博物の金沢:はじまり
3/14に開通なった北陸新幹線。そのなかでもメディアでの扱いが多いのは、やはり金沢。個人的にも、ここ5年ほど年に一度は訪れている町です。
最初は単なる観光旅行。茶屋街に21世紀美術館、日本海の幸と、通り一遍の町巡り。しかし何処の町でもそうですが、足を運ぶとなれば当初の目的だけではなく、他にも色々と眼にしたいもの。そうやって探しているうちに出会ったのが、博物的と呼びたくなる美術品の数々。ニワトリが先か卵が先かのごとく、金沢という土地柄が先か私の趣味嗜好が先か、そのどちらが先かはわかりませんが、気がつけば心惹かれる作品に出会う町となっています。
その最初のきっかけとなったのは、彫刻家の橋本雅也さん。
2011年3月に大阪・主水書房で開かれた初個展「殻のない種」で魅了され、その後、作品の発表や展覧会の情報を追うようになりました。
すると、2012年4月に金沢市のお寺、廣誓寺で展覧会が開かれることを知り、それを見るために金沢へ。その後も2013年8月、金沢21世紀美術館での 「第2回金沢・世界工芸トリエンナーレ」に参加、そして昨年2014年5月~8月には、同美術館で展覧会「間なるもの」を開催。その都度、作品を拝見するために毎年金沢へと足を運ぶこととなりました。
以前は水牛の角で作品を作られていましたが、「殻のない種」からの橋本さんの作品の主な素材は、鹿の角と骨。猟師に同行して出会った一頭の鹿、その骨から生み出された花々。その裏表の死と美から目を離すことが出来ず、ただ息をのみ対峙するばかりです。
作品の画像は先の「間なるもの」のサイト(ここにある水仙が最初の出逢いでした)などにありますが、ここでは昨年末、London Gallery 白金で開かれた個展「一草一木」を拝見した時に撮影したものを。
話が長くなってしまいました。橋本雅也さんの作品に逢うために訪れた金沢で、新たに出会った博物的なる美術品の紹介は次回に。