博物のパリ
蒐集の道は日々の積み重ね。「博物蒐集家の応接間」に足を運んだことで、怠惰が過ぎたこのブログも少しは息を吹き替えそうという想いが湧きました。
とはいえ、長らくエンジンに火が入っていなかったので、まずは暖機運転。過去の整理で筆慣らし。
「博物蒐集家の応接間」会場にて、パリを訪れる方との会話があったことを想い出しましたので、過去に私が訪れたことのある博物にまつわる場所を撮影した写真と共にまとめてみようかと。
・Les Catacombes de Paris(カタコンブ)
パリ市内、ダンフェール=ロシュロー広場の南に広がる地下納骨堂。地上からの深さ20m、全長は約2km。納められている遺骨は600万とも700万体とも言われています。チェコのコストニツェまでの装飾性はなく、どちらかと言えば淡々と積まれた人骨の中を1時間弱の旅。それだけの時間を過ごすと、歩き終わり地上に出た時の此処は何時の何処だという所在の無い感覚が心地良くて忘れられません。
・Le musée de la Chasse et de la Nature(狩猟自然博物館)
1964年、ラグメーカーにして狩猟愛好家のフランソワ・ソメが開館した狩猟博物館。狩猟に使う武器・仕留められた動物の剥製・狩猟にまつわる絵画彫刻などの美術品、3つのテーマに分かれて展示されています。現代美術との親和性も強く、2008年のデロールの火事で焼け出された剥製・標本を使用した美術品の展示・オークションは此処で行われました。
・Le musée Fragonard d’Alfort(フラゴナール博物館)
動物標本と人体標本で知られる博物館。なかでも解剖学者Honoré Fragonard(オノーレ・フラゴナール)の手による、皮膚が剥がされ筋肉や血管が露わとなった人体標本の数々は、目を逸らしたくなるも目を見張らざるをえず。
・Le Cabinet de Curiosités de Joseph Bonnier de La Mosson
Grande Galerie de l’évolution(進化の大ギャラリー)で知られる国立自然史博物館の一角、図書館内に並ぶ驚異の棚。18世紀の貴族、ジョセフ・ボニエの収集物で、今日よく知られる驚異の棚の典型としての見応えあり。図書館自体は近代的なため、その差異もある意味で見どころ。
・Musée d’Histoire de la Médecine(医療歴史博物館)
パリ第5大学内にある医療系博物館。吹き抜け2層の空間で、施術用器具を中心に義手・義眼などの人体系も並ぶ。日本から持ち込まれた人体経絡模型も。画像はオブジェだったか杖の頭だったか記憶が定かではないが、メメント・モリが強く印象に残ったもの。
ここからはショップ。
言わずと知れたの感ある博物商。とにかく、行けばわかります。
同じく博物商。サンジェルマン大通りに面したガラス張りの外観ということもあり、デロールに比べれば気軽に訪れることが出来ます。
・La Librairie Alain Brieux(リブラリエ・アラン・ブリウ)
医学・科学系の古書店であると共に、それらにまつわるオブジェや器具も扱う。今思うと、今回の「博物蒐集家の応接間」に最も近い雰囲気を持っているのではと。少し距離はありますが、デロール→リブラリエ・アラン・ブリウ→クロード・ナチュールと歩くのも楽し。
他にも、もちろん国立自然史博物館は外せないし、アンソリットなギャラリーも数々あります。私が次に訪れたいのはMusée des Arts Forains。英語にするとMuseum of Carnival Arts。日本語では縁日博物館や遊園地博物館などと訳されています。メリーゴーランドなどの乗り物や、球投げ・輪投げのようなゲームなど、移動遊園地のアトラクションを集めた展示施設。これからもまだまだ尽きぬパリです。