Archive for 7月, 2008

23
7月

大笑福亭福笑一門落語祭

   Posted by: fumi    in 日記

大銀座落語祭だけは,ただただ小朝にありがとうございます。
昨年の「柳家喬太郎におまかせの会」に負けずとも劣らず,今年はまさかの福笑・たま・喬太郎の揃い踏み。

「柳家喬太郎と上方落語 その一」
立川こはる  真田小僧
笑福亭たま  胎児
柳家喬太郎  ほんとのこというと
お仲入り
笑福亭福笑  絶体絶命
柳家喬太郎  純情日記 -横浜篇-

終わってみれば,純粋な上方落語とのやり取りと言うよりは,キョンキョン vs 福笑一門の東西新作(創作)対決。そして,この場をかっさらったのは紛れも無く福笑一門。弟子のたまが彦いちばりの肉体芸を見せれば,師匠の福笑はお手洗いが見つからずにもがき苦しむ女性のラブストーリーという不条理。そりゃもう,下品でえげつなくてひどすぎますわ(誉め言葉)。それでも,巧みな登場人物の描写と対比で最初から最後まで笑わせるその魅力。聴きながら東の名作,三遊亭円丈『肥辰一代記』を思い出す。これは是非とも東西下品対決を聴きたいもの。

一方の相対するキョンキョンは,独演会直後で抜け殻という発言もふまえると無難に返したというところか。どちらも安心して身を委ねられる噺で面白かったのは確かだけれど,客なんて勝手なもの,福笑の挑発(キョンキョンの言葉を借りると,「あの人,私を出にくくしてやると言って高座に上がったんですよ」)に真っ向勝負を挑んでほしかったところ。そうだなぁ,『一日署長』で両名をいじり倒してくれたら素敵だったのに。

さて,今席は鈴本昼でキョンキョン主任。
次の土日しか考えられないけれど,何とかね。

 

19
7月

K.xxx

   Posted by: fumi    in 日記

朝早く,山を降りて京都→名古屋→三島と電車を乗り継ぐ。
富士山の東側,湖に近い宿に車を止めた頃には,日も傾き始めるかという時間。

ここを訪れるのは六・七年ぶりか。
本やCDはもちろん,万華鏡や鉱石などのオブジェもそのままに。

しかし,せっかくの集いも,ここ数日の蓄積疲労には抗えず。
夕食時のアルコールも加勢し,遠くにピアノの音色や花火に興じる歓声を感じながら眠り続ける。

 

20080719_pension

18
7月

二十年の六年

   Posted by: fumi    in 日記

巡行も見ずに南下し,紅天女の郷。
こちらもまた大層な人の出。元々が狭いところだけに尚更。加えて朝豪雨,昼熱射,夜満月と,空の出もこれまた結構なもの。

奉納の舞や演奏を遠くに聞きながら,温泉と酒に浸ってゆっくりの二日間。

 

20080718_tenkawa

16
7月

博物館♡ラブ

   Posted by: fumi    in 日記

Mark Dionの作品が展示されているという噂を聞きつけ。

Ecosophy

東大小石川以降の作品を期待したものの,展示されていたのはそれ以前のもの。まさにその小石川で見た化石のパロディには懐かしさを覚えたが,本物に混じって置かれていたあの場だからこそ沸き立ったユーモアがここでは感じられず,ただアイロニーだけが。展覧会の趣旨から外れた見方をするこちらに非はあるのですが,それでもね。

帰途に寄った書店でBRUTUS最新号「博物館♡ラブ」を。
巻頭いきなりの東大博物館。本郷は「鳥のビオソフィア」に始まり過去の展示を振り返り,小石川は現在の展示をMark Dionにまで遡り紹介。なぜ今?という気持ちも無きにしもあらずだが,それでも読むべき内容の多さに満足。そう言えば,新しいNADiffで,東大の展示を再構成した上田義彦の写真展も開かれることも。

インタビューと共に掲載されている西野嘉章氏の研究室。そこに置かれたオブジェの傾向に,これは漆原教授の研究室じゃないかと(あっちは全く片付いていないけど)。

 

 

16
7月

稚児の足,地につかず

   Posted by: fumi    in 日記

蝦夷の民ゆえ,都の行事日程など身についている訳も無く。翌日の移動のために下りたその日が宵山とは,どおりで宿が取れないわけだ。

全くもって縁遠い世界だけに,足を運ぼうという意識はもちろん,基礎知識自体もあって無きがもの。『RON』や『MASTERキートン』が最も印象深い記憶というのも我ながら…。想像を絶する人混み(人間の一方通行も久しぶり)にも耐えきれず,こちらの友人に下駄を預けて,日付が変わるまで酒と話で避難。

 

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12
7月

鶯鳴くところ雀鳴く

   Posted by: fumi    in 日記

受け身の旅もまた楽し。

窺い知れぬところで決まっていた流れに乗せられるがまま三島まで。

ヴァンジ彫刻庭園美術館 「川内倫子展 Cui Cui」

作品を間近にしたのは一昨年夏の弘前以来かな。6×6サイズで切り取られた家族の肖像。その先には,やはり自分の家族の姿も見えてきて。

帰りの渋滞が読めなくて早めに帰路へ。そのため,敷地内の他施設を巡ることが出来なかったのは残念。今月下旬からは「ぐりとぐら」の展示も始まるので,今度はゆっくり電車の旅ででも(青春18きっぷの利用期間も来るし)。

 

20080712_vanji

6
7月

白日夢二題

   Posted by: fumi    in 日記

突然に訪れた夏の陽射しも厳しい午後三時の谷中墓地。

田中泯「場踊り」谷中

もたれかかる樹,木洩れ日の作る光と影,更にはそこに流れてきた時間。あらゆる場の要素を感じ,それに呼応して体が動く,文字通りその場でしか表現しえない姿。土の地面に残された爪の軌跡もまた踊る。

その姿を撮影するアラーキーの動きもまた踊り。横向きになってちょっと膝を曲げながらシャッターを切る姿が可愛くて。

帰宅後,昨晩放送された「スティーブ・ライヒの世界・その魅力」を。

現場へ足を運んだのは収録日の翌日だが,場の雰囲気はそのまま。そしてやっぱり『Music for 18 Musicians』。耳目を集めるとはまさにこのことか。基本的には聴覚に訴える音楽の極北だと思うのだけれど,俯瞰と寄りを駆使して演奏者の姿をこれでもかと見せつけられると(Section Vではピアノ2台の運指をフレームの左右に配する編集までしちゃうし),現場とはまた違ったところから人の存在を強く意識することに。

別撮りの『Different Trains』。
やや過剰な演出は良し悪しだが,力強い音に圧倒される。

 

 

2
7月

雲助夏模様

   Posted by: fumi    in 落語

何とかやる事を切り上げてお仲入り後から。

鈴本演芸場 7月上席夜の部「雲助夏模様」
林家正落  紙切り
五街道雲助 宮戸川(通し)

聴きたい噺家と聴きたい噺が合致した夜。通しはCDでも聴いたことなかったし(円歌であるみたい)。

よく知られている前半を拍子抜けするくらいにあっさりと流し後半へ。知らずに話す者と知りながら耳を傾ける者の弛緩と緊張の対比。その舞台が舟の上という隔離された場というのも,お互いの逃げ場のない関係を強調。

今席はもう一回くらい行けるかな。