目が覚めると雨の音。こんな日は雨読。
夕方には小降りになったので飯がてら外出。ふらっと入ったヨドバシで『Concert for George』を発見。ポイントが貯まっていたので購入。
1年半の時を経てようやく眼にしたその映像。もちろんお目当てはMonty Python。まずはエリック,テリーG,テリーJ,ニールによる『Sit on My Face』。皆さん,いい具合に肉感的なお姿になられて…。しかし年齢を考えるとあの尻の綺麗さは驚異的(っつーか,ステージ背後に掲げられたジョージの遺影にケツを向けて歌ってるんだよな…。素晴らしい。)。
続いてペイリンによるジョージを讃える大袈裟なまでのほめ殺し。しかし実はこんなことしたくないんだ,本当の望みは…。と言って始まったのはもちろん『Lumberjack Song』。コーラスの騎馬警官隊にはオリジナルメンバー(『Python Night』でインタビューを受けていたオッサンが個人的ツボ)に混じってトム・ハンクスの姿も。最後,メンバー全員が観客に向かって敬礼の後,さっと振返りステージ背後のジョージの遺影にも敬礼。笑わせてくれるだけで十分,泣かせないでくださいよ…。
モンティ繋がりでもうひとつ。
チャップマンの伝記的映画,『Gin and Tonic』の製作にあたり,その主演俳優を選ぶオーディションがニューヨークで行われたそうで。しかしそこに集ったのはバカ(もちろん褒め言葉)ばっかり(Yahoo!ニュース)。
人見記念講堂にてDavid Sylvianライブ。
ステージ上はデヴィシル,Steve Jansen,そしてバックの映像を担当する高木正勝の3人構成。前半はキーボードの前に座り『blemish』主体で進行し,途中からはアコギに持ちかえて新旧色々取り混ぜてという選曲。とにかく低く震えたあの声の魅力に酔いしれる。なかでもまさかの『Praise』にはこれ1曲だけでライブ全体として満足するくらい。
しかし,はっきり言って映像が邪魔。音との関連性を感じさせる要素がほとんど無いにもかかわらず,やたらと視覚にだけは訴えたつくりで(パーティクルの高速運動,きつめのエフェクトと色彩…),そのため肝心の音への集中をひどく妨げられる。結局,毎曲演奏開始時にステージを見つめ,そこでつらいと思ったら即座に頭を下げ眼をつぶっては音に集中するの繰り返し。
一応断っておきますが,映像だけを別に切り離して鑑賞すれば刺激的と感じるであろうものもなかにはありました。ただそれがこのライブの主役が奏でる音と一緒に使われる必然性が全く感じられなかったという話。どういう理由からかはわからないけれど,途中で2曲ほど映像を使用せずに演奏された時には明らかに音を敏感に捉えられただけに更にその想いは強まるばかり。となると,あのハコの大きさでもしステージ上に兄弟2人だけだったら見た目にしょぼいという単なる見栄えの問題?(個人的には別にしょぼいなんて思わなかったほど音には満足してたけど)。
と言うか,今回使われた映像の中の幾つかは以前に足を運んだ高木正勝自身のライブで見たことのあるものだったんですが…。他人の曲のために作られた映像をそのままデヴィシルの曲に使い回してもそりゃあうわけないんじゃ?。もちろんどの曲にどの映像を使おうという選択には気を配っているんだろうけど,例えば完全に音との同期を狙ったKraftwerk,またあの音世界を更に増幅させる映像を見せてくれるSigur Rósなどに想いを馳せると客をなめてんのかよと…。
なんてことを眼をつぶりながら考えていたら次第に腹が立ち始め,思考は更にあらぬ方向へと飛躍。ライブ以外,例えばPVでもどれだけ音の世界を広げているものがあるのかとか,逆に画としておもしろかったら音のほうが意識から消えることがあるよなとか,それって”Video Killed Radio Star”どころか”Video Killed Music”じゃねぇかよとか,つべこべ言わずにお前が映像を作ってみろよとか,もう何考えてんだか収集つかない状態。
暴威さん2日目。
昨日からセットリストが約1/4変更(詳細はこちら)。独逸の四神もこれくらいの柔軟性があったらなぁなどと無理な願望を抱きながら今夜も堪能。
昨日からうっすら思い始めてはいたんだけど,『Heathen』っていいアルバムだったんだな。『Sunday』『5:15 The Angles Have Gone』『Heathen (The Rays)』…,特に『Slip Away』がこんなにウルッと来るとは思わなかった。
歌詞の内容は本人が昔好きだった子供向けテレビ番組『The Uncle Floyd Show』について。でもそんなこと歌われても極東の人間には何が何だか(ま,含意は色々あるのでしょうが…。でも無理矢理直球ローカライズをすると,岡村靖幸が『ピンポンパン』好きだったと歌ってるようなもんでしょ?。あ,ちょっとおもしろいかも)。でも暴威さん,そんな歌詞をそりゃもう歌い上げる上げる。そして背後のスクリーンにはサビの歌詞とそれを追うように跳ねる番組内に登場するパペット。いやほんと自分でも良く分からないんだけど泣かされた…。
アンコールでは『Bring Me the Disco King』。Mike Garsonのピアノにやられる。
そう言えば,さすがに『Love Missile F1-11』はやってくれなかったか…(やるかよ)。
先週のKraftwerkライブ終了後から結構な風邪状態。すぐに治ると楽観視していたものの,今日になって咳のし過ぎか肋骨まで痛む始末。やはり寄る年波には勝てず…。
それでもショーマストゴーオン。57歳の英雄が来るってのに風邪なんかで寝てられるか。
ってことで,今日・明日と玉葱の下で初のDavid Bowieライブ。
この年になって初めて目の当たりにした暴威さん。でもそのわりには淡々とした心持ちでいられたと言うか,あ,本当に存在するんだなぁという妙な感覚に襲われる(一方で,『All the Young Dudes』には涙腺が緩むし,また『A New Career in A New Town』が聴けたのも何気に嬉しかったのですが)。
むしろ暴威さん以上に印象的だったのはスキンヘッドの女性ベーシスト,Gail Ann Dorsey。均整のとれた筋肉質の肉体に褐色の肌。その上に纏うのは純白のドレス。後ろからのライトで透けて浮かび上がる脚のしなやかな力強さもただただ美しい。
ライブ中盤,メンバー紹介で一番最後に名を告げられた後,暴威さんが語る。「フレディと一緒に作ったこの曲,彼のパートは彼女が歌います」。もちろん聴こえてきたのは『Under Pressure』のベースライン。フレディとジョンの役を一人でこなすんすか!。しかもその声はフレディ追悼コンサートでのアニー・レノックスを思い出す存在感。
Kraftwerkライブ@AX。
ハコ中央に陣取れたこともあって,音・映像共に心ゆくまで堪能。また四神のもうひとつの魅力である抑制された振る舞いの中に垣間見える笑いの精神も確かに受け取りました(フローリアンの退場時ダッシュがほんとツボ)。これでもうしばらくは参拝せずにご利益がありそう。
…なんて思っていたものの,戯れにこの先のツアースケジュールを眺めていたら”Prague”の文字を発見。行動に強い意味を包含したいと思う気持ちに駆られる身としては,チャペックの国で『The Robots』を拝聴し,生ロボの舞いを拝観するというのは,ダラムサラでダライに謁見するに匹敵する圧倒的に正しく,また絶対的に意味のある行いではないか。などとヨカラヌ考えがムクムクと…(ちなみにチケ代は約2,800円。物価の違いもあるけれど安っ!!(その地へ辿り着くのに幾らかかるか考えましょう))。
更に調べたら四神の2日前にmúmも同じ地でライブをやるみたいだし(しかもmúmはその前日,Nürnbergでライブ。ってことはファンパーク…),また,かの街や国自体にも前回訪れた際に行きそびれた場所が幾つもあるしなぁ(とりあえずKostniceとTerezÌnは…)。
ふぅ…。
Kraftwerkライブ@Zepp Tokyo。
『Tour De France 2003』の痺れるほどの昂揚感(ほんと今回の一番),キュートとさえ言える『Vitamin』背景映像でのヒラギノ丸ゴ(のような)フォント,そして『Autobahn』のイントロでは噂に名高いエンストまで!(客席爆笑。の後,大歓声)。
黒のスーツに赤いシャツ(黒いネクタイには赤色LED),ワイヤーフレームスーツ,そしてそして初めて目の当たりにした生ロボット。
欲を言えばきりがないけれど,とにもかくにもお腹いっぱい,胸いっぱい。
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t.a.t.uライブ初日へ。
各所で報じられた通り,開演予定時刻から50分遅れで姿を現し,そして同じ50分だけ歌って踊って帰っていきました。
でも。それが予定されたものかどうかは分からないけれど,遅れた50分間はDJの兄ちゃんがずっと皿を回してた訳で,それが未告知のまま行われた前座だと考えれば全く問題無し。っつーか,自分としてはこっちのほうが楽しかったくらい良い音を出してました。ちなみにネットを見ると,ロシアのDJ Vadimではないかという話も(自分としては,顔がちょっと違う気もするんだけど)。
とは言いつつ,多くの来場者がダレまくってたのも確かで,その景色はまるでYMO再生ライブ(そういや,これも東京ドームでしたね)の開演時刻に現れたThe Orbに対する客の反応と同じ(記憶が定かではないんだけど,こちらも事前に発表されていなかったような)。
で,肝心の娘二人については殆ど興味が無いんで,ライブ本編は見入るでもなくただボーッと眺めてた程度。じゃぁ何でそこにいたかと言うと,この時代にあっては希有なプロデューサーの山師感覚に非常に感じ入っていたからで(もちろん,トレヴァー・ホーンの招聘(彼自体が希代の山師だし)やスミスのカバーもテイスト分岐点)。確かに今回のプロパガンダの手法はどうかと思うけれど(それこそトレヴァー・ホーンに学ぶべきかも),でもそれこそが山師の山師たる醍醐味なんだろうなと,山師になりたくてもなれない元々山に住む山師に使われる側の人間は思うのでした。
2日目。すみだトリフォニーホールにてPhilip Glass『Powaqqatsi』(1988)。
の前に,『Koyaanisqatsi 』『Powaqqatsi』共にチケット購入した人を対象にした『Anima Mundi』(1993)の特別試写会。いやぁ,ぐっすり眠らせていただきました。以上。
で,『Powaqqatsi』。
『Koyaanisqatsi 』から打って変わり,人間そのものの営みに焦点を合わせているためか,カタストロフィの類を感じることは無し。でもそれが逆に妙な安心感を覚えることになって,個人的には『Koyaanisqatsi 』ほどの衝撃を受けるまでには至らず(音楽もまた,希望や心地良さを感じるくらいのもの)。でもそれは2つの作品が全く別の魅力を持っているということなので,その差違を感じ取ることこそが大事なのかも。
ライブ終了後には,Phillip Glass本人を招いてのアフタートーク。チベット(『Kundun』の音楽,彼だったのか…),政治家,アメリカ(冗談半分に「まだホワイトハウスに招待されたことないんだよな」とポツリ),テクノロジー,人としての行動規範(「暗いと不平を言うよりも進んで明かりを点けましょう」),子供(こんな時代だからこそ子供生め(この辺,岡村ちゃんとだぶるものが。っつか,あの年(66歳)でまた新しくパパになるんだって!))と,興味深い話が色々。それらがすんなりと頭の中に入っていくから自分でも驚き。穿っているとは思いつつ,これも彼のバックボーンを知らないが故か?(背景を知っている人だと,どうしても耳に入る前に拒絶してしまうのよね…)。
Powaqqatsi -life in transformation- はコメントを受け付けていません
すみだトリフォニーホールにてPhilip Glass『Koyaanisqatsi』(1982)。
自分にとってのPhilip GlassはDavid Bowie『Low』をシンフォニーにした作品『Low Symphony』の人くらいの存在感。なもんだから,この作品も名声はうっすらと聞き及んでいたもののもちろん未見。それを途中(既発のLD・ビデオその他)すっ飛ばして,いきなり映像にあわせてGlass自らを含むアンサンブルが生演奏する形態で見てしまうことにちょっとした後ろめたさを感じつつ会場入り。
序盤の間延びした映像にどうしよう(チケット高かったのになぁとか(我ながら小さい…))かと思ったけれど,中盤,集積回路基盤と都市の俯瞰図がオーバーラップする映像が流れた頃から徐々に没入。低速・高速を絶妙に絡み合わせた映像とそれぞれの速度の印象を増幅させる音楽に,心地良さを伴って意識が遠くなり始める。
その先に待っていたのは,超高速映像(グランドセントラルターミナルを行き交う人々,夜の闇を疾走する自動車(両脇を幾十もの線となって駆け抜けていくネオン,『2001年宇宙の旅』のスターゲイトのシーンかと思ったよ)等々…),そしてそれに重なる超高速ミニマル。視覚・聴覚共に完全にオーバーフロー。しかしそれに逆らうかのように意識は過剰なほどに明瞭。っつーか,この気持ちよさは一体何!?。
しかし,超高速の世界が突然終わるとその先には,ゆるやかに,そしてだからこそ確実に見せつけられる文明の挫折が。人間であることの不幸を呪わずにはいられない。でも前に進むしかないというラスト(ふと『オネアミスの翼』が頭をよぎる。これを参考にしてたりしてたのかな?)。いや,生で体験できて本当に良かったです(DVDも出たけれど,せいぜい記憶の再確認程度にしか感じられないだろうな)。Phillip Glassの過去の作品もこれからしっかり勉強します。
あ,勉強と言えば『サウスパーク』。この映画(Phillip Glassも登場するとか?)が取り上げられている,エピソード#110「おしゃべりウンチのMr.ハンキー」も見なきゃ。
Zepp Tokyoにて岡村靖幸「フレッシュボーイTOUR」最終日。
『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』『(E)na』でのギター,そしてピアノ即興弾き語りを堪能するべく客席右側前方に陣取り。姿形の多少の違いなど霧散させるあの眼力の強さを,あの距離で再び感じ取れたことこそが至上の喜び。ステージ中央に飾られたピーチマーク(次回は舌が出てほしいもの)を再び見上げる日を心待ちにいたしております。
以下小ネタ。
色々とネットを辿ったところ,今回のバンドのホーンセクションの1人はCKBにも参加しているTrio the Dog Hornsの澤野博敬だそうで(ちなみに2階席にはTrio the Dog Horns,そしてCKBのサックスとフルート担当であるジャッカルもいた模様)。また,12月には『太陽にほえろ!』のリミックスアルバム発売にあわせたライブなんてのがあって,そこにCKBと岡村ちゃんが共に参加予定(岡村ちゃんと『太陽にほえろ!』がどうしても結びつかないんだけど…)。これで会場入り口に飾られたCKBからの花も納得。