情報というやつは飛び込む時は飛び込むもので。
東京大学総合研究博物館・小石川分館でのヴンダーカンマーにまつわる展示に続いて、武蔵野美術大学でもこの6月から魅力的な展示が予定されています。
・武蔵野美術大学 美術館・図書館新棟落成記念 博物図譜とデジタルアーカイブ I
長文ですが、開催概要を引用してみます。
博物学の時代—ひとは世界をどのように見、記述して来たか
18世紀以降ヨーロッパを中心として、それまでの美術史には収まりきれない文脈の膨大な図像が制作されるようになります。それらは当時新しく登場した博物 学を中心とした動・植物図譜、航海記、地図、民俗学的図譜、解剖図譜などであり、多色銅版やリトグラフなど当時の最先端の印刷技術を駆使した書物として出版されました。武蔵野美術大学図書館では旧蔵の貴重書に荒俣宏氏旧蔵コレクション[*1]を加えることで、今日的な視点から18世紀以降の博物図譜を軸と する視覚資料を概観することが可能となりました。今回はそれらを公開するとともに、図版全ページを高解像度スキャニングしデジタルアーカイブ化を実施、本展のために開発したタッチパネル式高精細画像閲覧システムによって通常直接手に触れることができない資料を全ページ、細部にわたって閲覧できる環境を提供 します。また今後それをもとに恒常的に閲覧できるデータベースを構築することで、本学の研究基盤を成す図像学の観点から美術系・デ ザイン系の領域を超えた全学生にとって芸術的な視野を広げるだけでなく、新たな創作意欲や研究心の向上に資することを目指しています。また、新美術館・図書館に設置された造形研究センター[*2]を中心として、内外研究者のさらなる研究発展への貢献も期待できるでしょう。なお、本企画に関連した研究は今後も継続され、複数回の展覧会を通してその成果を公開する予定です。
[*1]荒俣宏氏旧蔵コレクション:当館はこれまで美術・デザイン資料の充実を目指して多数の博物図譜を収集してきました。それら体系的な構築強化のため に2006年度から2009年度にかけて文部科学省経常経費研究設備特別補助の採択を得たことにより荒俣宏氏旧蔵のコレクションを収蔵する事が可能となり ました。
[*2]造形研究センター:造形研究センターは「2009年度文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業プログラム」の選定採択を受けて全学的な研究 がスタートしました。新棟落成記念に併せて開催する本展は、美術館・図書館と造形研究センター近代デザイン研究プロジェクトチームの共催によって当館が所 蔵する貴重書コレクションのデジタル化を推進し、その研究成果を広く公開することを目的として企画されました。
寡聞にして「荒俣宏氏旧蔵コレクション」の存在を知りませんでした。何処かにその一覧は無いかと探したものの見つからず。しかし、図版全ページの高解像度スキャニング、そしてそれを閲覧するために開発されたタッチパネルシステムでもって体験出来るとは。「I」と銘打たれているのが気になり、サイトに掲示されている展覧会チラシ(余談ですが、展覧会に対してフライヤーと言うのは何処か気恥ずかしいんですよね)の画像を眺めると、第三期(2011年春)まで予定されています。これは中央線に乗る機会が増えそうです。
ところで、期せずしてここ最近、玉青さんがブログ「天文古玩」にて荒俣さん、そして博物図譜について多くのエントリーを書かれておられました。特に『世界大博物図鑑』と『ファンタスティックダズンシリーズ』が電子書籍化されているとは露知らず。ファイル形式が掴めないため二の足を踏んでおりますが、これらがiPadで読めるようならばグラっと行きかねず…近々、電子書籍時代の博物についても語ってみたいところです。
・天文古玩:アラマタ氏と驚異の部屋
・天文古玩:にわか博物学者、ふたたび
・天文古玩:にわか博物学者の気分で
・天文古玩:博物誌の博物誌、『世界大博物図鑑』
・天文古玩:ファンタスティックな残り香
パリ行きが決まりました。
2008年9月以来、2度目の訪問です。
ヨンシー(jonsi)のライブと、そのライブのステージプランに図らずも一役買ったデロール(Deyrolle)を一度に味わえるこの機会を逃すまじという、ただその想いから。
滞在期間は3日半。幸か不幸か土日を挟むということで、クリニャンクールとヴァンヴの蚤の市は避けて通れず。その間を縫うように、前回行きそびれたあれやこれやを中心に動き方を検討中です。現時点での懸念はカタコンベ。伝え聞くところによりますと浸水があったらしく、5/20から臨時閉鎖中。10日以内に再開してくれるのかどうか(そもそもなぜ前回に行かなかったのか、それ自体が不思議でもあるのですが)。
デロールは日参するのでしょうかね。
これまた幸か不幸か、近年稀にみるユーロ安。気をつけないと財布のひもが緩みそうで…
画像はエルメスとデロール、ダブルネームのスカーフ。
売上は2008年2月1日の火事に対する復興金として使われたそうです。
Tags: Deyrolle, Jónsi
とある理由から、東京大学総合研究博物館のサイトへ赴きましたところ、展示スケジュール更新のお知らせに遭遇。pdfを開くと、今までは掲載されていなかった新たな展覧会が小石川分館にて開かれることが分かりました。そのタイトルに一目惚れです。
「Wunderkammer: Neon Menagerie(仮称)」
Wikipediaで”Menagerie”という言葉を引きますと、近現代の動物園の先駆けとして使われたもの。後世には転じて、サーカスや移動遊園地などに立ち上がった見世物小屋的な意味合いとなったようです。
・Wikipedia: Menagerie
「Traveling Menageries」と題されたイギリス・シェフィールド大学のアーカイブでは、後者の意味合いがより強く出ています。
・The University of Sheffiled: Traveling Menageries
Sedgwick's Menagerie. c.1909. (via The University of Sheffiled: Traveling Menageries)
Day's Menagerie. Oxford St Giles Fair. 1895. (via The University of Sheffiled: Traveling Menageries)
会期は11月から12月にかけてと、まだ先の話ではありますが、今から楽しみでなりません。
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Sigur Rósのフロントマン、jónsi(ヨンシー)がソロアルバム『Go』を持ってワールドツアー中。
そのステージプランが、あのパリの博物商、デロールの火事をモチーフにしていると知ったのは3月上旬、YouTubeにアップされた制作会社59 Productionsのインタビューにて。別々の経緯で愛するようになった二つの事象が交わった瞬間の興奮。一方でそれはまた、デロールが燃えなければ交わらなかったかもしれないということでもあり。此の世の不思議。
YouTube: Jónsi live show by 59 Productions
しかし、その後に発表された来日スケジュールは真夏のサマソニ。いいんです、いいんですけど、あまりにも未知数なんです。フェスという空間、万単位の観客、そして何よりも肝心なのは単独ライブではない故のセットの再現性。どうするどうなる。
持つべき者は背中を押してくれる友人。楽しそうだと思ったら、そのまま行動に移しちゃえよ。
そう言えば、アルバム1曲目は『Go Do』
日本的感覚で言えば「迷わず行けよ。行けばわかるさ」もしくは「やるなら今しかねぇ」か。
デロールで鳥の羽を買おう。
それを身につけて会いに行こう。