Archive for the ‘Movie’ Category

12
9月

Midnight in Paris

   Posted by: fumi Tags:

Twitter・facebook・RSS…
プッシュ型の情報に慣れてしまうと、自分から情報を探しに行くことを忘れがちになります。
誰かがアップした情報を上下にスクロールしながら眺めては、ただ享受するだけ。特に震災以降は、その傾向が強くなっているように思います。自分一人の知識では判断出来ないことも多いですからね。
しかしその結果、コンピュータの利用で文字を書く機会が減ったように、このままでは自分で調べるという行為そのものを忘れてしまうような心配もしてしまいます。

Midnight in Paris

と、大風呂敷を広げてみましたが、言いたいのはデロールのことです。
サイトがRSSに対応していることは知っていますし、RSSリーダーに登録して読んでいたこともあるのですが、日々重複する内容が届くので登録を外していました。そんななか、久しぶりにサイトを直接訪れてみたところ、「Woody Allen」の名前が飛び込んできました。最新作「Minuit à Paris (Midnight in Paris)」で、デロールがロケ地として使われたそうです。

Woody Allen chez Deyrolle pour ’Minuit à Paris’(オリジナル)
Woody Allen chez Deyrolle pour ’Minuit à Paris’ (google英語翻訳)

IMDbに飛んでみると、パリを訪れた主人公が1920年代にタイムスリップとするというストーリー。日本では公開前ということで、それならばとYouTubeに。すぐに予告編が見つかりました。

YouTube:Midnight in Paris 2011 – Trailer

嬉しいことに、1分16秒からの一瞬、あのデロールの2階が映し出されました。
パーティーシーンでグラスを持って乾杯する紳士淑女の間を縫うように、見慣れた剥製達も同席しています。デロールのサイトによると、撮影が行われたのは2010年7月とのこと。

海外では来月にもDVDが発売されるようです。
日本での公開時期にもよりますが、円高も続いていますので、デロールのためだけに購入するのも一興かもしれません。

27
8月

Through the Weeping Glass

   Posted by: fumi

Through the Weeping Glass (via Mütter Museum)

いつも(一方的に)お世話になっている「Morbid Anatomy」にて、待望のニュースがアップされました。ブラザーズ・クエイがフィラデルフィアのムター博物館を舞台に製作を進めていたショートフィルムが、ついに完成。

・Morbid Anatomy: 20110821 ‘Quay Brothers Mütter Museum Film Premiere in Philadelphia, New York and Los Angeles This September!’

同じMorbid Anatomyで製作中との情報を知り、このブログに記したのは昨年11月5日。あれから約10ヶ月。まさに待望です。

・Imaginary Beings: 20101105 ‘The Brothers Quay at the Mutter Museum’

発表になったタイトルは「 Through the Weeping Glass: On the Consolations of Life Everlasting (Limbos & Afterbreezes in the Mütter Museum) 」31分のドキュメンタリー。Morbid Anatomyより引用します。

Through the Weeping Glass: On the Consolations of Life Everlasting (Limbos & Afterbreezes in the Mütter Museum) is a documentary on the collections of books, instruments, and medical anomalies at The College of Physicians of Philadelphia and the Mütter Museum. This short film (running time: 31 minutes) is the first made by the internationally recognized Quay Brothers in the United States.

「嘆きのガラスを通して: 永遠の生命の慰み」とでも訳しましょうか。ガラスケースの中に並ぶ、永遠の生命を獲得した人体標本の姿が脳裏に思い出されます。また人体標本のみならず、書籍(そういえば、人皮で装幀されたものもあった)や医療器具などの収蔵品も登場するとのこと。これはイギリスのウェルカム財団のコレクションを撮影した「The Phantom Museum」を思い出させますね。

今回、上映されるのはアメリカ国内の3ヶ所。

  • 9/22 The College of Physicians of Philadelphia, 18:30~
  • 9/24 The Museum of Modern Art, New York. 19:45~
  • 9/27 Cary Grant Theater, SONY Pictures Studios, hosted by The Museum of Jurassic Technology, Los Angeles, 20:00~

フィラデルフィアとニューヨークは当初のアナウンス通り、それぞれムター博物館とMoMA。ロスアンゼルスはケーリー・グラント・シアターに変更となり、当初の予定だったジュラシック・テクノロジー博物館は、ホスト役として関わるとのこと。
しかし、22日と27日は既にソールドアウト。24日のMoMAは、チケット発売情報が見つけられなかったものの、おそらく同様なのでしょう。このために飛ぼうなんて、ほんのちょっとしか思わなかったけれど(笑)これでスッパリ諦めもつくというものです

では、もう見られないのかといえば、DVDの発売が予定されていて一安心。この映画のメイキングを中心とした展覧会がムター博物館で開かれることになっており、その模様や同時開催のシンポジウムのドキュメントなども同梱されるとのこと。ここから更にまた首を長くして待つのですね。えぇ、待ちますとも。

The Brothers Quay at the Mütter Museum (photo by Evi Numen via New York Times)

ひとつの山場を超えて、小休止。溜りに溜まった博物系ブログ巡りを再開しましたところ、いつも示唆と刺激に満ちた話題を提供してくれるブログ「Morbid Anatomy」にて、またも驚きの記事。ニューヨーク・タイムズの記事を引用し、ブラザーズ・クエイ(The Brothers Quay)が、フィラデルフィアのダウンタウンに建つ、あのムター博物館(The Mütter Museum)の収蔵品を用いたショートフィルムを撮影中であると報じています。

・Morbid Anatomy: 20101018 ‘The Brothers Quay at the Mütter Museum
・New York Times: 20101017 ‘Animators Amok in a Curiosity Cabinet

つい「あの」と書いてしまいましたが、医療系博物好きにとってムター博物館は外すことの出来ない場所。私も2009年6月8日に訪問叶いました。当時のことは、関心空間内の日記に残してあります。

・関心空間: 20090608 ‘ドライでお願いします

この博物館で有名なエピソードのひとつは、ジョエル・ピーター・ウィトキン(Joel-Peter Witkin)に関するもの。山形浩生さんが当時の博物館館長にインタビューした別冊宝島の記事の中から、館長が語った言葉を引用します。

かれが最初に来たときは、好きに撮っていいと言って目を離したら、びんから胎児を取り出して並べだして、いやあ、あれには参りました。二度目以降は、標本はケースからは出してもいいけれど、びんや保存剤から出していけない! という条件も加えましたけれど(出典: 「啓蒙する死体群」)

今、気がついたのですが、この記事にムター博物館における映画撮影の状況についても語られています。約15年前のインタビューですが、当時はまだ映画撮影の依頼は無かったようです。

展示室の隅では、黙々とパステルで骸骨の絵を描いている人がいる。

「ここの絵が描きたいというので、今日みたいな休館日に入れてあげてます。最近は、公開日には人が多すぎて絵やインタビューにはとても応じきれませんから」

――そういう依頼は多いんですか。なんか、いかにもホラー映画に出てくるマッドサイエンティストのラボという感じですから、映画の撮影希望とか結構あるんじゃないですか。

「映画は、今のところないですねえ。あっても、もちろんスプラッター映画に協力したりすることはないでしょう。でも、写真家や画家の方たちはたくさんいらっしゃいます。真面目な意図のアーティストたちにはこちらもきちんと対応しています。カレンダーに使われている写真はみんなその成果です…(出典: 「啓蒙する死体群」)

さて、話題をブラザーズ・クエイへ。彼らと医療系博物館といえば、ウェルカム・コレクションを撮影した『The Phantom Museum (2003)』が知られています(昨年から今年にかけて、森美術館で開催された「医学と芸術展」でも上映されていました)。

その彼らがムター博物館を題材にすると聞いて、喜ぶと同時にどういった経緯でと思ったのですが、このニューヨーク・タイムズの記事を読んで初めて知りました。彼らがフィラデルフィアに縁のあること、更にフィラデルフィア芸術大学在学中、授業の一環としてムター博物館を訪れていたことが語られています。

ショートフィルムの上映は来年秋を予定。ムター博物館で開催されるシンポジウムの一環としてとのこと。その後、巡回上映も予定されており、MoMA、そして何と、あの(また、あのですが)ジュラシックテクノロジー博物館でも!。

30
3月

Full Episodes Now Available

   Posted by: fumi

まさかの『South Park』全エピソード無料配信開始。
southparkstudio.com
以前からUSやUKのiTunes Storeでは発売中。さすがに全部買うとそれなりの額になるので,どうしても見たかったもの(『Chinpokomon』とか『A Ladder to Heaven』とか『Good Times with Weapons』)だけ購入してたんだけど,公式に無料で見られるのならばそれに勝る喜びなし。また,一向に発売される気配のなかった日本のiTunes Storeも,逆に発売してくれていなくてありがとうと言いたくなる,ちょっと皮肉な展開でもあったり。

13
12月

Nonsense Makes Sense

   Posted by: fumi

夜の電車,向かいのシートに座るサラリーマンが折り畳む夕刊紙から覗くオットセイでお馴染み,あの『やる気まんまん』がまさかの映画化。しかも監督が杉作J太郎と来たら馳せ参じない訳にはいかないのです。上映期間1週間,しかもレイトショーの1日1回という条件の中,最終日前日に時間を作って渋谷Q-AXへ。
真正直にデタラメ。そもそも原作がデタラメだと言われればそうなんだけど,そこに演じられた役柄ではなく役者自身そのものの人物像も加わることで原作を凌ぐ世界が現出。なかでも掟さんの突き抜けた変態っぷりは,笑いを超えて涙すら誘う名演技。真面目に馬鹿をやることの大切さを改めて教えていただきました。
客席も少ないながら(30人いたかどうか)なかなかの盛り上がり。皆さん好事家らしく,やはり演じられる役のキャラではなく,それを演じている役者そのもののキャラで笑いが起きる場面多々。特にロマン優光は登場しただけで笑いと拍手。
帰宅後,勢いで購入をためらっていた原作単行本をワンクリックオーダー。

27
5月

The Okayama Shamisen Massacre

   Posted by: fumi

「タキヤンのよろめき日記 ちょっとラリックス リターンズ」(正式名称,こんな長かったんだ…)に,新刊『渋く、薄汚れ。 ノワール・ジャンルの快楽』の書評が『映画秘宝』に掲載されたとの報。ならばと久しぶりに当該誌購入。柳下さん,誉め殺しかってくらいのプレッシャーをかけますねぇ…。

他のページをめくると『ぼっけえ、きょうてえ』上映にあわせての志麻子姐さんインタビュー。今までもその名言の数々(「逆従軍慰安婦」,「一人関東軍」など(共に『猥談』より))にしびれてきたわけですが,今回の「岡山は日本のテキサス,テキサスはアメリカの岡山」には本当に参りました…。

そういえば,月曜に見たうめ吉姐さんも岡山(倉敷)出身。顔のつくりもどことなく志麻子姐さんに似ているような気も…。っつーか,『ぼっけえ、きょうてえ』の予告編見たら,女郎姿で志麻子姐さんが三味線弾いてるし!。何これ?,一人の人間の表と裏?。「岡山は日本のテキサス」ということは,三味線がチェーンソーの代わり?。

といった具合で,タキヤンに敬意を表して妄想の連鎖に挑戦してみました。
映画自体は今日から公開。これはやっぱり行くべきか…。

1
8月

Save Our Planet

   Posted by: fumi

フジロックから14時過ぎに帰京。一休みした後,夕方から池袋で映画の日。
この街とは気の相性が合わないので本来なら足を運びたくないところではありますが,今回ばかりはどうにも仕方なし。ひとつの映画館で『チーム★アメリカ/ワールドポリス』,そして『魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE』(期せずして★,並びに地球防衛ネタ繋がり)を上映してるんだから。
まずは『チーム★アメリカ/ワールドポリス』。
劇中,重要な役割を果たすハリウッド俳優達に全く興味が無い人間にとっては,そんな偉そうなこと言ってる奴は全てコケにしてしまえっていうこの映画のスタンス自体がしっくりこなくてどうにも。その他の有名人についても同様なので,ストーリー自体に関しては特に思うところなし。
でもだからと言ってつまらなかったわけではなくて,正直,主人公の嘔吐シーンだけで入場料の元は取れましたよ。これで終わったと思って安心した瞬間に次の波が来るあの感じが,自分のパターンとあまりにも酷似。彼のつらさが我が身のごとくわかって有り得ないほど感情移入(軽快に吐ける『モンティ・パイソン 人生狂騒曲 』のクレオソート氏が羨ましいよ…)。また音楽が『サウスパーク 無修正映画版』に続いて珠玉の出来。サントラ買わなきゃ。あ,ちなみにパンフレットを買おうと思って劇場スタッフに訊ねたら,最初から作っていないとの返答。需要無し?。
『クロ高』は映画としてどうこうは正直どうでも良くて,あの個々のキャラ群がどう実写化されているのかが最大の注目点。そしてそれは渡辺裕之のフレディだけで満足できるものでした。鍛え上げられた肉体,無言の演技力,そして漫画には無い瞬きの表現…,その何もかもが素晴らしい。正直,他の主要キャラはどうでもよくなりましたよ(唯一,プータンだけは参ったけど,あれはちょっと卑怯な登場の仕方だもんな)。

29
5月

David,私達はこんなに近い

   Posted by: fumi

3週間ばかり放置しましたが,ボクはーなんとかーやってーますー(©靖幸ちゃん)。
そんななか,今最も楽しんでいるのは「デイヴィッド系」(©タキヤン)の大ボス,David LynchのDaily Weather Report。これが見たいから明日も生きていなきゃと思うくらいの勢いでズッパマリ。起床と共にコンピュータ起動,サイトに行って映像を見るのが朝の日課。加えてLynchさんのやること,ただのお天気伯父さんで終わる訳が無いとの予測から,毎日の映像はローカルに保存。数日分を並べては画面に映るアイテムやカメラアングルの変化を確認。見始めてから約2週間,いよいよ世界も歪み始めてそりゃもうおもしろすぎ。


ただ毎日のこととなると,いちいちブラウザ立ち上げて,ブックマークからサイトに飛んで,保存のダイアログを出して,保存先フォルダを選んで,ファイル名を変更して(毎日同じファイル名で提供されてるのよ)という一連の作業が,さすがにかったるくなってきた。またこの先,旅行などこっちの都合でネットが使えない日には見ることが出来ないなんて不安も。
で,思い立ってMac OS X TigerのAutomatorを利用し,一連の流れを自動化するアプリを作ってみる。毎朝指定時刻にサイトに飛んでムービーファイルを取得の後,指定フォルダに保存してファイル名を変更。更にそのムービーファイルを開いて再生開始するところまで完全自動化。自らの手を使うのは開いたムービーを見るためにQuickTime Playerの再生ボタンを押すことだけ。おぉ,めっちゃ楽〜。

30
1月

Silly Prejudice?

   Posted by: fumi

レンタルで『トーリ』
浅野忠信監督による5話オムニバス作品,その中でもお目当ては4話目『続く二人』。主役を演じるのは昭和のいる・こいるの御二方。
10分ちょいの作品中,10分きっちり寄席での漫才(ネタもいつも通り)がそのまま映し出され,最後の数秒だけ無言で演技(あれを演技と呼ぶのならば)。いやぁ,師匠のライブビデオとして言うこと無し。笑った笑った。
まさか自分が浅野忠信の映画を見る日が来ようとは思わなかったけど,のいこい師匠をキャスティングするセンス,実は食わず嫌いだったのかもしれない。
でも,残りの4話は全く見てませんけどね。

1
1月

Serious & Joy

   Posted by: fumi

Cinefil Imagicaで毎年恒例「世界の短編100本:24時間大放送!!」。全部は見てられないのでとりあえず気になったものを選りすぐって。その中でも1994年のローマとサラエヴォにおける同じ10分の対比を描いた『10 Minuta(10 Minutes)』の皮肉は殊更強烈。製作国はもちろんボスニア・ヘルツェゴヴィナ。
午後,有楽町で『カンフーハッスル』。
ドラゴンがどうこうというよりも,個人的にはやっぱり最後は仏様だよなという想いを新たに。そういう意味では『マッハ!!!!!!!!』と同じ見方。そしてどちらも素晴らしい。
夕方,上野に流れて鈴本演芸場で「新春爆笑特別興行」。
まずはなんと言っても昭和のいる・こいる師匠。やっと,本当にやっと生で見た。どこまでもいい加減,でもそれがたまらなく好い加減。はいはいはい,そうそうそう,そんなもんだ,しょうがない。
そしてやっぱり寄席の雰囲気は堪えられん。「バカ」だの「キチガイ」だのという言葉が普通に話され,更にくっだらねぇ(でも大爆笑)下ネタが次から次に飛び出す。出演者の交替テンポがいいから3時間という長丁場もあっという間。今年は折りを見て通うかも。