Archive for the ‘Movie’ Category
レンタルで『Shaun of the Dead』。
オリジナル,「Dawn」のほうを見たのは随分昔の話,またリメイク版のそれは未見(Sarah Polleyだけ見たい)。故にそっちからの感想はあまりないけれど,別の意味でとにかく笑った。
まずは大小諸々のイギリスネタが個人的ツボ。主人公が手に握る武器,籠城場所,公認会計士という職業を小馬鹿にする態度(モンティの頃から変わらないのね),そして籠城場所で突然流れるQueenの曲を止める時のセリフが「Kill the Queen」,等々。
そしてやっぱり音楽ネタ。先のQueenはもちろん,「Z word」との対決時に武器として使うLPレコードの取捨選択(『Purple Rain』はダメ,Dire StraitsはOK),更に非常事態を告げるニュー ス番組の中に混じって流れるのはThe Smiths『Panic』のPV(ググッたら『Demons 2』でもこの曲が使われているらしい。そっちへのオマージュって意味もあるのかも)。
調べたら,BBCで今年トップ1の映画に選ばれてる。
先人の話には耳を傾けるべき。朝酒は確かに身上潰すかも,肉体が言うことをききません(心はふわふわと楽しいから,またやりたくなる誘惑に駆られるのがまた)。それでも15時過ぎ,なんとか体を起こし銀座へ。遅い昼飯にタイ料理屋でフォーを食って気分を昂揚させ,いざ『マッハ!!!!!!!!』。
アクション,凄かったですよ。武器としての肘がこんなに恐ろしいものだとは思わなかったですよ。でも自分にとってこれはアクション映画ではなし。盗まれた仏像(寒村の守護仏)を村の若人が取り戻しに行くというストーリー,仏像の盗掘・密輸を生業とし「私こそが神」という唯一神な発言をする大ボスに下る仏の罰…。そう,仏教映画として素敵なことに目頭が熱くなりました。そしてアクションはその気持ちを表すための武器。ただ単に口だけで仏の道を説かれても胡散臭くてお仕着せがましいだけなんだけど,それをあの捨て身のアクションで見せてくれるからこそ本気が伝わってくるわけで。
だからアクションはいいけどストーリーが薄っぺらくてダメとかは言いっこなし(っつーか,この2つを分けて考えること自体,自分には出来ないよ)。
Neu Noi
シアター・イメージフォーラムで『氷の国のノイ』。
その程度に差こそあれ地方出身の人間なら共感できるところ大。あの閉塞感は身につまされる…。しかし全体としては笑った笑った。カウリスマキやフリドリクソンに通じる微妙な笑いの連続。そして相変わらず蒼いアイスランドの風景(フィルターかまして強調しているような気も)。
ところで,予告編で流された『IZO』という映画。BGMが友川かずき。しかも本編にも出演してるし。監督や役者陣の知名度とは全く関係のないところで琴線触れまくり。
陽が高くならないうちに日本橋から銀座をさくっとひとっ走り。
INAXギャラリーで「動物園のデザイン展」,隣に警察博物館もあったのでついでにそちらも。POLA Museum Annexでは「巨匠が描いたオリンピックポスター展」。1972年ミュンヘン,Eadweard Muybridgeと思しき連続写真を用いた荒川修作が印象的。
帰り,日本橋高島屋に寄って余っていた商品券を使ってDVD『東京オリンピック』購入。全くの初見,よく言われるカット割りやカメラワークに注目しようと思うものの,やはりその歴史的事実に驚かされること多し。ドイツが東西統一チームとして出場していたり(調べたらこの東京までらしい),走り高跳びはまだ背面跳びが生まれていないし,観客席に若かりし長嶋と王がいたり…。
野原一家ファイヤー!
巨大掲示板経由,川崎市市民ミュージアムで映画『クレヨンしんちゃん』祭り開催中。
ラインナップを見ると7/10,『オトナ帝国』と『青空侍(a.k.a 戦国大合戦) 』の2本立てがヤバい,ヤバすぎる。毎年4月,新作公開直前に新文芸坐で行われるオールナイトイベントでもこの組み合わせはなかったような。電車代と往復にかかる時間を考えるとちょっと二の足を踏むけれど,同時に開催されている「日本の幻獣-未確認生物出現録-」も併せて見ると考えればとんでもなく魅力的(気になるのは会場のスクリーンだなぁ)。
Mr. Bad Guy
『魁! クロマティ高校』の実写映画化が明るみになって数ヶ月。どんなキャスティングになっているのか気になって仕方ないんだけど,ネットをいくら探しても見つからない。アジシオ太郎はダンスマン?,メカ沢は中沢新一?,ゴリラはゴリラ?。
しかし今月の『映画秘宝』で重大な記述を発見。加藤雅也と金子昇の対談内,自身も出演しているという金子昇の発言。
「渡辺裕之さんが上半身裸でサスペンダーはめて胸毛はやして…しかもセリフはないんですよ」
それってあのキャラ以外考えられないんですけど…。さすが『華の嵐』,俄然期待大。
ん,でも確か本人は歌じゃなくてドラムのほうが上手かったような?。むしろロジャー?。と思って彼のオフィシャルサイトを見に行ったら…。裸サスペンダー,似合いすぎっすよぉ!!。
○○オチ
「アンダーグラウンドブックカフェ」で『盲獣vs一寸法師』。
雑誌その他の情報からある程度の心構えを持って臨んだものの…。自分の想像力の範疇を超えたものを見ることが出来たという意味では非常に価値ある時間を過ごせたことは断言できる。しかしそれが純粋におもしろかったかと言われると非常につらい(上映開始10分であんなにも早く終わってくれと思った映画は初めて)。
しかも最後に待っていたのは,全く脈絡のない強烈なオチ。あれを体感できただけ良しとしよ…。
Beat of Rock
辛抱堪らず日比谷までチャリを飛ばし,2日連続の『School of Rock』。
やっぱりおもしろい,そしてちょっと泣けてもくる。
なぜか昨日は買わなかったパンフも無事入手。600円という最近では比較的良心的な部類に入る価格設定(平気で800円とか取るやつあるよな)に加え,映画内で名前のあがるミュージシャンやバンド,楽曲の説明も詳しく書かれていて更にお得感あり。その中でも中原昌也の文章には心底痺れる。個人的にもCCCDや海外盤CDの輸入規制問題など,確かに暗澹たる気持ちになることばかりだけど(もちろん暗澹とすることが良いことではなし),こんな映画を見せられるとまだまだ音楽も世界も捨てたもんじゃないと思わずにはいられず。
Stick to the Men
映画の日。
まずはシネスイッチで『真珠の耳飾りの少女』(原題『Girl With A Pearl Earring』)。
構図・光・影・陰…,淡々と美しい映像にただただ見入る。しかしその一方でフェルメールは作品でしか捉えていなかったので,その人間としての現実的境遇にはかなりの驚き。特にあんなに子沢山だったとは(『Every Sperm is Sacred』なカソリックだからある意味至極当然なんだろうけど)。
続いては日比谷まで歩いて『School of Rock』。
映画上映中の拍手を経験したのは『少林サッカー』の決勝戦でゴールが決まったあの瞬間以来。映画の日,場内満員という環境で見ることが出来て大正解。映画自体はもちろん,その場の雰囲気も含めて素晴らしかったです。
惜しむらくは自分にもう少し劇中で話題に挙げられた音楽の知識があれば…。微妙に嗜好のツボがずれてて,曲自体は知ってても時代背景やその後の音楽への影響など,より深いところまでは知らないってのが多かった。また映画自体では,生徒である各バンドメンバーの境遇に触れるシーンが要所要所で挿入される中にあってベースの少女だけはスルーされてたのが残念。女性ベーシスト好き(ったって今は3月のDavid Bowieライヴで見たGail Ann Dorseyのみだけど(その前となるとTalking HeadsのTina Weymouthまで遡るかも))としてはあの扱いはないよなとちょっとガックリ。
でもほんとに楽しかったぁ。もう一回見に行ってもいいくらい。