Archive for 2月, 2015

7
2月

デロールで働く

   Posted by: fumi    in 未分類

パリの話題が続きます。

日本時間で今日に日付が変わってすぐ、デロールがfacebookにショップスタッフの求人告知を掲載しました。

DEYROLLE RECRUTE !

残念ながらフランス語は全くの門外漢ですので、googleに依頼して英語に翻訳して読んでみました(ちなみに、直接フランス語から日本語への訳を選択してみたところ、表題が「DEYROLLE新兵!」に。伝わらないことはないですが、さすがにちょっと…)

月火木金土の週5日、39時間勤務。経験必須で、自然科学への興味と英語が話せると尚良し。更にブリコラージュが評価ポイントとして記されているのが、この手のショップらしいところでしょうか。

見慣れなかったのが「CDI」という単語。調べると、フランスの雇用形態に関する言葉で「無期限労働契約(Contrat de travail à Durée Indeterminée)」の意味。契約期間の制限が無く、雇用が保障された安定した職ということです。

応募期間に関する記述はなく、メールにて受け付けるのこと。

言うまでもなく私に資格はありません。腕に覚えのある方、いかがでしょうか?

 

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5
2月

博物のパリ

   Posted by: fumi    in Museum, Travel, Wunderkammer

蒐集の道は日々の積み重ね。「博物蒐集家の応接間」に足を運んだことで、怠惰が過ぎたこのブログも少しは息を吹き替えそうという想いが湧きました。

とはいえ、長らくエンジンに火が入っていなかったので、まずは暖機運転。過去の整理で筆慣らし。

「博物蒐集家の応接間」会場にて、パリを訪れる方との会話があったことを想い出しましたので、過去に私が訪れたことのある博物にまつわる場所を撮影した写真と共にまとめてみようかと。

 

Les Catacombes de Paris(カタコンブ)

パリ市内、ダンフェール=ロシュロー広場の南に広がる地下納骨堂。地上からの深さ20m、全長は約2km。納められている遺骨は600万とも700万体とも言われています。チェコのコストニツェまでの装飾性はなく、どちらかと言えば淡々と積まれた人骨の中を1時間弱の旅。それだけの時間を過ごすと、歩き終わり地上に出た時の此処は何時の何処だという所在の無い感覚が心地良くて忘れられません。

Les Catacombes de Paris

Les Catacombes de Paris

Le musée de la Chasse et de la Nature(狩猟自然博物館)

1964年、ラグメーカーにして狩猟愛好家のフランソワ・ソメが開館した狩猟博物館。狩猟に使う武器・仕留められた動物の剥製・狩猟にまつわる絵画彫刻などの美術品、3つのテーマに分かれて展示されています。現代美術との親和性も強く、2008年のデロールの火事で焼け出された剥製・標本を使用した美術品の展示・オークションは此処で行われました。

Le musée de la Chasse et de la Nature

Le musée de la Chasse et de la Nature

Le musée Fragonard d’Alfort(フラゴナール博物館)

動物標本と人体標本で知られる博物館。なかでも解剖学者Honoré Fragonard(オノーレ・フラゴナール)の手による、皮膚が剥がされ筋肉や血管が露わとなった人体標本の数々は、目を逸らしたくなるも目を見張らざるをえず。

Le musée Fragonard

Le musée Fragonard

Le Cabinet de Curiosités de Joseph Bonnier de La Mosson

Le Cabinet de Curiosités de Joseph Bonnier de La Mosson

Le Cabinet de Curiosités de Joseph Bonnier de La Mosson

Grande Galerie de l’évolution(進化の大ギャラリー)で知られる国立自然史博物館の一角、図書館内に並ぶ驚異の棚。18世紀の貴族、ジョセフ・ボニエの収集物で、今日よく知られる驚異の棚の典型としての見応えあり。図書館自体は近代的なため、その差異もある意味で見どころ。

 

Musée d’Histoire de la Médecine(医療歴史博物館)

パリ第5大学内にある医療系博物館。吹き抜け2層の空間で、施術用器具を中心に義手・義眼などの人体系も並ぶ。日本から持ち込まれた人体経絡模型も。画像はオブジェだったか杖の頭だったか記憶が定かではないが、メメント・モリが強く印象に残ったもの。

Musée d’Histoire de la Médecine

Musée d’Histoire de la Médecine

ここからはショップ。

Deyrolle(デロール)

言わずと知れたの感ある博物商。とにかく、行けばわかります。

Deyrolle

Deyrolle

Claude Nature(クロード・ナチュール)

同じく博物商。サンジェルマン大通りに面したガラス張りの外観ということもあり、デロールに比べれば気軽に訪れることが出来ます。

Claude Nature

Claude Nature

La Librairie Alain Brieux(リブラリエ・アラン・ブリウ)

医学・科学系の古書店であると共に、それらにまつわるオブジェや器具も扱う。今思うと、今回の「博物蒐集家の応接間」に最も近い雰囲気を持っているのではと。少し距離はありますが、デロール→リブラリエ・アラン・ブリウ→クロード・ナチュールと歩くのも楽し。

La Librairie Alain Brieux

La Librairie Alain Brieux

 

他にも、もちろん国立自然史博物館は外せないし、アンソリットなギャラリーも数々あります。私が次に訪れたいのはMusée des Arts Forains。英語にするとMuseum of Carnival Arts。日本語では縁日博物館や遊園地博物館などと訳されています。メリーゴーランドなどの乗り物や、球投げ・輪投げのようなゲームなど、移動遊園地のアトラクションを集めた展示施設。これからもまだまだ尽きぬパリです。

Musée des Arts Forains

 

 

1
2月

此処から其処へ

   Posted by: fumi    in Exhibition, Wunderkammer

1/31から名古屋市のantique Salonで開催されている「Salon d’histoire naturelle 博物蒐集家の応接間」その初日に足を運んできました。

Salon d’histoire naturelle 博物蒐集家の応接間

Salon d’histoire naturelle 博物蒐集家の応接間

Salon d’histoire naturelle 博物蒐集家の応接間

訪問のきっかけは、玉青さんのブログ「天文古玩」の記事。

天文古玩:博物サロン

イベント初日、1/31のレセプションに玉青さんがいらっしゃるとのこと。この機会を逃すとお逢いする機会は無いかもしれない。しかし、お逢いしたいと思うと同時に、遠くから見つめるままでいたいという気持ちも拭えない。それは、まるで月を想うようなもの。月は地球から見上げるものであって、行くところではない。

その逡巡の果てに辿り着いた名古屋は4年ぶり。前回はJónsiのライブを見に訪れており(余談ですが、この時の舞台美術は2008年のデロールの火事に着想を得ています)、その際にantique Salonへも伺っていたことを覚えています。

対面なった玉青さんは、その場にいらっしゃった方々のなか、この方であろうと思ったまさにその方でした。ただただ、感謝の言葉しかありません。ありがとうございます。

玉青さんだけでなく、他にも様々な方との出会いがありました。
まずはもちろん、主催のantique Salonをはじめとした出店されている皆さん方。唯一、足を運んだことのある京都のLagado研究所、いつかはと思いながら未だ叶わない神戸のLandschapboek、下北沢のpiika。失礼ながら存じ上げなかった小諸のメルキュール骨董店、オンラインショップのdubhe。天文・植物・鳥類・海洋生物・人体等々、それぞれのお店毎に特徴の出た素晴らしい眺めでした。更に私と同様に日本各地からこのイベントに足を運んだ初対面の方々、こちらが一方的に存じ上げていた方との再会もありました。

そのような素晴らしい空間に身を置きながら、他方では自らを振り返る時間も少なくありませんでした。店内に陳列された目を見張る品々を、此処という我が家に置くことよりも、今回のイベントのように其処に赴いて見るということ。此処よりも其処が好きな私は、きっと今回の応接間の主である博物蒐集家にはなれません。これまで同様、機会があれば国内外問わず、其処に足を運ぶことに楽しさを見出すのでしょう。

 

開催初日から一夜明けた今日2/1、2008年にデロールが火事で燃えた日というのも、何かの符号なのかもしれません。この「博物蒐集家の応接間」は、東京での開催も計画されているとのこと。デロールがあの日から生まれ変わったように、このイベントの次なる物語が始まることに期待しております。

符号といえば、帰りの新幹線乗車前に寄った名古屋市内の古書店の棚に、入手しなければと思いながら先延ばしにしていた西野嘉章『ミクロコスモグラフィア マーク・ダイオンの驚異の部屋講義録』を見つけました。いささか出来過ぎた話ではありますが、この旅の終わりに出会ったのも何かの始まりと思い、鞄に忍ばせて車上の人となり、そして此処に帰ってきました。

Salon d’histoire naturelle - Microcosmographia

Salon d’histoire naturelle – Microcosmographia