Archive for the ‘Sigur Ros’ Category

7
3月

Jónsi meets Deyrolle

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好きな音楽、好きな本。好きな博物、好きな店。

人は皆、好きなことを同時に幾つも抱えながら生きているものです。その中には、好きな本に出てきた音楽なので聴いてみたらお気に入りになったという好きの連鎖もありますし、またその一方で、個々異なるタイミングで好きになったというものも少くありません。

例えるならば、前者はお気に入りの散歩道から新たな散歩道が分かれて延びているようなもの。後者は二本の散歩道がそれぞれに離れた地に存在しているようなものでしょうか。

今回はその後者のお話。昨日はこっち、明日はあっちとそれぞれの道を歩いていたところ、眼前にまさかの交差点。二つの好きが偶然にも出会ってしまいました。

アイスランドのバンド、Sigur Rós。どれくらい好きかはここでは省きますが(横のカテゴリからご覧いただければ)、アイスランドという国に関心を持ってからのここ10年、常に気になる存在であり続けています。今年、そのフロントマンであるJónsi(ヨンシー)がソロ活動を開始。4月から始まる北米・ヨーロッパツアーのステージデザインについて、製作スタジオである59 Productionsの関係者によるインタビュー映像が、YouTubeにアップされています。

http://www.youtube.com/watch?v=8t6ABdBigNc

耳を澄ますのは1分40秒からのデザイナーLeo Warner氏の発言。私のヒアリング能力では全てを聞き取ることが出来ませんでしたが、より英語に堪能な方のご登場を願い、恥ずかしながらその一部だけでもここに記します。

One of the key images that Jónsi was very keen on from the beginning with animals a lot of ??? inspired by animals.

We came across the book of amazing photographs taken by the shop in Paris called Deyrolle which was a ??? taxidermia shop which burned down.

This full of extraordinary epic shop ??? ??? a bit animal, a bit building. I’ll ??? photo somthing about this ??? combined up with the world ??? animals somehow through packed life.

震えんばかりの驚きと興奮。あのデロールの火事を収めた写真集に影響を受けたステージデザインだと言うではありませんか。1年半前の興奮は今でも鮮明に覚えています。

・「やっと逢えたね」(→関心空間に書いた日記

そう思って映像を改めて見ると、確かにデロールを思わせる要素が見受けられます。躍動と消失(焼失?)を繰り返す動物達、煤けて見える木製の標本ケース、またその関連性は掴めませんが、片隅が焼けたチケット(交通機関のもの?)も登場しています。

こうなると、次は影響を受けたという本が何なのかを突き止めたくなります。あくまで私の知る限りですが、デロールの火事を扱った書籍は少なくとも3冊は存在します。

・『Nature Fragile』(→関心空間に書いた記述
・『Touched by Fire』(→別ブログ、トンブリンの記述
・『1000°C Deyrolle: 1er février 2008』

そのうち、手元にあるのは『Nature Fragile』と『Touched by Fire』の2冊。『Nature Fragile』は個々のアーティストが手を入れた作品の紹介が主。一方の『Touched by Fire』は焼けただれた標本や剥製をそのまま撮らえたもの。となると、ここはやはり『Touched by Fire』に軍配が上がるのではと類推します。となると、次は『1000°C Deyrolle: 1er février 2008』も入手しての更なる検証も必要かもしれません。

しかし、何より気になるのはJónsiの来日ライブ。アジアツアーの日程は未だ発表されておりませんし、その可能性はまだまだ残されています。そうでなければ、6/7のパリライブ。デロールにも足を運べますしね。

29
6月

Náttúra

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時差ボケになったかのような夜更かしをして午前4時30分,Macの前でレイキャビクに到着。アイスランドにおける急激なアルミ精錬工業の増大に起因する自然環境破壊への問題意識を喚起するためにbjörkとSigur Rósが行ったフリーライブ「Náttúra」のウェブキャストを8時まで。

この頃,ライブという表現を見ていてよく思うのが,ステージに立つ人々が自分たちで楽しいと感じている姿を目の当たりにすること(もちろん,こちらからはそうだと想像することしか出来ないんだけど)が,こちらの幸せになるんだということ。2月の寒空はだか「カラフルロスタイムショーDeluxe」がその決定的なきっかけで,はだかちゃんはもちろん,細野さん,志の輔さんなど登場する全ての人々の楽しそうな顔といったら。それを見るこちらも嬉しくなって,そこからは多幸感のスパイラル。

080629_nattura.jpg

そういう意味では今回のライブも同様。背景にある問題は彼の国にとってシリアスなものだろうけど,だからといって眉をしかめるだけの活動にしないところが両者に至極共感できるところであり,またその姿を見ていて楽しくてたまらない。その頂点がSigur Rósの『gobbledigook』。メンバーはもちろん,サポートとしてjónsiの横に立ちスネアを叩く姐さんのその愛らしいことといったら(年上だけどね)。

Sigur Rósは『Heima』を見た際と同じ感情。音楽だけではなく,対峙する事象全てへの振る舞いに眩しいばかりの真摯な姿(真剣にバカが出来るという意味も含んでいるからまた素晴らし)。10月のライブが楽しみ。なんてったって会場が国際フォーラムに戻ったしね。
その他,細かいところを上げたらきりがないんだけど(この会場の辺りを歩いたなぁとか,遠くに見える教会が懐かしいなぁとか),ひとつだけ気になったのがSigur Rósからbjörkへのステージセッティング変更時に会場で流れていた音楽。明らかに琉球音楽だったんだけど,誰の曲か分からず。気になる。

1
8月

Takk Fyrir in Naeba

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フジロック初参戦。
昼過ぎに会場到着。勝手がわからないのでまずは会場をぐるっと一回り(その流れの中でライブやってたら聴いてみたり)。下に戻ってきて15時過ぎからAqualungとくるりを連続で。

一休みして18:20。お目当てひとつめ,Red MarqueeでRöyksopp。アルバムの印象からゆったり心地良いライブを想像していたら…。これでもかのアゲアゲじゃないっすか。そりゃ『Royksopp’s Night Out』や『Poor Leno』なんかはわかりますよ。でもまさか『Remind Me』まで大騒ぎになろうとは(PVの印象が強すぎたなぁ)…。なんて書くと乗り切れなかったようだけど,実際は久しぶりにバカにならせていただきました。アンコールまで飛び出して,間違いなく今回のベストでございます。

19:30,Röyksopp終了後,ステージの外に出ようと思ったらいつの間にか大雨。仕方なくRed Marqueeでそのまま雨宿り。21:20,ようやく雨が上がって空には星が。こうなるといてもたってもいられずWhite Stageへ。えぇ,最悪の事態(入場規制)を考えてGreen StageのNew Orderは断腸の思いで素通りです。
一つ前のMars Volta終了後すぐに前方へ。22:30,いよいよお目当てふたつめ,Sigur Ros。霧がかった夜の森,見上げると空には星。月が見えないことを除けば舞台は完全に整いました。

aminaを従えての90分(セットリストはこちらを参照)。『Svefn-g-englar』の最初の1音が鳴った瞬間,『Viðrar Vel Til Loftárása』のライティング,『Untitled #4(a.k.a njósnavélin)』のブレイク,『Olsen Olsen』のベース…。体と心に震えが走ったのはもちろん山の天候のせいだけではないです。

が,もちろん存分に堪能したんだけど,その度合いで言ってしまうと2003年の国際フォーラムには敵わず。結局はコニーアイランドでのライブと同じなんだけど,どれだけ自分が注意散漫にならずに彼らの音楽に集中できるかなんだと思う。で,今回の問題は自分の疲労,そしてセキュリティと観客のイタチごっこ。疲労は腰に痛みを感じてしまい堪えるのに必死。イタチごっこはと言うと,写真撮影(基本的に禁止です)を試みてカメラを持ち上げる観客に対してステージ下からセキュリティが懐中電灯を照射。それがライブの間中ずっと繰り返されて非常に目障り。更には自分の近くだったりすると逆光でステージが見えなくなるわで集中して聞き入ることが出きない。

言うまでもなく国際フォーラムの時はそれらの心配は無し(それどころか,あまりの体験にライブの間中ずっと立ち上がることなんてできなかった),純粋にあの音と光に身を投じることができたわけで。

もちろんどっちがいいという話ではなし(今回のフジロックも見逃していたら,それは悔しくて堪らなかったと思うし)。ただやっぱり次はホールで完全に身を委ねてみたいと思った夜でした。

27
2月

They are coming to the forest

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Fuji Rock Festival ’05にSigur Ros,キターッ!!。

Fuji Rock Festival ’05

それだけでも大変なのに,更にMercury Revまで来るよ。
なんだかんだで足を運ぶことのなかったフジロック,ついに初参戦かも。

6
8月

áfram ísland

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Music On! TVで「アーカイブ! Viewsic Special : Sigur Rós」(2002/10/25放送のリピート)。
アイスランドロケによるメンバーインタビューを軸に2001/10/14の渋谷クアトロでのライブ映像を挟んだ構成。例によって舌巻き過ぎのアイスランド人英語に苦しみつつもお宝満載の現地映像に興奮。なかでもメンバー以外の現地アイスランド人へのインタビューで,今は無きレコード屋「Hljomalind(通称「うさぎレコード」。店のロゴにうさぎが使われているんで勝手にそう命名)」の店員の兄ちゃんが登場。懐かしー,その顔,見覚えあるぜ(2000年夏に訪れました)。っつーか,兄ちゃん。俺が「アイスランドでお薦めのバンドは?」って訊いたらmúmしか教えてくんなかったじゃねぇかよ。
渋谷クアトロのライブ映像は『Untitled #1』『Svefn-g-englar』『Untitled #5』『Untitled #8』の4曲。更に1999年のIcelandic Opera Houseでのライブ映像もちらりと(オフィシャルサイトにあるものの別カメラアングル)。
約80分,お腹一杯,大満足。もちろんDVDに焼いて保存決定。

29
7月

看板に偽りあり

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J-Wave,ピストン平井堅と秀島史香の『夜もGroove Line』で大笑いした後,NHK-FM『Live Beat』。Sigur RósのBBCライブを放送するとのことで期待大。

が,蓋を開けたら去年のグラストンベリー・フェスティバルの音源。確かにBBCでも放送してたけどさ,普通「BBCライブ」っつったらよぉ…。もちろん奏でられた音楽自体は素晴らしいし,イベントをリアルタイムでウェブ視聴した時に比べれば音質は当然段違い。それでも,この激しい騙された感はどうしたって拭い切れん。

っつーことで,余韻にひたることなく心は既に来月のMusic On! TV。2002/10/25放送ということは『( )』発売にあわせての番組?。ライブ映像ってのは2001年渋谷クアトロ?(クソ忙しくて行けなかったことが今でも悔しい…)。とにかく当時はまだスカパーに入ってなかったんで全くの初見。たーのしみー(そして,できれば2003年の来日ライブのやつも再放送してくれたらなぁ(こん時もまだ未加入))。

5
12月

( )

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今年のグラミーで,Sigur Ros『( )』が2部門にノミネートされる。

ひとつめの「Best Alternative Music Album」部門ではRadiohead,The White StripesYeah Yeah Yeahsと争うことに。

しかし,興味深いのはもうひとつの「Best Recording Package」部門。実はこの部門があるのを今まで知らなかったんだけど,あのパッケージを候補に選んだというだけで信じるに足ると言うか。ところで気になるのはメンバーと共に名前が連ねられているAlex Torranceという人物。彼の他の製作物も見たいんだけど,どうもうまくひっかからない。Computerloveによると,R107 Systems Incorporatedの人らしいんだけど…。

23
8月

It’s in her hands

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いよいよこの旅のメインイベント,björk & Sigur Rósのライブへ。

Wラインに乗って終点のコニーアイランドまで。会場は,ジェットコースター「サイクロン」でお馴染みの有名遊園地,の隣にあるKeyspan Parkという野球場(マイナー球団,Brooklyn Cyclonesの本拠地)。バックスクリーン前にステージが据えられ,客席はオールスタンディングの外野グラウンドとシートのスタンドという会場構成。振幅ありすぎてまったく読めない客層がおもしろすぎ。

20:00,オープニングアクト(すみません,名前忘れました)に続いてSigur Rós登場。バックにはストリングス隊も健在。1曲目,4月の国際フォーラムでのライブ同様に『Untitled #1(a.k.a Vaka)』が来ると思いきや,全く耳慣れない曲(新曲?)。たゆたう心構えでいたところにくらわされた高速ドラムの旋律に面食らい。

その後はいずれも既曲。『Mílanó』『Gong』『Olsen Olsen』『Hafssól』『Vidar Vel Til Loftárása』『Untitled #8』,そして最後に『Smáskífa』。途中もう1曲はあったと思うので,全部で8~9曲,約1時間のライブ。相変わらず,途中で涙腺緩むことしばしば。それを堪えようとして上を向くとそこに星空。更に緩むの繰り返し。ただ野外ということで客席側の集中度が足りなかったのがマイナスポイント。くっちゃべりは当たり前,曲終わり,静かにフェードアウトしていく時に会場内を練り歩く売り子の「Beer! Beer!」が響いた時には失笑が起きるし…。

21:20頃,姐さん,ついに登場。バックにはVespertineツアー同様にMatmos,Zeena Parkins,そして新たにストリングスが6人程。

『Hunter』で始まって,3曲目か4曲目の『joga』でステージ上,火柱が20本程上がる。更にはステージ遙か後方,海側からレイキャヴィクの年越しかと思うくらいに花火がドカンドカン上がりまくり。最初にこのライブが行われると知った時,会場はてっきりマンハッタンのどこかの公園だと思っていて,まさかこんな遠くでやるもんだとは思わなかったんだけど,この花火を見て納得。現時点での正確な規制は知らないけれど,やっぱりこれだけの花火をマンハッタンで上げるのには問題あるんだろうなと…。

途中,何の曲かは忘れたけれど,スタンドからステージに向かってシャボン玉が宙を飛ぶ。

ラスト2曲(『It’s in Our Hands』ともうひとつ(おかしくなってて忘れた))は上げ上げ。これでもかとばかりに火柱と花火は上がり,シャボン玉は舞う。

自分のこのライブへの意気込みはSigur Rósがメインで,姐さんはそりゃ見たいに決まっているけれど,正直Vespertineツアーほどの期待はしていなかったという程度のもの。実際,序盤は相変わらずのキュートと言うよりはコミカルに近い立ち居振る舞いに微笑む余裕すら。しかし中盤からは生きとし生けるもの全てを憑依させてそこに立っているような圧倒的存在感にすっかり当てられっぱなし。

しかも横にはあの俗物極まりない(褒め言葉)遊園地。清濁・聖俗・グッドテイスト/バッドテイスト…。背反二項だけではないけれど,ここでライブが行われたことに何らかの意味をつい感じてしまうし,また全てを併せ呑むその度量。感服…。

30
6月

Glastonbury Festival

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日本時間5:00(現地時間,前日21:00),Glastonbury FestivalでのSigur Rosライブをウェブキャストでリアルタイム視聴。

薄青から蒼黒,そして闇へと変わるトワイライトゾーンに繰り広げられた幻想のひととき。思い詰めた面持ちでステージを見上げる観客の姿,そして『Vaka』,『Olsen Olsen』,『Hafssól』,『Untitled #8』という高濃度なセットリストもあって,35Kbpsの帯域幅,320*160のウィンドウサイズというぼやけた映像でも体の内側からぞわっとくることしばしば。んー,やっぱり一度屋外で見たい…(それも出来ればアイスランドの荒野で)。

Set List
Untitled#1 (a.k.a vaka)
Untitled #3 (a.k.a samskeyti)
Olsen Olsen
Vidrar Vel Til Loftárása
Haffssól
Untitled #8 (a.k.a popplagid)

11
6月

untitled #1 (a.k.a. vaka) [CD + DVD]

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Sigur Ros,4曲入りEP。今日,Amazonから到着。

販売形態は3種類。その中で自分が購入したのはCDとDVDで2枚組になったもの。目当てはもちろんDVD。今までに作られたPV3タイトル -『svefn-g-englar』『vidrar vel til loftarasa』『untitled #1 (a.k.a. vaka)』- を収録。後者2曲は別媒体で視聴済みだけど,最初の『svefn-g-englar』は初見。アイスランドの自然の中に舞う天使達(地元の舞踊集団)に彼岸を見る想い。

一方で,DVDに意識が向いてしまいあまり注目していなかった(失礼…)CDでも望外の喜びあり。『track 2』と『track 3』,どこかで聴いたことがあると思ったら,今年4月のライブで本編(アンコール前)ラスト,ミラーボールが廻り,そして青い光が舞う中で奏でられた曲(a.k.a 『smaskifa』)。

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