次から次に各種イベントをはしご。
まずは原宿でThe Peter Saville Show(『Koyanisqqatsi』でアンケートを提出したら招待券をくれた。ありがとうA新聞(こんな時だけ))。普通に格好良いところはいいとして,Wham!『Last Christmas』を手がけていたことにとにかく驚く。
そのまま渋谷に流れて,たばこと塩の博物館にて『大見世物展』。ちょうど開館記念日ということで半額で入場(ありがたや)。期待していた”The Freak Show in Japan”な要素はほとんどといっていいほど無かったものの,各種出し物を描いた数々の絵図に見入る。また立体物も充実で,干物で出来た神棚やら,江ノ島の土産物屋でよく見かける貝殻で作られた飾り物やら,頭部を箪笥で作った獅子舞やら,驚くべき想像力の世界。『ディスコミュニケーション』の世界をちょっとだけ現実に見たような。
駅に向かう道すがら,シネマライズ横で開かれていた杉浦茂展にも偶然遭遇。こういうのに腹を立てる自分にも腹が立つくらい,無意味なコラボレーション(有名どころの方々が描いたタペストリーがダラリとぶら下がってる)に辟易。『キャシャーン』や『デビルマン』などを実写映画化する昨今流行の過去を無駄に食い潰した表現行為に感じたものと同じ嫌悪感がドス黒く腹の中に充満。更にはやる気の無い店員(皆,カウンターの中でうつむいて氏の漫画を読みふけってる)の姿も相まって,お前らに杉浦茂への愛はあるのか,今これをやって一体誰が得してんだよと小一時間(言うまでもなく以下略)。
怒りを鎮めつつ半蔵門線で神保町へ。毎年恒例の古本まつり。最終日に行ったところでハイエナ共に荒らされた跡しか見られないのはわかっていたこと。しかし今回はそれに加え空からは無情の雨が落ち,屋外の出店はほとんどが店じまい。こんなに寂しい気持ちになった古本まつり,初めて。
そんな閑散とした景色のなか,某所で『アートジャパネスク』全18巻発見。おぉ,市場で見かけたの5年ぶりだよ。でも50,000円という価格はちょっとなぁ(1冊3,000円しないと考えれば法外でもないのかもと思いつつ…)。ということで,保存用にもう1セット欲しいところではあるんだけどスルー。何も買わなかった古本まつりも初めてということに。
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「止まると死ぬ」(© 間寛平)とばかりに,走りバカへの道を邁進しつつある昨今。今日は休日ということもあって,ついに10kmまで距離を伸ばす(時間にしてちょうど1時間)。お前は市民ランナーにでもなるつもりなのか?。
ジムを出たら,そのまま神保町に向かって各所巡回。購入意欲満々だったアイデアのソール・バス復刊本は,実際に手にとって眺めてみたらしっくりこなかったのでとりあえず保留。Janisも借りたかったものが軒並み出払っていてダメ。結局,カバンに入ったのは『穹+』(鈴木清順と対談する山口小夜子,そしてダラムサラの記事に惹かれて)のみ。
まぁ,今週から祭が始まるので,どうせまたすぐ行くということで。
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Phillip Glassで怒濤のライブ週間も終わりと思いきや,最後にもうひとつ追加公演。奇異なる縁が繋がって,某中高一貫校の文化祭に足を運びブラバンの演奏を聴く。
演奏終了後,せっかくだからと校内を巡って各部の展示を眺める。卒論発表会に普通に驚き(高校で卒論があるとこ,初めて知ったよ),同一教室で展示を行う鉄道研究会(ジオラマ有り)と文藝部(やる気無くコバルト文庫を読み耽る銀縁眼鏡の女子生徒達)には激しくときめき,古本コーナー(50円均一)では『ツイン・ピークス クーパーは語る』を捕獲し。また部員が描いた直筆イラストの無料配布を行っていたマンガ部では,唯一の男子部員による殴り書きに近いRX-78のラストシューティング(「ビシューン」の擬音入り)に心をわしづかみにされる(10代半ばでも初代ガンダム知ってんのね)。
にしても,何と言うかもう甘酸っぱい景色の数々。岡村ちゃんライブの後ということもあってか,終いには思い出さなくてもいい自分の学生時分までフラッシュバックしたり…。
一通り堪能したら,その足で神保町へ赴き諸々捕獲。
・別冊映画秘宝『「キル・ビル」&タランティーノ・ムービー インサイダー』
・『映画秘宝 vol.27』
・『遊 1981 8/9合併号』
別冊映画秘宝は説明の必要無し。『映画秘宝 vol.27』は,買おう買おうと思って長らく放置していた「この映画を見ろ! 2002年版」の号。『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(金子南平のイラストに涙)に『ギャラクシー・クエスト』(最後に報われるのはヲタ),そして『処刑人』(デフォー!!)と,ツボにはまったタイトル満載。ちなみに『処刑人』だけDVD買ってないんだけど,やっぱりあのステキテキテキでムテキンなデフォーをいつでも見られるように買っとくべきか。最後にこちらもエアポケットのように欠けていた『遊 1981 8/9合併号』 。松岡正剛が選ぶ365冊がメインなんだけど(千夜千冊とかぶっているものもあり),それよりも19歳の手塚真の風貌,そして(おそらく)自室の景色のほうが正直おもしろすぎ。怪奇ものの雑誌とフィギュアに囲まれてカッと眼を見開いたその姿,ベクトルこそ違えど『ギャラクシー・クエスト』のブランドン君がふと頭をよぎったよ。
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今日も5時起床。あまりにも早起きで手持ち無沙汰。そこでつい,普段ほとんど見ないテレビを見てしまう。
NHKのニュースで,昨日,『Big Issue』の日本版が創刊されたことを知る。ネットを見たら,本国BBCでも記事になっていた。
本国版が某出入り先に常備されているので良く目を通すんだけど,確かに普段ホームレスを目にする機会を考えると(顔馴染み(こちらからだけ)もいっぱい)今まで日本に無かったのが不思議なくらい。
NHKによると,ホームレスは発行者から雑誌を90円で仕入れ,それを200円で販売。差額の110円が懐に入るらしい(BBCでは200円で利益が120円と書いてあるけど,仕入れ値が変更になったのか?)。この110円という設定,電車や駅構内で捨てられた雑誌を入手,それを100円で売っていることを鑑みてのこと?。っつーか,この『Big Issue』が捨てられそして拾われ,100円で売られるなんて循環も起きたりして…。
東京と大阪で30,000部が発行とのことなので,とりあえず1部,手に入れたいところ(問題は販売している現場を見つけること)。
辛抱堪らず,再びGotham Book Martの扉を開いて諸々購入。
まずは『Sherlock Holmes Crossword Puzzle』。各短編の一部と,その謎を解くキーワードが隠されたクロスワードが一組となって,全数十編。クロスワードがホームズネタに限らない(新聞に載ってるいわゆる普通のクロスワードと同じ)のが残念だけど,まぁこの組み合わせが珍しかったので。
続いてゴーリーグッズとしてマグカップ。女の子が本を積んだトレーラーを引っ張っている絵柄で,その横には「So Many Books… So Little Time.」の一文(全くもって…)。
他にも色々あるけれど実際に読めるかというと難しいし(語学力・読解力共に),また手持ちも少ないんで止めとこうかと思ったら,最後にChris Wareの絵本(と言っていいのかどうかすら謎)とご対面。
後期クシー君を思わせるとっつきの良い絵柄に騙されてはいけません。某帝国の黒鼠とは対極を成す『The Quimby Mouse』,ノスタルジックな未来で孤独に過ごすオッサンを描いた『Tales of Tomorrow』,ヲタでゲイでマザコンのこれまたオッサンを描いた『Rusty Brown』等々,その内容は軽やかに,それでいて深く病んだ気狂い系。しかもその本としての体裁は見事にオブジェ。ペーパークラフト(もちろん,それらを実際に組み立てようとすると裏のマンガがズタズタに切り裂かれてしまうので,作るに作れない)があったかと思えば,余白を埋めるために縦横無尽に細かい文字が書き込まれ,またその文章がいちいちひねくれている。ゴーリーとあわせて,この店のテイストがちょっとわかったような(更にわからなくなったような)。
喜んでそれらを小脇に抱えてレジに向かおうとすると,更にトラップ。本屋のスタッフ(おそらく店長)が「おっ,Chris Wareだね。こいつ,いいよねぇ。ちょっと待て,他にもあるから持ってくるよ」と,またドサッと…。そんなに買えねぇよと,2冊に絞って勘弁してもらう。まったくもって怖ろしい本屋だよ…。
後日,ネットで調べたら,Chris Wareの個展が日本でも2000年に開かれていたらしい。
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ちょっとした時間潰しに,ロックフェラーセンターのすぐ近くにある紀伊國屋書店で色々と立ち読みしていたら,『Invitaion』に先日見たゴーリーの展覧会を催していたGotham Book Martの話が載っていた。
記事によると,展覧会どころか筋金入りのゴーリー縁の店で,版権も幾つか管理。レジ周辺にTシャツやらマグカップ,ポストカードなどのゴーリーグッズがやたら充実していたのもその流れか。この店を知らずして日本に戻り,そしてその存在を知っていたら悔やんでも悔やみきれないところでした。出会えた偶然に感謝。
タイトルの”Wise Men Fish Here”は,店先にぶら下がっている看板に書かれている一文。「賢き人はここで本を得る」とでも訳しましょうか。
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石原豪人と言えば,自分にとっては小松崎茂と並ぶ児童画の大家という認識しかなかったんだけど,「美少年コレクション」展で「ジュネ」に1979年からイラストを描いていたことを知る。更にgoogleすると,Mac専用で『石原豪人のからくり美術館』というアダルトなソフトも出してたりと,今まで知らなかった一面が。
ちなみに彼とのファーストコンタクトは,イルカが人間を襲う近未来図(尾びれだけで直立したイルカが銃を構え都市部に出現,逃げまどう人間共に向けて乱射)が描かれた書籍。今や世間ではピースの究極のように扱われているけれど,自分にとってはそりゃ恐ろしい生き物。そのイラストが描かれていた書籍が『なぜなに学習図鑑』だったことも,今回googleで知る。盆に帰省した時,探してみようかな。
『metro min.』という営団地下鉄A等級(こんな言い方があるんだ。「1日の乗降客数が10万人以上を超える駅」のことだそうです)の17駅で配布されているフリーペーパー。
創刊号を手に取ったらあまりにも読むところが無くて(自分が読者ターゲットに入っているとも思わないんで当たり前と言えば当たり前),それ以来まったく気にも留めていなかったんだけど,偶然に7/20に配布された最新号No.9を開いたら,目次上部に松田行正による地下鉄各駅の深度を図示したダイアグラムが。
何これ,創刊号から毎回ずっとやってたの?。記事との相性の悪さに気を取られて目次は完全にノーマークだったよ。フリーペーパーだけにバックナンバーのチェックどころか入手自体も困難だし(オークションはなぁ),あぁどうしたもんか。
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帰宅途中に寄り道して図書館へ。最近,純粋に本を借りるという意味での利用が少なくてどうかと思いつつ,今日は『スラムダンク』(1~20)を借りてみる。懐かしくてもう一晩で一気読み。早く最終巻まで借りなきゃ。
図書館って実は結構漫画を蔵書していて,広く名前が知られたものは大体読めるんじゃ?(少なくともウチんところは)。最近はネットで蔵書(CDやビデオが出来る所も)検索が出来る市や区も多いので,一度自分のとこを調べてみるとおもしろいかと思います。
っつーか,こういうところで取られた税金を返してもらわないとウチの町はやりきれないっすからね。夏休みは『こち亀』と『三国志』を全巻借りてみるかな。
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眼 元々は1992年に200部限定で作られた非売品。
球 それを図版再考等を施して1998年にリメイク。
譚
詩 右のページには絵画に描かれた女性の左眼。
想 左のページには古今東西の月の絵。
望
見 「眼」は年代の古い順に並び,
地 「月」は年代の新しい順に並ぶ。
相
似 「眼」「月」共に,古い方から番号が振られている。
類 つまり「眼」は手前のページから数えられ,
妙 つまり「月」は奥のページから数えられる。
照
応 そうしてお互いに両端から始まった歩みは,本中央
感 41番目で逢瀬を果たすと,その記憶も定まらないう
電 ちに交錯,また離れていく。
閃
光 個々のページは中央に2cm角の正方形に切り取ら
陰 れた画像と,作者・題名・年の最低限のデータ。
暦 そして下部に上記のカウンターがあるだけ。
象
形 黒いカバーと赤く塗られた天地小口のコントラスト。
容 そして今や牛若丸の代名詞とも言える,隠された
量 愉しみも,もちろん用意されている。
子
夜 左の縦読みは,本書の背に記されているもの。
思 どこまでも「オブジェな本」。
索 そしてどこまでも松田行正,どこまでも牛若丸。
莫
大 ふぅ,無理矢理行数あわせるのに一苦労。
円
満 あと3行
月 あと2行。
球 …
譚 おしまい。
http://www.matzda.co.jp/