこれ。サイトに全室から無料でWi-Fi(802.11b)が利用出来ると書いていたから。しかしコンピュータを立ち上げてもアンテナに一切反応無し,Hot Spotが全然見つからない。旅の疲れも相まって正直,グッタリ…。フロントに乗り込んでかけ合う気力すら無し。とりあえず一眠りして落ち着くことに。

21時頃,のそのそと起き出してフロントへ。しかし結果は更にグッタリしただけ。やれ無線LANだったらテレビ経由で出来るからそれを使えだの(んなこたぁ,部屋に入った瞬間に知ってんだよ。確かにWebTVみたいなシステムがあって(ワイヤレスキーボードもあり),1日$10でネットが使える。でもメール利用不可だし日本語も多分通らない),無料でネットがしたいんだったら地下にビジネスセンター(とは名ばかりの,3畳ほどの部屋にPCとプリンタが各1台置かれただけのもの。日本語指定のサイトは文字化けどころか表示されもしないし,更にプリンタは故障中)があるからそれを使えだの,しまいには俺には分からない,またその辺の技術スタッフも今はいない,明日の朝にはその技術スタッフが来るからそいつに訊いてくれと,明らかに話を収束させようとしている雰囲気充満。

そんな言葉を聞いているうちに,フロントそっちのけで「俺の中で俺と俺とが闘う」(by CKB『タイガー&ドラゴン』)気持ちに。「話の分からない奴と思う存分闘えるチャンスだろ」という俺と,「そんなのに関わっている時間が無駄,だったら自分で他の道を探したほうがいい」という俺。結局,後者の言葉を聞いて引き上げ。俺に切羽詰まった危機感の表現が足りなかったと思うことにした…。

深夜,再びのっそりと起き出して地下のビジネスセンターへ。色々調べていたら,この街には無料で使える公共の無線LANポイントが多いことを知る。それらをまとめたサイト,NYCwirelessで近場のポイントをメモ。

17
8月

Ghost Dance

   Posted by: fumi

西馬音内盆踊り鑑賞。
でもまずは自省。「西馬内」だと思っていたこの地名,実は「西馬音内」でした…(っつーか,何年「道の奥」に住んでいたんだよ,自分。それぐらいちゃんと知っとけ)。
で,実際の踊り。幼少時に親に連れられて見た時は,何が何だかわからずただ飽きていたことしか覚えていないんだけど,これはやはりそれなりに歳を重ねていないとわからない世界であることを実感。まずは踊り手の所作。風雅な端縫い衣装に包まれた姿全体が流れるような動きを見せ,その中で指先を揃え反らせた手,やや外回りの足の運びなど,各部位の先に行き届いた細やかさに魅了される。
しかし何よりも眩惑させられるのは,隠されたことで強調されるその色気。踊り手の表情は頭巾,または編み笠で覆われていて見ることは出来ず。しかし踊りの所作の中でたまにちらと窺い知れる各部位に息を呑むことしきり。口の端,顎のライン,うなじ,様々なかんざしを用いて上げられた髪,汗で濡れた後れ毛…。踊り終盤には,もう全ての踊り手が藤あや子に見えて仕方なし。
更には踊りの後ろに流れるお囃子,特に歌詩のシステムがまた見事。歌詩の基本構成,そしてメロディは同じなんだけど,19:30~23:00(最終日は23:30)の開演時間の中で,夜が更けるに連れ歌詩の一部が徐々に田舎のエロ(笑えるのが良し)丸出しのものに変化。最終盤はそりゃもう大騒ぎ。子供の歌がそのまま大人の歌になるその合理性と開放感,さすがは夜這い物語盛んなお国柄。全歌詩が収められた小冊子を購入し忘れたことが悔やまれる…。
撮った写真はつらつらと別サイトにアップ。