Archive for the ‘Live’ Category

7
12月

Sonic Menagerie

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名古屋から戻り、いつもの日々。

初めて訪れたダイアモンドホールでのヨンシーのライブ。小さい会場だったためにステージとの距離も近く、より親密感のあるライブでした。

一方で、その小ささのためか、パリ(バタクラン)で見た時とはステージのセットに違いが見受けられました。大きくは以下の二点。

・ステージ上に複数個並んでいた標本ケースが無かった
・ステージ後方に鉄骨フレームで区切られたガラス窓が無かった
(注:大阪・東京は未見のため、同様だったのかは定かではありません)

特に残念だったのは後者。パリではラストの曲『grow till tall』にてガラス窓が飛び散る映像があったのですが、名古屋ではそれも削られることに。全てを吹き飛ばすあの嵐を更に強く印象づけるものだっただけに、もったいなく。とはいえ、異なる2つのパターンを見ることが出来たと考えると、望外の喜びであるとも言えます(そもそも、こんな細かい見方をすること自体、おかしいのかもしれませんが)

ところで、以前にこのブログにて、今回のステージセットはデロールの火事を題材にした本に影響を受けていることを記し、それが具体的にどの本であるかの推測をしました。

・Imaginary Beings: 20100307 ‘Jónsi meets Deyrolle

今回、改めてネットを彷徨ってみたところ、LVMHグループのサイト「NOWNESS」にて今年3/3の時点で記事になっていました。少し長いですが、引用します。

・20100303 NOWNESS: Like a Phoenix Rising -Jónsi’s Sonic Menagerie-

The stage show for the accompanying tour, designed by London-based studio Fifty Nine Productions, is an equally grand endeavor. Inspired by photographer Martin D’Orgeval’s 2008 book Touched By Fire, which documented Parisian taxidermy store Deyrolle after it burned down in February of the same year (it has since re-opened), the set tells a story of hope born from devastation. Says designer Leo Warner: “It’s about a space that has been repurposed and become something else—a magical space.” On stage, partly dilapidated walls will writhe with soft projections and motion graphics of animals taking flight, “as if brought back to life,”

推測の通り、Martin d’Orgevalの『Touched by Fire』でビンゴだったようです。

・Martin d’Orgeval: 『Touched by Fire』(別ブログ「Tomblin」での記述)

また、副題「Sonic Menagerie」は、この日曜日まで東京大学総合研究博物館小石川分館で開催されていた「ファンタスマ:ケイト・ロードの標本室」の仮称「Wunderkammer: Neon Menagerie」を連想させるもの。ここでもまた何らかの繋がりが。

残るライブは12/29のレイキャビクのみ。
『grow till tall』が終わると同時にあのセットも消えてしまうのでしょうか。

20
10月

Video: Jónsi In Concert

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現在、ワールドツアー中のミュージシャン、Jónsi(ヨンシー)。そのステージデザインが、デロールの火事に影響を受けているということを3月に記事にしました。

・Imaginary Beings: 20100307 ‘Jónsi meets Deyrolle

当時はまだ日本公演の予定も無く、それならばと6月にパリへ足を運び、ライブとデロールの双方を堪能する贅沢を。その後、8月のサマーソニック出演時に12月の来日公演発表。無事にチケットも入手し、再びの興奮を待ちわびておりました。

そこへ望外の喜び。
アメリカの公共ラジオ局のNPRが、17日のロスアンジェルス、the wilternでのライブをストリーミング配信。リアルタイムでは見られなかったものの(さすがに平日13時スタートでは)、現在、その録画映像が公開されています。

・NPR: ‘Video: Jónsi In Concert
・Jónsi.com: ‘the wiltern, los angeles‘(セットリスト&レビュー)

#2、’hengilás’(残り時間71分30秒頃~)で炎に包まれる森の動物達。暗い森の中、現れては消え、また姿を変える#4、 ‘Kolniður’(同62分45秒頃~)。一転、生の喜びに溢れた#9、’boy lilikoi’(同36分45秒頃~)。夥しい数の蟻が駆ける#10、’animal arithmetic’(同33分30秒頃~)。そしてラストの#14、’grow till tall’で訪れるカタルシス。映像だけを眺めていても素晴らしいですが、その背景に想いを馳せると更に感慨も深まります。

#2: hengilás

惜しむらくは、ステージ各所に配された標本ケースが照明の暗さで判別出来なかったことですが、これは再び目の当たりにする日のお楽しみと思いましょう。

15
10月

my special island

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2009.10.14
DRIVE TO 2010
dip in the pool @ 新宿ロフト

最初に発せられた「midnight」で,ソラの彼方。
穏やかに至福のひと時でございました。

演奏されたのは全6曲。
dip in the poolのアルバム,甲田さんのソロアルバム『jupiter』から2曲,「DRIVE TO 2010」のサイトで言及されていた,映画『南太平洋』から1曲。残りの1曲,虚をつかれたのがサティの『Gymnopédie #1』。木村さんのアレンジと甲田さんのメロディに乗せた歌で,確かにdip in the poolの音楽に。色々なものが剥き出しのロフトが一転,どういうわけかリンチのレッドルームに見えてしまう。

帰宅後,ネットを見ると,お二人共に新たなサイトを作られていたことを知る。
tat website
NEW KODA PROJECT

29
6月

Náttúra

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時差ボケになったかのような夜更かしをして午前4時30分,Macの前でレイキャビクに到着。アイスランドにおける急激なアルミ精錬工業の増大に起因する自然環境破壊への問題意識を喚起するためにbjörkとSigur Rósが行ったフリーライブ「Náttúra」のウェブキャストを8時まで。

この頃,ライブという表現を見ていてよく思うのが,ステージに立つ人々が自分たちで楽しいと感じている姿を目の当たりにすること(もちろん,こちらからはそうだと想像することしか出来ないんだけど)が,こちらの幸せになるんだということ。2月の寒空はだか「カラフルロスタイムショーDeluxe」がその決定的なきっかけで,はだかちゃんはもちろん,細野さん,志の輔さんなど登場する全ての人々の楽しそうな顔といったら。それを見るこちらも嬉しくなって,そこからは多幸感のスパイラル。

080629_nattura.jpg

そういう意味では今回のライブも同様。背景にある問題は彼の国にとってシリアスなものだろうけど,だからといって眉をしかめるだけの活動にしないところが両者に至極共感できるところであり,またその姿を見ていて楽しくてたまらない。その頂点がSigur Rósの『gobbledigook』。メンバーはもちろん,サポートとしてjónsiの横に立ちスネアを叩く姐さんのその愛らしいことといったら(年上だけどね)。

Sigur Rósは『Heima』を見た際と同じ感情。音楽だけではなく,対峙する事象全てへの振る舞いに眩しいばかりの真摯な姿(真剣にバカが出来るという意味も含んでいるからまた素晴らし)。10月のライブが楽しみ。なんてったって会場が国際フォーラムに戻ったしね。
その他,細かいところを上げたらきりがないんだけど(この会場の辺りを歩いたなぁとか,遠くに見える教会が懐かしいなぁとか),ひとつだけ気になったのがSigur Rósからbjörkへのステージセッティング変更時に会場で流れていた音楽。明らかに琉球音楽だったんだけど,誰の曲か分からず。気になる。

22
5月

心の中でClapping Music

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「スティーブ・ライヒの音楽 Music of Steve Reich」
オペラシティコンサートホール
『Drumming (Part 1)』
『Proverb』
『Music for 18 Musicians』
龍が昇っていく幻覚すら見えたような『Drumming (Part 1)』の最初の一音で今夜の幸せを確信。『Proverb』では人の声の美しさを再確認。
そして『Music for 18 Musicians』。約1時間,増えて減って重なりずれる。ありきたりに過ぎるけど,動作が見えるだけにCDではわからなかった音が鮮明に聞こえてくる。
人生の思い残しがまたひとつ減った夜。
高校生の自分に「やっと生で聴けたんだ」と報告したいよ。

14
2月

谷中の交叉点

   Posted by: fumi

ヴァレンタインの夜はZepp Tokyoで岡村ちゃんと久しぶりのデート。
のはずが,白い粉のせいでまさかのドタキャン。
どぉなっちゃってんだよ,どうかしてるよ,イケナイコトダヨ。
そんなことされたら,こっちだって考えがあるんだからね。
もう一人の裸の似合う男,「寒空はだか カラフルロスタイムショー Deluxe」に行っちゃうよ。
はだかちゃんだけでも大変なのに,加えてスペシャルゲストに立川志の輔師匠,そして細野さん。見ているこっちも楽しいけれど,舞台の上は更に楽しそう。そんな舞台を見てまたこっちも楽しくなるんだから,その多幸感のスパイラルは留まるところを知らず。
そしてもちろん,ホストのはだかちゃん。”耳に残って心に残らない”名曲『東京タワーの歌』,更には”耳に残って心に残る”名曲『カヤバコーヒーの歌』。特に後者は個人的な想い出もあって本気泣き。ルシアンの香りが甦る…。

22
5月

今宵,遣らずの雨が降る

   Posted by: fumi

1年半ぶりの寄席,お江戸日本橋亭へ。

そのウィスパーボイスを初めてCDで聴いてから半年,三味線エンターテイナー,うめ吉姐さんと,ようやくの初逢瀬。
何かを食した際,味覚ではなく舌触りに喜びを覚えることがあるけれど,それと同じ意味合いで,聴覚ではなく耳触り(もちろん耳障りではありません)に得も言われぬ官能的なものを覚えました。

唄が数曲,そして最後に踊り。膝替わりでの登場でしたが,トリの落語家さんが出てきてもその余韻は収まらず。同行者からは頭頂部から湯気が上がってるよと言われる始末。あぁ,そうさ。

16
12月

moonlight, starlight, earthlight

   Posted by: fumi

お台場,MEGASTAR-II + rei harakami
満月の下,地上に輝く満天の星。 青く輝く地球の下,彼方へと誘う音楽。

30
11月

Away

   Posted by: fumi

渋谷O-Eastでmúm。

中盤までは良かったんだけど…。後半は雰囲気で誤魔化されたと言うか,上手い具合に流されたと言うか。2年前,リキッドルームで見た時のような心の震えもなく,ただ淡々とライブが終わるの待ちながら眺めていただけでした。

同日,同郷であるSigur Rósの来日アナウンスあり。が,東京は立ち見…。今日の比では無い激しい人口密度の中であの音楽を受け止めるだけの度量が私にはありません…。即ソールドアウト,後,どこかホール(2年前と同じ国際フォーラム希望)で追加公演決定というシナリオは無いのか?。

4
11月

山手線の下のほうで

   Posted by: fumi

人生のやり残しがまたひとつ減りました。
ついに見た,ナマ面影ラッキーホール。

セットリスト覚え書き。
『今夜、巣鴨で』
『温度,人肌が欲しい』
『必ず同じところで』
『夜のみずたまり』
『好きな男の名前 腕にコンパスの針でかいた』
『ひとり暮らしのホステスが初めて新聞をとった』
『俺のせいで甲子園に行けなかった』
『ラヴ ボランティア』
アンコール
『セクシャル・バイオレット No.1』
『東京(じゃ)ナイトクラブ(は)』

満腹〜。
ヴォーカルの「あっきー」改め「あきてぃ」(ライブ途中で改名披露)の強烈な存在感と,普通にバカウマのバンド(大所帯11人)というコンビネーションに,横山剣さん率いるCKBとの相関性が見え隠れするけれど,CKBを陽とするならこちらは明らかに陰。同じ下世話(言うまでもなく褒め言葉)でも全く異なる魅力っす。

曲以外にもくすぐりどころ満載。
最初のサウンドチェックでは『東京(じゃ)ナイトクラブ(は)』にあわせて「盗んだバイクで走り出す〜」。コール&レスポンスは平日の16時に屋外で叫んでいいのかっつーシモ系ばかり。更には『イケナイコトダヨ〜 シャブは〜…』と,囲いの中から同じ空を見ているであろうあの人に熱い想いを届ける。

敢えて欲を言えば,一番好きな『おらんだ花嫁』も聴きたかったところだけど,それは本当に欲張りすぎというもの。いつか聴ける日を夢見て生き続けることにします。