初めて見たスイスのパスポートに驚愕。
なんだそのカッコよさ(頭悪い感想だな…)。
展示用木箱のアイデアは非常に参考になりました。
http://www.d-akihabara.jp/exhibition/sb/index.html
8時起床,9時近江町市場へ。海鮮丼を喰らおうと思うも場内の食堂は軒並み10時以降の開店。仕方なく開いている魚屋の店先に売られている寿司パック,そして鰻の肝の串焼きをテイクアウト。
市場前から運賃100円の「ふらっとバス」に乗って21世紀美術館へ。いよいよこの旅本来の目的「マシュー・バーニー:拘束のドローイング展」。展示の前にまずは映画から。
色々と言葉を積み上げることは出来そうだけど,シンプルに言えば仲良きことは美しき哉。壮大な夫婦漫才を存分に堪能させていただきました(噂の解体ショーも目を逸らさずにね)。一方の展示のほうは映画の衝撃が大きくて正直,それほどでも…。
作品そのものからは離れてしまうけど,その行動力には惜しみない賞賛を。やってることは変態だけど(もちろん褒め言葉),その変態を実際にやり遂げるには相当な困難が伴ったはず。それらありとあらゆる交渉折衝直談判を乗り越えた先に完成したアートだと考えると,この人から学ぶべきものは感性でも表現手法でも何でもなくて,卓越したコミュニケーション能力なのでは?。
マシュー・バーニー以外の21世紀美術館での展示も幾つか。
やっぱり好きなのはLeandro Erlichの「Swimming Pool(La Pileta)」。ちょっと小さいだけでごく普通のプールに見えるけれど,実際に水が存在するのは水面から10cm。その下には透明ガラスを隔てて水色に塗られた空間。そこからの眺めはまさに水中にいるかのよう。特に陽射しが強いと波で光が拡散してそれは綺麗。夜も良さそうだなぁ(月が昇ってたりするとどう見えるんだろ?。夜に再訪しようと思ってたんだけど,後述のサロンに沈んでしまったので行けず)。
もうひとつは「アナザー・ストーリー」展の中で展示されていたCarsten Nicolai の「Milch」(google image)。様々な周波数で揺らされたミルクの波紋の写真。Sketch Show『ekot』のPV(こちらは辻川幸一郎。そして「milch」より後だけど)をちらと思い出す。
ここからは泉鏡花記念館→志摩→妙立寺と駆け足で観光(途中に古本屋もちょこちょこ)。なかでも妙立寺は見応えあり。別名「忍者寺」と呼ばれるだけのことはある仕掛けの数々。何処かの大学の建築学科あたりがCADデータにしてないんだろうか?。
金沢最後の晩餐は中心街からちょっと離れて民家を改装したサロン(飲み屋)へ。
もうね,帰りたくないんですよ…。西洋画家の伯父さんちに来たような気持ち(そんな人,いないけど)。古いながらも隅々まで手の行き届いた空間,心地良い靴音のする板張りの床,暖色系でちょっと暗めの間接照明,荒れているわけではなくただ自然のままと感じられる中庭…。あまりの居心地の良さに,お勘定時,店主の御婦人に「泊まることは出来ないんですか?」とつい(別に口説いている訳ではありません)。もちろん食事も美味かったぁ。
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朝イチでICC。『アート・ミーツ・メディア:知覚の冒険』。
最終日ということで混雑を予想していたんだけど,思いの外,すんなりと。
しかし,最大の期待を持って臨んだ池田亮司の「db」が全く心に響かなかったのが何とも。緊急停止ボタンまで渡されて体験する真暗な無響室での音の恐怖には退屈感を覚え(比べるものじゃないんだろうけど,Square Pusherのような音のほうが聴いててよっぽど命の危険を感じる),そこから転じて訪れる真白空間はそのディテールの甘さが気になってダメ。天井の剥き出しになった蛍光灯,そこかしこに隙間のある床材(下から覗く黒い筋がそこかしこに…)…。ガッツリ金をかけて作れば『2001年宇宙の旅』のあの白い部屋になり得たかもしれないのに。
一方,堪能したのはRafael LOZANO-HEMMERの「Frequency and Volume–Relational Architecture 9」。スクリーンに映る自分の影の位置で様々なメディアの音が聴こえてくる。田舎に住んでいた時に,東京のラジオが聴きたくて深夜にアンテナをグリグリ動かしていたあの感覚(ここでは自分自身がアンテナ)。しかし途中で韓国ドラマらしい男女2人の安い恋愛模様が流れ出し,ついその展開に釘付け。逆にこの周波数を逃したくないと体を硬直させて聴き入る。
朝イチで世田谷美術館,「瀧口修造:夢の漂流物」。
諸々の展示物の多くは過去に紙媒体で見つめていたものを立体として再確認する作業が主。もちろん,それがおもしろくないかと言われるとメチャメチャおもしろい訳ですが,だからといって強烈に感情を揺さぶられることはさすがに無し。
なんてヘタな余裕をぶちかましながら,一休みするかと展示順路途中にある休憩スペースへ足を踏み入れる…。
畏怖と戦慄で足が動かず。一日中ここにいてその景色の変化を眺めていたい。出来ることなら朝から晩までビデオを回したい(休館日にスタッフの方がやってくれないっすかねぇ。DVDにしてくれたら絶対に買う)。そして,天気の良い午前中に来た自分の運に限りなく感謝(曇りや雨,そして日が暮れた後ではこうはいかないだろうし,また敷地図を眺めるとその方位から午後遅くではちょっと微妙な感じ(もちろん,実際に見てみないとわからないけど))。
ここでこれをやろうと考えた人は「してやったり」と思ってるんだろなぁ。どなたかは存じ上げませんが,本当に素晴らしい体験をありがとうございます。
その後,渋谷パルコの地下でチェコのマッチラベルの展示を鑑賞。切手とはまた違ったおもしろさ。
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ふらっと小石川。「学術標本の宇宙誌−COSMOGRAPHIA ACADEMIAE−」。
Mark Dion「Microcosmographia」を再編集した展示。いかにも展覧会然としていた(展覧会だったんだから当たり前)当時とは異なり,いい具合に力の抜けた空間構成。来館者もほとんど無く,日曜日の中学の理科室,もしくは大学の研究室を思い出す。
東大で「メディアとしての建築 – ピラネージからEXPO’70まで」展。ピラネージの版画集から国力・産業の発揚としての建築まで。
ロンドン・パリ・シカゴ・大阪などの万博に混じって,アルベルト・シュペーア(Albert Speer)の「光のドーム(Lichrdom)」。ちょっと調べたら,正面スタジアムはまだ現存してる様子。ニュル再訪時は是非とも。
気になった展覧会三題。開催日の早い順にメモ。
まずは「ルイ・ヴィトン 時空を超える意匠の旅」。
そもそも縁遠い世界だし,また現代のファッションとしての存在も全く興味無いんだけど,何かの本で見た「船旅用のブックケース」にとにかくやられた。その現物の展示があるのかどうかわからないけど,行ってみるだけは行ってみとこうかと。ただ会場が六本木ヒルズ。つらい…。
続いて「<ミュシャ> プラハ城切手展」。
その筋では有名なミュシャ(またはムハ)のデザインによるプラハ城を描いた切手の展示。その下絵を利用したという入場券も気になる。会期が極端に短いのでそこだけは注意。
そして極めつけはポール・デルヴォー。昨年から日本で巡回展が催されていたのを今頃になって知ったよ…。慌ててスケジュールを見たら,残すは2/5からの福島美術館のみ。
デルヴォーと言えばやっぱりリーデンブロック教授。ベルヌの原作『地底探検』での偏屈爺っぷりが好きな身としては,デルヴォーの絵の中の教授はちょっと格好良すぎるきらいもあるんだけど,まぁそれはそれ(そもそも未だ実物を眺めたことがないんだから)。ベルギーと福島はどっちが近いんだよってことで,これを逃すと当分見る機会を失いそう。久しぶりに緑の新幹線に乗るか。
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某所で招待券をもらったので,ビッグサイトへ赴き「骨董ジャンボリー」。
初めて足を運んだこのイベント,出展数約500ということでただ徘徊するだけでもとにかく楽しい。結局,15時に入場して『蛍の光』の鳴り終わる18時ギリギリまでみっちり。
で,今日のお買い物。
まずはなぜかカメラ屋の店先に並んでいた小さい硝子瓶を三本。これにミクロ貝殻を入れると良さそうということで。
ちなみにこのカメラ屋,いつその前を通っても女性客でいっぱい。なんでだろうと思ってよくよく見たら,店主はジ・アルフィーの真ん中の人(帰宅後,ネットで調べるとこのイベントの常連さんらしい)。どおりで。
続いて日めくりカレンダー。昨年末の石垣島渡航時,初めて利用した羽田空港第2ターミナルで入った文房具屋「書斎館」(南青山に本店あり)にてアンティークのそれらを見て以来,ちょっとした興味の対象に。そしたら今日,一切の装飾を排したメタリックな佇まいのこれに遭遇。店主のオッサンのトークがおもしろかったことも相まってつい。
諸々の予定(しがらみとも言う)を把握するには週単位・月単位のカレンダーのほうがいいに決まってんだけど,そこはいい大人として生活にゆとりと潤いを取り入れたいの心。朝起きて日付をパタッと回転,更に右下のつまみで曜日をあわせる。そこからが一日の始まりというけじめ(まぁ,次第に忘れて複数日分をパタパタパタッとやるんでしょうがね)。またそんなこちらの気持ちを知ってか知らずか,会場では気づかなかった仕掛けも。31日から1日へはいきなり切り替わらず,その間に3パターンの英文,「Turn Top Toward Yourself」「Change Month」「Turn Slowly」が挿入。
その一方で,まだまだ大人になりきれない性根からある相似律を発見。11日のその姿,まんまボンバーマン…。
こんなところで収拾つくかなと思ったら,最後に質実剛健な硝子ケースに遭遇。大きすぎず小さすぎず,値段もこの手のものでは破格。無造作に家中ちらかった異形の者や物どもの一括管理・陳列に適しているなぁということで購入。実際に使ってみたらこれがピッタリ。Playmobil,遮光器土偶,食玩,欧州土産,各種標本…。何でもこい。
ケース自体の佇まいは言うまでもなく大満足。硝子の色,角にあしらわれた金具の意匠などなど。こうなると無駄にライトアップしたくなってきた。
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そぼ降る冷たい雨の中,東大の博物館まで。「『Systema naturae』〜標本は語る〜」,並びに「須田昆虫コレクション」展。
鉱物・化石・動物骨格標本・昆虫標本…。まさにヴンダーカマーな展示の連続。ひと通り眺めて再確認したのは,己の小さく精細なモノへの偏愛傾向。特に小動物の骨格標本には格段の興奮を覚える。たまらなく手のひらに乗せて愛でたくなった土竜や溝鼠の全体骨格,小猿の向こうが微かに透けて見える薄さの頭蓋骨,更に蝙蝠の白骨からそのまま伸びる黒い爪の曲線(色のコントラストもたまらん)…。
後はいつものお決まり,この手の展示を見る度に自省する編集と整理の重要性(昨日と同じこと言ってるけど)。資料調査で所有雑誌・書籍を探そうとするも,空間の歪みに飲まれ姿を見せないことが頻繁に起きる我が家を何とかせねば…。
そこから流れて「美篶堂 美術製本展」へ。白い手袋をしての鑑賞。杉浦康平デザインの『井上有一全書業』,『モナリザ百微笑』。原研哉デザインの『紙とデザイン』に始まり桑沢賞の賞状まで食い入るように眺める。
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所用。後,活字を拾いに渋谷パルコの「印刷解体」へ。所望するのは「幻獣(= Imaginary Beings)」と月関連。が,そうは上手くいかず「幻」と「朋」,「朔」をおさえるに留まる。うぅ,せめて「獣」だけはなんとしても…。
渋谷の人混みよりも本の街の人混み,半蔵門線で神保町へ。『のだめカンタービレ #10』,「太陽」のバックナンバー3冊(谷中全生庵の幽霊画が数多く紹介された「お化けと幽霊」,「本の宇宙誌」,「南方熊楠」)などを捕獲し,『東京人』の神保町特集で知った未踏古書店の幾つかにマーキング。
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