デロールは海を超え
今年はヨンシーで始まり、ヨンシーで終わりそう。
3月にステージセットがデロールをモチーフにしていることを知ったのが全て。あの時点で来日予定はなく、ならばいっそパリでライブを見ればデロールにも行けるだろうと思い、6月に実行。
そして12月、日本で単独ライブを堪能。
名古屋で行われたそれは小さな会場向けの仕様で、図らずもパリとあわせて2種類のセットを見ることが出来た。
残るは29日のレイキャビク。
行けるものなら行きたいよね。
最後にして最大のGo Do
満月の日に、ムーンライダーズの無期限活動休止発表。
地平線の下に沈んで見えなくなるのではなく、見えないけれど空に浮かび続けている。
毎日が沈まぬ新月になるだけのこと。
何処にいるかと、これからも空を見上げ続けることでしょう。
今年はヨンシーで始まり、ヨンシーで終わりそう。
3月にステージセットがデロールをモチーフにしていることを知ったのが全て。あの時点で来日予定はなく、ならばいっそパリでライブを見ればデロールにも行けるだろうと思い、6月に実行。
そして12月、日本で単独ライブを堪能。
名古屋で行われたそれは小さな会場向けの仕様で、図らずもパリとあわせて2種類のセットを見ることが出来た。
残るは29日のレイキャビク。
行けるものなら行きたいよね。
最後にして最大のGo Do
Sigur Rósのフロントマン、jónsi(ヨンシー)がソロアルバム『Go』を持ってワールドツアー中。
そのステージプランが、あのパリの博物商、デロールの火事をモチーフにしていると知ったのは3月上旬、YouTubeにアップされた制作会社59 Productionsのインタビューにて。別々の経緯で愛するようになった二つの事象が交わった瞬間の興奮。一方でそれはまた、デロールが燃えなければ交わらなかったかもしれないということでもあり。此の世の不思議。
YouTube: Jónsi live show by 59 Productions
しかし、その後に発表された来日スケジュールは真夏のサマソニ。いいんです、いいんですけど、あまりにも未知数なんです。フェスという空間、万単位の観客、そして何よりも肝心なのは単独ライブではない故のセットの再現性。どうするどうなる。
持つべき者は背中を押してくれる友人。楽しそうだと思ったら、そのまま行動に移しちゃえよ。
そう言えば、アルバム1曲目は『Go Do』
日本的感覚で言えば「迷わず行けよ。行けばわかるさ」もしくは「やるなら今しかねぇ」か。
デロールで鳥の羽を買おう。
それを身につけて会いに行こう。
先週は浅草で初めての鶴瓶落語。日替わりゲストとの交流を表すオープニングの映像は,かつて深夜に放送された『真夜中はピクニック』から。調べると,同番組の演出家が今回の演出を担当。あれは本当に良い番組で,今でも頻繁に見返すほど。
番組もそうだったけれど,つくづく落語は人なんだ。教えを乞う側・授ける側,舞台を欲する側・提供する側。その関係性が微笑ましく,また羨ましく。何百年とこうしてずっと繋がってきた芸を今,この時に見ているんだと感じた2時間半。来年に続くセカンドシーズンは,共に高座に上がる落語家の出身地で開催するという仕掛け。行きたいのはやっぱり新潟だなぁ。
昼休みは食欲よりも睡眠欲。外界からの雑音を遮断するためにヘッドホンで聴くのは,Anonymous 4『The Lily & The Lamb』かBrian Eno『Ambient 1 Music for Airports』。そこに最近,新たに加わったのがSt. GigaのCDシリーズ。日本を中心に世界各地の自然音を収めたもの。川を流れ,海を漂い,鳥や虫の声を耳にしながら,沈むでもなく浮かぶでもなく。ただ,そこにいる心地良さ。ラジオ局としての放送を聴く機会には恵まれなかったけれど,今こうして出会う嬉しさよ。
同じく耳にしたことのなかったステーション・コールも,探せば出てくる素敵な世の中。
降りかかる日々の由無し事をこなしもせずに払い続けた一ヶ月。それも,全て今日からの三日間のため。笛を吹きながら高円寺の街を南へ北へ。
人前で演奏するのも高校生以来のこと。稽古は稽古,本番は本番。さてどうなることやら,我ながら楽しみ。
追われる時と迫り来る時に挟まれているうちに,アポロの40年もRiceboy Sleepsの発売日もすっかり忘れていた。前者はgoogleのロゴで思い出す始末だし,後者に至ってはアーティストネームの変更にも気がつかず。検索しても出てこないわけだ。
いっそiTunes Storeで買ってしまおうかと思ったが,戯れにオフィシャルサイトを覗くとSpecial Edition Boxの在庫有り。しかも音源はメインアルバム・ボーナスアルバム共にダウンロードで即時入手可ということで,こちらに決定。現物は忘れた頃にやってくるお楽しみ。
はや晩秋の心持ち。日が短く夜が長くなっていく何処か寂しい季節のなかで,ふいに訪れた暖かい一日を過ごすかのよう。iTunes Storeで購入していたら聴くことのなかったボーナスアルバム『All Animals』は,更に季節が移ろいだ頃か。陽射しの下,肌に感じる冬の気配。
やっぱり,氷の国の音楽。
差すか差さずかの霧雨に濡れながら,久しぶりに観音様の裏っ手へ。
浅草見番「雲助蔵出し ふたたび」
今年初めての雲助師匠は,根多出しの「九州吹き戻し」に誘われて。主人公・喜之助の生き様,そして遠眼鏡を用いた船上からの風景描写に突然RPG的なものを感じる。『DQ』の「あそびにん」,そして『FF』『DQ』で初めて船を手に入れた時のような。何だか不思議。二席目の「居残り佐平次」終演後,予定には無かった「新版 三十石」を。広沢虎造の向こうを張って熱演する赤沢熊造先生。佐平次からのギャップもあり,笑いすぎて腹痛ぇ…。
浅草から銀座線で移動し,上野広小路。
落語協会二階「小ゑん・喜多八試作品」。
振り返ると10ヶ月ぶり。ご無沙汰しておりました。音源でしか知らなかった喜多八師匠の「仏の遊び」を初めて眼前で。遊び人の阿弥陀様がステキ。夏至の日に聞く「船徳」もまた。夏が来ますね。
霧雨は一日中止まず。
天候から来る体調の下り坂を落語で抑えたような一日。
旅もまだ前半の先週,普段から拝読している博物系ブロガーが,この街でイベントを開催することを知る。と言うとさもだけど,実はこの街の人だったこと自体,知らなかったのよね。こんな偶然はないと,地下鉄に乗って川の向こうのギャラリーを訪れた。
出迎えてくれたのは女性。そうだったんだ,そう言えば性別も気にしていなかったよ。図書館をテーマとしているだけに,会場一角の書棚にその手の書籍が隙間無く。未知の本を次から次に紹介してもらい,メモと写真を取る(撮る)のに嬉しい悲鳴。
一方で書棚から周囲に目を転じると,その既視感たるや。デロールのノート,ヨゼフィヌムの女性蝋標本ピンナップ,プロテウスのDVD,ウチにある物とそっくり同じ物が並んでいるのを見つけると,つい顔がにやけて口に出さずにはいられなく。それでも,こういう時に共通言語があると話は広がりやすい。それぞれから話題は更に転じ,気がつけば長居を決め込んでしまった。
会場にはその他の名だたる博物系ブロガーの姿も。もちろん面識があった訳ではなく,彼女に紹介されて知る驚き。「今回の旅行はこの街だけ?」と訊かれ,いや,ちょっとだけ時間があるからフィラデルフィアに行きたいと答えると,間髪入れずに「ムターだね」。話の通りが良いって素晴らしい。せっかくだからと,この街の博物館やその手のショップなどについても情報を頂戴。
フィラデルフィアから戻っての今週半ば,その教えてもらったなかのひとつである博物系のアンティークショップへ。剥製や実験器具などの純粋博物系に混じって,家具や衣類・古写真など古物・骨董的なものまで種々雑多。紹介があると話は早い。店主としばしの立ち話。一通り,お互いの趣味嗜好について会話も弾んだところで「この街以外で何処か他に行ったところはある?」との問い。一言「フィラデルフィア」と答えて次の口を開こうとすると,それに先んじてこちらの胸を指差しながら「ムター!」。
楽しいなぁ。
降って湧いた米国訪問を前に,足を運びたい博物館を考えた。真っ先に浮かんだのはJurassic Technologyだけれども,自分でキーワードにしたくらいだから,今回の訪問地からは明らかに遠すぎると早々に断念。それならばMütter Museumはどうだろうと,RumeさんのKWを再確認させてもらう。へぇ,フィラデルフィアだったのかと,耳馴染みだけはあってもアメリカの何処に位置するのかは知らない住所をgoogleマップで打ち込む。あ,東海岸か,それなら滞在地からも近そう,ちょっと乗り換え案内でもしてみるか,電車で日帰り可能だよ!。
という,長い前置きの末に来てしまいました。
蝋標本のJosephinumと医療器具のNarrenturmを足して2で割り,そこに人体標本を大量に加えたと言えばわかりやすいか。って,誰にとってわかりやすいのかわからないけど。
他に何があるかと言われると困るけど,それでも「人体の保存には2種類しかない,ドライかウェットかだ」と言い切るだけに,その数たるや夥しく。なかでも双生児のウェットが数多く,これにはさすがに沈痛な想いが浮かぶ。と同時に,『AKIRA』の鉄夫が想起されたりもするから,人間ってやつは厄介なもので。その中に混じって一匹の子豚が眠っている姿には可愛らしさも覚えたりで,更に厄介。あの子豚以外,動物はいなかったような。なんであそこにあるんだろ?。一方のドライはちょっと色が濃いくらいで,あとは蝋標本と見紛うばかり。と,これまたどっちが先かを考えると不思議。
新しい発見は人皮で装丁された本。綺麗な鼈甲色に染まっていた”ひらの出”がそれ。調べるとWikipediaにも記載があり,また藤田嗣治も所蔵していたとか。
ウェブで確認はしていたものの,ミュージアムショップはちょっと拍子抜け。$3に値下げされていたカレンダーも心に響かず。中を確認した書籍については,旅の荷物を増やしたくないのでアマゾンで購入ということで(って,アマゾン,既に2010年のカレンダー予約受付中だし!)。他方,その奥のスペースで静かに開かれてた「Extraordinary Bodies」と題された写真展が素晴らしく。複数の写真家による博物館の所蔵品を様々に捉えた数々。有名なところではWitkinやHellwegなど。ここからカレンダーが作られているのかと推察。
2時間を越える時を過ごし,すっかり堪能。でもなぁ,$14の入館料はちょっと取りすぎかも。1995年の『別冊宝島』に掲載された山形浩生さんの文章によると,破格の$2。色々あるんでしょうね。これからも応援いたしております。