Zepp Tokyoにて岡村靖幸「フレッシュボーイTOUR」初日。
尋常ならざる空気が立ちこめた,ひたちなかでのあの25分。しかしそれも全くの序章に過ぎませんでした。2度の休憩を挟みながらの怒濤の2時間半,「見た」よりも「見てしまった」と言いたくなる完全復活のステージ。
7年待った観客の意気込みもすさまじいものが。しかしそんななか,体の芯からホッコリと暖まる会話が耳に飛び込む。開場して十数分後,前から2ブロック目のところで思い悩む野郎二人組。
男A:「久しぶりだから,こんなに前だと照れない?」
男B:「やっぱり照れるよなぁ。もう少し後ろにしようぜ」
あんたら,狂おしいほどに愛おしいよ。
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デコトラと夜と新木場と
怒濤のライブ週間,スタート。
初日の今日は,クレイジーケンバンド「777 Tour」を新木場Studio Coastで。
今日がツアーファイナルということで,事前に脳内妄想が膨らみすぎてしまっていた分,個人的には勝手ながら不完全燃焼。特にアッコさんの登場を信じて疑っていなかったので(もちろん歌うは『タイガー&ドラゴン』),その不在だけでもかなりガッカリ。Rhymesterが現れての『肉体関係 Part 2 逆Featuring クレイジーケンバンド』だけじゃなぁ…(とは言いつつ,冷静に考えればCKBのライブがつまらない訳なんかないんだけど。『いかつり船(小野瀬雅生ショウ)』ではそりゃもう狂いましたよ)。
2月にはホームグラウンドのィヨコハマはパシフィコ横浜でのライブも決定しているとのことなので,アッコさんはそっちに期待。
Media Media Media
結局,引きこもったこの連休(月曜も休んで4連休)。
まずは連休開始早々,ネットラジオ「ウェイン町山のモンド in USA」が無料聴取期間ということを知り,暇を見つけては聴く。バックナンバーも全て聴取可能で有料会員の方々には申し訳ない限り。
続いて円急騰前(ショック…。突然に過ぎるよ)にオーダーしたブツがamazon.comから。
DVD 『Cremaster 3』 Matthew Barney
DVD 『Brazil the Criterion Collection』
日本公開時には敬遠してしまった(上映時間の長さに断念)『Cremaster』全5シリーズ。その一部,3だけが現時点でDVD化。雑誌その他媒体では眼にしていたけれど,映像として見るのはもちろん初めて。モデルにしてアスリートであるAimee Mullinsの独り立つ美しさはもちろん,狼藉の限りを尽くされたグッゲンハイム美術館の景色(ドリフの書き割りセットの如き。あの螺旋の上からタライが落ちてきてもおかしくないくらい)がおかしいったらありゃしない。『ブラジル』は『Cremaster』にやられてしまって今は本編を見る気力無し…。ドキュメンタリーのみでお茶を濁す。
更に唯一出かけたいつものとこで諸々レンタル。
CD 『Safety in Numbers』 David Van Tieghem
CD 『Dream & Desire』 Manuel Göttsching
CD 『Hula – Hula Dance』 Kenji Jammer (a.k.a 鈴木賢司)
DVD 『サディスティック&マゾヒスティック』 監督:中田秀夫
David Van Tieghemは,その昔,坂本龍一のMedia Bahn Tour に参加したことでその名を知った(ちょうどその頃,日本のTVCMにも出た記憶が(スティックでNYの街を叩いて歩いていたような))パーカッショニスト。かつて同アルバムをLPで買ったんだけど,今,急に聴きたくなってつい。
Manuel Göttschingは,『E2-E4』のあの終わりなき昂揚感を期待すると失敗と思ってしまいそうだけど,それを抜きにして聴くと,これはこれでたゆたう心地良さが持続していい気持ち。
Kenji Jammerは自分が知っている鈴木賢司(そういや,彼も坂本龍一と絡んでた。『Ballet Mecanique』のギターソロ最高!)以降の歴史を埋めるために。熱い学生服ロッカーの面影何処な力の抜けっぷリ。かつてのEBTGの音部分だけとでも言うか,様々なジャンルの融合した穏やかなギタープレイ。期せずして秋の夜長にぴったり。
最後に『サディスティック&マゾヒスティック』。中田秀夫が師である小沼勝,そして日活ロマンポルノにオマージュを捧げたドキュメンタリー。が,個人的には谷さん(谷ナオミ)目当て。いや,包容力に充ち満ちた素敵な女性でした。次は単独作品も見てみたいもの。
Electronic Apeman
AmazonさんからKarl Bartos(Ex-Kraftwerk)『Communication』届く。
正直,このピクトグラムに惹かれてのジャケ買い。ライナーを見ると,収録曲のひとつひとつにも曲にあわせたピクトグラム有り(『The Camera』はもちろんカメラ,『I’m the Message』は海外の旅行者用インフォメーションセンターでよく見かける「i」の文字)。アートワークはハンブルクのWeissraum。サイトを見ると,CD Extraで入っている『I’m the Message』のPV(これまたピクトグラムで傑作。上記Weissraumのサイトでも視聴可)も作った様子。
ジャケだけでなく,パッケージとしての佇まいも素敵。Burgopakによるパッケージングシステムで,片側にあるベロを引くと,反対側からCDが出てくる仕組み(上記サイトにビデオでの実演有り)。
で,肝心の音は…。
Kraftwerk meets Dead or Alive and New Order in 2003とでも申しましょうか。某所でも書かれていたけど,特に3曲目の『15 Minutes of Fame』と New Order『Blue Monday』のイントロが激しく似て蝶。
múmのライブをLiquidroomにて。
しかしその前にセカンドアクト,同郷のMugisonの一挙手一投足に釘付け。客の声をサンプリング,それをそのままバックトラックに使おうとするんだけれど,その声を出させるための煽りがいちいちすべる…(客ポカ〜ン,のち失笑)。さらには,そのサンプリングに使用していると思われるノートPCが不調で,茶目っ気たっぷりに八つ当たり。あんな危なっかしい綱渡りライブ,高校の文化祭でもそう見られないだろうよ(褒めてます)。喋りもめちゃめちゃおもしろいし(母ちゃんが作ってくれた楽器の描写,しかも結局それが動かなくて憤怒),私的アイスランディックミュージシャンランキングでも一躍トップ入り決定。CD買わなきゃ(あの動乱のライブの後に聴いても物足りなさを感じそうで不安…)。
本命のmúmは,此処ではない彼処の音楽の雰囲気十二分。とは言うものの,同郷であるSigur Rósのそれとは明らかに違う場所。もう少し精神的に余裕があると言うか,行動に自由があると言うか…。Sigur Rósのような,強いられた極限の緊張の果てに訪れる光ある世界とは全く別。また,エレクトロニカで牧歌的と言いつつも,実はbjörkから繋がる彼の国のパンク成分を感じる瞬間も多々。ガーリーの王道を行くような,あの空気の漏れたボーカルに騙されてはいけないと,なぜか執拗に思ってしまいました。
そう言えば,Mugison,múm共に,12日に逝去したJohnny Cashに捧げると言って歌うこと数度。名前しか知らず曲を聴いたことがなかったのだけれど,今思うとセット替えの間に流れていた曲も彼によるものだったのかも。
しかし,相変わらず彼の国の人の話す英語は聞き取りづらい(向こうにしたら日本人に言われたくないだろうけど)。björkのインタビューを聴いたことのある人ならわかってもらえるかと思いますが,あんたら,ほんとに舌巻きすぎ。
David Bowieが,最新DVDシングル『New Killer Star』で,あのSigue Sigue Sputnikの『Love Missile F-1 11』をカバー!。
彼らの正しかったことが,ついに歴史上証明されました。いやぁ,本当に素晴らしい。
下記,ボウイのオフィシャルサイトにはジグジグのメンバーのコメントも掲載。元々ボウイファンでもあるTony Jamesの嬉しそうなことと言ったら…。良かったなぁ,おい…(もらい泣き)。
来春とも言われるボウイ来日公演で,この曲を演奏してくんねぇかなぁ。そんなことになったら,2002年,突如渋谷で行われたジグジグライブ(ロマンポルシェ。と共演。その模様はDVDとしてリリースされています)での同曲の盛り上がりを超えるとんでも景色が繰り広げられそう…。
http://www.davidbowie.com/freebowie2/news/news.php3?month=200308
(8/23のニュースを参照)
It’s in her hands
いよいよこの旅のメインイベント,björk & Sigur Rósのライブへ。
Wラインに乗って終点のコニーアイランドまで。会場は,ジェットコースター「サイクロン」でお馴染みの有名遊園地,の隣にあるKeyspan Parkという野球場(マイナー球団,Brooklyn Cyclonesの本拠地)。バックスクリーン前にステージが据えられ,客席はオールスタンディングの外野グラウンドとシートのスタンドという会場構成。振幅ありすぎてまったく読めない客層がおもしろすぎ。
20:00,オープニングアクト(すみません,名前忘れました)に続いてSigur Rós登場。バックにはストリングス隊も健在。1曲目,4月の国際フォーラムでのライブ同様に『Untitled #1(a.k.a Vaka)』が来ると思いきや,全く耳慣れない曲(新曲?)。たゆたう心構えでいたところにくらわされた高速ドラムの旋律に面食らい。
その後はいずれも既曲。『Mílanó』『Gong』『Olsen Olsen』『Hafssól』『Vidar Vel Til Loftárása』『Untitled #8』,そして最後に『Smáskífa』。途中もう1曲はあったと思うので,全部で8~9曲,約1時間のライブ。相変わらず,途中で涙腺緩むことしばしば。それを堪えようとして上を向くとそこに星空。更に緩むの繰り返し。ただ野外ということで客席側の集中度が足りなかったのがマイナスポイント。くっちゃべりは当たり前,曲終わり,静かにフェードアウトしていく時に会場内を練り歩く売り子の「Beer! Beer!」が響いた時には失笑が起きるし…。
21:20頃,姐さん,ついに登場。バックにはVespertineツアー同様にMatmos,Zeena Parkins,そして新たにストリングスが6人程。
『Hunter』で始まって,3曲目か4曲目の『joga』でステージ上,火柱が20本程上がる。更にはステージ遙か後方,海側からレイキャヴィクの年越しかと思うくらいに花火がドカンドカン上がりまくり。最初にこのライブが行われると知った時,会場はてっきりマンハッタンのどこかの公園だと思っていて,まさかこんな遠くでやるもんだとは思わなかったんだけど,この花火を見て納得。現時点での正確な規制は知らないけれど,やっぱりこれだけの花火をマンハッタンで上げるのには問題あるんだろうなと…。
途中,何の曲かは忘れたけれど,スタンドからステージに向かってシャボン玉が宙を飛ぶ。
ラスト2曲(『It’s in Our Hands』ともうひとつ(おかしくなってて忘れた))は上げ上げ。これでもかとばかりに火柱と花火は上がり,シャボン玉は舞う。
自分のこのライブへの意気込みはSigur Rósがメインで,姐さんはそりゃ見たいに決まっているけれど,正直Vespertineツアーほどの期待はしていなかったという程度のもの。実際,序盤は相変わらずのキュートと言うよりはコミカルに近い立ち居振る舞いに微笑む余裕すら。しかし中盤からは生きとし生けるもの全てを憑依させてそこに立っているような圧倒的存在感にすっかり当てられっぱなし。
しかも横にはあの俗物極まりない(褒め言葉)遊園地。清濁・聖俗・グッドテイスト/バッドテイスト…。背反二項だけではないけれど,ここでライブが行われたことに何らかの意味をつい感じてしまうし,また全てを併せ呑むその度量。感服…。
A-B-C-D-Vitamin
ツェーツェーツェーデー(CCCD)を回避したため,約2週間遅れでKraftwerk『Tour De France Soundtracks』購入。
実は新譜が出たというだけで満足なんだけど,その中でもアルバム1枚を貫く鋼のコンセプト復活にメロメロ。「ツール・ド・フランスのサントラなんて外から提示された企画モノだろ。やっぱり神自らが見せてくれるテーマじゃなきゃ」なんて思っていた自分を恥じるばかり。最初から最後まで順に通しで聴くのが礼儀。
収録曲の中では『Vitamin』が今,一番。でもやけに細野さんの音色に聴こえるんだよなぁ。
Power Cuts
ニューヨークその他複数の都市で大停電。
勝手ではありますが,今週で良かったと思わずにはいられません。どうかこの混乱が尾を引きませんように…(でも,もし同じことが日本で起こったら,暴動・略奪その他,治安の悪化は絶対に日本のほうが酷いんだろうな。と,思ってみたり)。
ところで。
某所にてブラックアウトの夜に聞く(言うまでもなく,WalkmanやiPodなどを使って)サントラという書込みを発見。
Energy Warning – Boards of Canada
Darklands – Jesus & Mary Chain
Waiting for the Moon to Rise – Belle and Sebastian
Build a Fire – the klf
Open the Light – Boards of Canada
There is a Light That Never Goes Out – the Smiths
では,復旧した時のサントラはと,マイライブラリを一覧して考える。かなりベタな選曲…。
It Must be the Light – Michael Nyman
I Saw the Light – Todd Rundgren
Energy Flow – Ryuichi Sakamoto
Neon Lights – Kraftwerk
Electric Boogie – T. Rex
We’re All Light – XTC
Electronica
Sketch Showがパクッた(言い過ぎ)múmの来日が決定。
昨年のサマソニは行ってないし,もちろん現地でも見てないしで,ようやく生で体験することが出来そう(もちろんチケット取れればの話)。でも双子(ベルセバ『Fold Your Hands Child, You Walk Like a Peasant』のジャケでも有名)の一人が抜けちゃったんだよね。
ちなみに,そのパクッた(だから言い過ぎ)Sketch Show。昨年12月に行われたライブで販売されたパンフには,これからの予定(は未定)スケジュールが。björkの前座もやるって書いてたような。