Archive for 4月, 2013

30
4月

壁に博物あり 障子に…

   Posted by: fumi    in Wunderkammer

アーサー・ミーの話の途中ですが、デロールで新たな発見。

思い出しては覗くデロールのオフィシャルサイトに、新商品が登場していました。コンピュータではなく、リアルな部屋向けの壁紙が発売されるようです。

Deyrolle: Papier peint Deyrolle-Wallpaper(オリジナル)

Deyrolle: Papier peint Deyrolle-Wallpaper(google translateによる英訳)

子供部屋や学校の教室で使われそうなポップなものから、寝室にも似合いそうなシックなものまで、複数のテーマによる商品展開。

20130430_deyrolleWallpaper_02

Deyrolle Wallpaper: Collection Patchwork (from deyrolle.fr)

20130430_deyrolleWallpaper_01

Deyrolle Wallpaper: Collection Les Insects (from deyrolle.fr)

フランスのファブリックメーカー「NeoDko」とのパートナーシップによって作られたもので、専用サイトも用意されています。このサイトにあるオンラインカタログを見ると、デロールのポスターやトランプで見覚えのある図像も使われていました。

Panoramiques by Deyrolle

この壁紙を使った部屋に驚異の部屋を作る。またひとつ、新たな夢(という名の妄想)が広がります。

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26
4月

I’ll See All – 02

   Posted by: fumi    in Book&Magazine, Personal

アーサー・ミー(Arthur Mee)とは誰なのか。
まずは定番のWikipediaに御登場願います。日本語版には記述がありませんので英語版にて。

Wikipedia: Arthur Mee

プロフィールを簡単に訳すと以下のようになります。

アーサー・ヘンリー・ミー(1875年7月21日-1943年5月27日)
イギリス人の編集者でありジャーナリストであり教育者。『The Harmsworth Self-Educator』 『The Children’s Encyclopædia』 『The Children’s Newspaper』 『The King’s England』などで知られる。他にも複数の著作を残しており、その多くは愛国調で、また歴史やカントリーサイドの話題に関するものもある。

今となっては、この説明でも納得出来るようになりましたが、私にとってのアーサー・ミーの第一印象は、徹底したヴィジュアリストでした。彼の業績を知れば知るほど、その像は薄らいでいくのですが、何しろ最初の出逢いが、全ての項目に図像を用いた百科事典、その名も『I See All』(1928-1930) その後も、Wikipediaにも記されている子供向けの百科事典『The Children’s Encyclopædia』(1908-1910)や、同じく子供向けの新聞『The Children’s Newspaper』(1919-1965)などに用いられた図像に魅了され続けました。

20130426_iseeall

“I See All” from flickr photo by mark-s- http://www.flickr.com/photos/mark_s/527377426/

ふたつめは、百科事典を編纂していることに直結した、文字通り、百科を求める人。先に挙げたふたつの百科事典はもちろん、古今東西の文学作品から美しいものを選りすぐった『One Thousand Beautiful Things: Chosen From The Life And Literature Of The World.』(1925)など、アンソロジー的なものも複数残しています。

最後に、図像と百科への偏愛が一段落した頃、もうひとつの見方が出来るようになりました。それは子供への眼差しです。『The Children’s Encyclopædia』や『The Children’s Newspaper』という名前からも当然のことではあるのですが、彼が生きた19世紀末から20世紀半ばという時代背景もあり、次代を担う子供達の教育に対する姿勢(それは先のWikipediaにあるように、大英帝国への愛国的な面も目立ちます)が強く目に留まるようになりました。ちなみに彼の業績は海を渡り、日本の教育運動にも影響を及ぼすことにもなります。

と、簡単に紹介したところで、最後にこのブログならではの余談をひとつ。

このアーサー・ミーをネットで探す過程で、もう一人のアーサー・ミーに出会いました。それも、かの敬愛する「天文古玩」さんのブログにて。

20081026 天文古玩「そそる本(2)」

作者である玉青さんがブログを書かれたのは2008年10月ですが、私が知ったのはそれから約半年後、2009年の3月のことでした。玉青さんの文を引用させていただきます。

著者のサイラス・エヴァンスという名前で、ははーんと思われた方もいるでしょうが、この本はウェールズ語で書かれた天文学書なのでした。序文によれば(ここだけはアーサー・ミーという人が英語で書いています)、この本はウェールズ語で初めて書かれた、真に分かりやすい天文学入門書だそうです。

まさか同一人物かと調べると、その名もまさに「A History of Astronomy in Wales」というサイトに人となりが掲載されていました。

A History of Astronomy in Wales: Arthur Mee

アマチュア天文家として知られているということで、同姓同名の別人同士ということがわかりましたが、偶然にも、こちらのアーサー・ミーもジャーナリストとしての肩書きを持つ人物。更に生没年が1860-1926年ということで、私が知るアーサー・ミー(1875-1943年)と同時代を生きた人でもありました。

更に驚いたのは、彼の名前「Mee」にちなんで、月のクレーターのひとつが「Mee」と命名されていたこと。もうひとつの個人的な興味の対象である月に話が及ぶとは。これだから、知ることはやめられないのです。

Wikipedia: Mee(crater)

ということで、高山さんのお話しまで辿り着かず。まだ少し続きそうです。

 

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25
4月

I’ll See All – 01

   Posted by: fumi    in Book&Magazine, Personal

数年来の夢が叶った想いです。

不忍ブックストリートの「第15回 一箱古本市」にあわせて開かれる「不忍ブックストリートweek」 4/20~5/6の期間に、トーク・展覧会・映画上映・ライブなど35の企画が開催されます。

2013 不忍ブックストリートweek

その企画のひとつとして、最終日の5/6、高山宏さんに講演をお願いしました。お話しいただくのは、イギリスの編集者、アーサー・ミー(Arthur Mee)についてです。

高山宏講演会「アーサー・ミーと知の愉しみ」

アルファベット順に拠らない子供向け百科事典『児童百科』や、全項目を図版で定義した百科事典『I See All』などで、20 世紀前半に知の愉悦を展開した英国人編集者アーサー・ミー。日本では未だ知られざる彼の業績を、著述等で触れられている学魔・高山宏先生に大いに語って頂きます。

場所◉ 旧安田楠雄邸〈文京区千駄木5-20-18〉
日時◉ 5月6日[月・祝]17:00~19:00
参加費◉ 1500円
予約◉ yoyaku@yanesen.org 不忍ブックストリート ※件名「高山宏講演会」。お名前、人数、電話番号を明記してください。

アーサー・ミーについて高山さんのお話しをうかがうことは、私個人としての数年来の夢でした。それをこのような講演会という形で語って頂けることになるとは。この貴重な機会を忘れないよう、アーサー・ミーを知ることとなった経緯や、アーサー・ミーと高山さんの繋がり、私個人の想いなど、講演会当日まで、思いのままに書き記していきたいと思います。

 

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