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7月
白日夢二題
突然に訪れた夏の陽射しも厳しい午後三時の谷中墓地。
もたれかかる樹,木洩れ日の作る光と影,更にはそこに流れてきた時間。あらゆる場の要素を感じ,それに呼応して体が動く,文字通りその場でしか表現しえない姿。土の地面に残された爪の軌跡もまた踊る。
その姿を撮影するアラーキーの動きもまた踊り。横向きになってちょっと膝を曲げながらシャッターを切る姿が可愛くて。
帰宅後,昨晩放送された「スティーブ・ライヒの世界・その魅力」を。
現場へ足を運んだのは収録日の翌日だが,場の雰囲気はそのまま。そしてやっぱり『Music for 18 Musicians』。耳目を集めるとはまさにこのことか。基本的には聴覚に訴える音楽の極北だと思うのだけれど,俯瞰と寄りを駆使して演奏者の姿をこれでもかと見せつけられると(Section Vではピアノ2台の運指をフレームの左右に配する編集までしちゃうし),現場とはまた違ったところから人の存在を強く意識することに。
別撮りの『Different Trains』。
やや過剰な演出は良し悪しだが,力強い音に圧倒される。