辛抱堪らず日比谷までチャリを飛ばし,2日連続の『School of Rock』。
やっぱりおもしろい,そしてちょっと泣けてもくる。
なぜか昨日は買わなかったパンフも無事入手。600円という最近では比較的良心的な部類に入る価格設定(平気で800円とか取るやつあるよな)に加え,映画内で名前のあがるミュージシャンやバンド,楽曲の説明も詳しく書かれていて更にお得感あり。その中でも中原昌也の文章には心底痺れる。個人的にもCCCDや海外盤CDの輸入規制問題など,確かに暗澹たる気持ちになることばかりだけど(もちろん暗澹とすることが良いことではなし),こんな映画を見せられるとまだまだ音楽も世界も捨てたもんじゃないと思わずにはいられず。
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人見記念講堂にてDavid Sylvianライブ。
ステージ上はデヴィシル,Steve Jansen,そしてバックの映像を担当する高木正勝の3人構成。前半はキーボードの前に座り『blemish』主体で進行し,途中からはアコギに持ちかえて新旧色々取り混ぜてという選曲。とにかく低く震えたあの声の魅力に酔いしれる。なかでもまさかの『Praise』にはこれ1曲だけでライブ全体として満足するくらい。
しかし,はっきり言って映像が邪魔。音との関連性を感じさせる要素がほとんど無いにもかかわらず,やたらと視覚にだけは訴えたつくりで(パーティクルの高速運動,きつめのエフェクトと色彩…),そのため肝心の音への集中をひどく妨げられる。結局,毎曲演奏開始時にステージを見つめ,そこでつらいと思ったら即座に頭を下げ眼をつぶっては音に集中するの繰り返し。
一応断っておきますが,映像だけを別に切り離して鑑賞すれば刺激的と感じるであろうものもなかにはありました。ただそれがこのライブの主役が奏でる音と一緒に使われる必然性が全く感じられなかったという話。どういう理由からかはわからないけれど,途中で2曲ほど映像を使用せずに演奏された時には明らかに音を敏感に捉えられただけに更にその想いは強まるばかり。となると,あのハコの大きさでもしステージ上に兄弟2人だけだったら見た目にしょぼいという単なる見栄えの問題?(個人的には別にしょぼいなんて思わなかったほど音には満足してたけど)。
と言うか,今回使われた映像の中の幾つかは以前に足を運んだ高木正勝自身のライブで見たことのあるものだったんですが…。他人の曲のために作られた映像をそのままデヴィシルの曲に使い回してもそりゃあうわけないんじゃ?。もちろんどの曲にどの映像を使おうという選択には気を配っているんだろうけど,例えば完全に音との同期を狙ったKraftwerk,またあの音世界を更に増幅させる映像を見せてくれるSigur Rósなどに想いを馳せると客をなめてんのかよと…。
なんてことを眼をつぶりながら考えていたら次第に腹が立ち始め,思考は更にあらぬ方向へと飛躍。ライブ以外,例えばPVでもどれだけ音の世界を広げているものがあるのかとか,逆に画としておもしろかったら音のほうが意識から消えることがあるよなとか,それって”Video Killed Radio Star”どころか”Video Killed Music”じゃねぇかよとか,つべこべ言わずにお前が映像を作ってみろよとか,もう何考えてんだか収集つかない状態。
久々,リアル店舗でCD購入。
Kraftwerk 『Aero Dynamik』
The Art of Noise 『Into Battle with The Art of Noise』 (20th Anniversary Edition)
múm 『Summer Make Good』
神々の音源ははっきり言って失敗…。神々自身によるもの,またAlex Gopher,Francois Kのリミックスも正直乗れず。The Art of Noiseは遅れてやってきたデビュー作。正直,おまけのDVD(PV4曲収録)目当ての購入。でもそれで正解。コラージュアニメーションによる『Beat Box Pop Promo』が出色(途中挿入されている謎の日本語も気になる)。
最後に今年のフジロック出演も決定したmúmの新譜。陳腐極まりない言い方だけど,エレクトロニカの枠を超え,そこからSigur Rósの磁場に引き寄せられたような音。明るく可愛いだけの季節は過ぎ,暗く厳しい世界へ。しかしだからといって絶望や虚無には決して支配されず,その中にあっても凛として生きていく強さが激しく感じられました。なかでも昨年秋の来日ライブでも演奏された#2『Weeping Rock, Rock』に夢中。ピアノのリフとドラム(そういやライブでもドラムがやたら上手かったなぁ)が素晴らしい。
いつも見ているbjörkとSigur Rósのサイトでエイプリルフールネタ。
アイスランド人の笑いの気質がまだよくわかってないんだけど,それにしてもあんたら,共にファン心理に訴えすぎ。特にSigur Rós。彼らのある1曲の一部分を歌ってそれをmp3ファイルで送ってくれというコンペで,優勝者にはなんと現在製作中の次回アルバムをリリースの3ヶ月前にプレゼント。自分も一瞬どうしようかと迷ったんだけど,世界には本当に歌って録音して送った人がいたそうで…。
それに比べりゃ,うちなんて全然可愛いほうよね。レトラライン(蛍光黄緑 0.5mm。伊東屋にて441円で購入)がこんなに効果的だとは思いませんでした。
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Playmobil #1234(Kraftwerk Special Edition)入手。
15年ぶりという本国ドイツでのライブを記念して,国内のライブ会場のみ限定のPlaymobilが発売されている(Kling Klangのオンラインショップにも無し)という書き込みを先週頭に某サイトで発見。そりゃもういてもたってもいらず,最近ネットで知り合ったベルリン在住のクラフトワークファンの人に半ば無理矢理お願いして購入・郵送してもらいました。
ライブに行った人ならおわかりでしょうが,今回この限定品で採用された4人の姿はアンコールラストに身を包んでいたワイヤーフレームスーツ。残念ながらglow in the darkではないけれど,その蛍光黄緑のラインはとにかくカッコイイ!の一言。
プロジェクター用のバックスクリーンには,アンコールで演奏された曲『Aero Dynamik』と『Music Non Stop』の2種類のシールが付属(画像はもちろん『Music Non Stop』。もう1曲演奏された『EKG (a.k.a Elektrokardiogramm)』は残念ながら不採用)。裏表に貼っておけば気分で切り替えることも可能。
そりゃもうもう大満足なんだけど,敢えて不満を言えばフローリアンの髪がしっかりあるのがちょっと納得いかないかなと…。髪のパーツを取ってパテ盛り,坊主頭にするってのもいいかもしれないと今後の計画。
最後にアイテムナンバーの#1234について。これってやっぱり『Numbers』の歌詞(あれを歌詞って言うのかどうかわからんけど)に由来すんだろうな。となると,日本人ならば「千二百三十四」ではなく「イチニッサンッシー」と力強く叫ぶべき。
抜歯後の消毒に行く道すがら,デルプラド「世界の鉄道」シリーズのDB VT11.5 TEEを購入。
Kraftwerkのライブでおなじみのこの車両。何らかの形で欲しいとは思っていたものの,メルクリン(#37605)のなんて超弩級価格で買えたもんじゃなし。ってことで自分の身の丈にあったこの価格は素直に嬉しい。
にしても,乗ってみかったなぁ。
先日のロシア・アヴァンギャルド関連のネタを調べるべく,朝イチから図書館。
片っ端からあたってみるも,具体的にこれといったものには出会えず。特に「Resolution ‘A’ in Art」はひとつとして手がかり無し。
仕方ないんで音楽コーナーへ。
何をと決めるでもなく最初の棚から次々と眺めていくと,「T」のところで我が眼を疑う名前。古本屋で『全宇宙誌』を発見した時に匹敵する衝撃に,手を伸ばして触れていいものかどうか,いやその前に本当にそこに存在しているのかどうかすらわからない白昼夢のような感覚。Tiny Timを入荷するおらが町の選盤センスには敬服を越えて畏怖の念すら抱くよ…。
帰宅してさっそく聴くと,その中の1曲,『Livin’ in the Sunlight, Lovin’ in the Moonlight』(ライナーによると,オリジナルは映画『The Big Pond』(1930)でMaurice Chevalierが歌ったもの)にガツンとやられる。非の打ち所のないタイトル,眩しいばかりに能天気でポジティブな歌詞。そしてそれをウクレレ弾きながらファルセットで歌うTim。
アハハハハ。
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1985年7月13日の出来事,あの「Live Aid」が今年のクリスマスを目標についにDVD化されるらしい(BBC News : Live Aid finally gets DVD release)。
今までDVDどころかCDすらリリースされなかったのになぜ今?。と思ったら,ボブ・ゲルドフがネットでの違法販売を見つけてのことらしい(BBC News : geldof thwarts ‘Live Aid pirate’)。複雑ではあるけれど,ある意味では販売者に感謝すべきなのか?。
その日の自分を振り返ると,テレビにかじりついて見ていたことは覚えているものの,フィル・コリンズがコンコルドを使ってアメリカ・イギリス両方のステージに上がったことくらいしか鮮明な記憶はなし…。復活の礎となったQueenのどえらいパフォーマンスも,アメリカラストの『We are the World』での醜いマイク争奪戦も,そして信じられない仕切りをやらかした日本のテレビ局の悪行も,後に色々な媒体から補完したようなもの(っつーか,田舎にいたから日本のテレビ局の放送自体ちゃんとされてなかったんだよ!)。
全出演者全演奏を完全収録(ブートだとDVDで10枚組。ちなみにセットリストはここで見られます)なのか,それともぶつ切りなのか具体的なパッケージングについてはわかりませんが,とりあえずQueenがノーカットで収められてたら買い。
それまでは一足先にCDリリースが実現した『Chef Aid』でも聴いて待ってます。
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暴威さん2日目。
昨日からセットリストが約1/4変更(詳細はこちら)。独逸の四神もこれくらいの柔軟性があったらなぁなどと無理な願望を抱きながら今夜も堪能。
昨日からうっすら思い始めてはいたんだけど,『Heathen』っていいアルバムだったんだな。『Sunday』『5:15 The Angles Have Gone』『Heathen (The Rays)』…,特に『Slip Away』がこんなにウルッと来るとは思わなかった。
歌詞の内容は本人が昔好きだった子供向けテレビ番組『The Uncle Floyd Show』について。でもそんなこと歌われても極東の人間には何が何だか(ま,含意は色々あるのでしょうが…。でも無理矢理直球ローカライズをすると,岡村靖幸が『ピンポンパン』好きだったと歌ってるようなもんでしょ?。あ,ちょっとおもしろいかも)。でも暴威さん,そんな歌詞をそりゃもう歌い上げる上げる。そして背後のスクリーンにはサビの歌詞とそれを追うように跳ねる番組内に登場するパペット。いやほんと自分でも良く分からないんだけど泣かされた…。
アンコールでは『Bring Me the Disco King』。Mike Garsonのピアノにやられる。
そう言えば,さすがに『Love Missile F1-11』はやってくれなかったか…(やるかよ)。
先週のKraftwerkライブ終了後から結構な風邪状態。すぐに治ると楽観視していたものの,今日になって咳のし過ぎか肋骨まで痛む始末。やはり寄る年波には勝てず…。
それでもショーマストゴーオン。57歳の英雄が来るってのに風邪なんかで寝てられるか。
ってことで,今日・明日と玉葱の下で初のDavid Bowieライブ。
この年になって初めて目の当たりにした暴威さん。でもそのわりには淡々とした心持ちでいられたと言うか,あ,本当に存在するんだなぁという妙な感覚に襲われる(一方で,『All the Young Dudes』には涙腺が緩むし,また『A New Career in A New Town』が聴けたのも何気に嬉しかったのですが)。
むしろ暴威さん以上に印象的だったのはスキンヘッドの女性ベーシスト,Gail Ann Dorsey。均整のとれた筋肉質の肉体に褐色の肌。その上に纏うのは純白のドレス。後ろからのライトで透けて浮かび上がる脚のしなやかな力強さもただただ美しい。
ライブ中盤,メンバー紹介で一番最後に名を告げられた後,暴威さんが語る。「フレディと一緒に作ったこの曲,彼のパートは彼女が歌います」。もちろん聴こえてきたのは『Under Pressure』のベースライン。フレディとジョンの役を一人でこなすんすか!。しかもその声はフレディ追悼コンサートでのアニー・レノックスを思い出す存在感。