東の正横綱を三輪ひとみとするならば,西の正横綱はこの人,ヘザー・グラハム。
懐かしの『ツイン・ピークス』(DVD,ファーストシーズン(1~7話)が出てから全く音沙汰無いんですが?。彼女の出演シーンはまだ遥か先だよ…)での美しいお姿にやられて以来のお付き合い。しかし『フロム・ヘル』以降はチェックを怠っていたので出演作を2本ばかりレンタル(コンセプトは「その邦題はないだろ」)。
1本目『踊るマハラジャ★NYに行く』(原題『The Guru』)。
ポルノ女優を演じているという聞き捨てならない情報で頭の中は大変なことになっていたのですが(無事昇華されました),大笑いできて,そして時にはホロッともさせられてと,ストーリー自体も非常に楽しめました。インドからやってきた俳優志望,転じて性の教祖となる主人公(ブライアン・フェリーのような困り顔が魅力的),その主人公を教祖と崇めプロモートする精神世界ずっぱまりのブルジョワお嬢様(こんな人,実際にいるよなぁ…),更にヘザーのフィアンセである消防士,主人公と同郷のインド人…。と他のキャラクター達もそれぞれにちゃんと立っていて魅力的。
続いて2本目『ギリーは首ったけ』(原題『Say It Isn’t So』)
こちらもコメディ。彼女自身はあまり活躍しているとは言えなかったけれど,『The Guru』同様,その不満を忘れるほど映画としてしっかりおもしろかったです。そしてこちらのキャラ立ちは,主人公男性をサポートする両足義足のヒコーキ野郎(オーランド・ジョーンズ)以外に無し。いやぁ,もうたまらなくカッコイイ!。ある一大作戦を繰り広げる際,操る飛行機のスピーカーからワーグナー(曲はもちろんベトナムのあれ)が流れてきた時には爆笑と共に血湧き肉踊り,気がつけばモニターの前で大拍手。
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しばしばAmazonの「おすすめ商品」を覗く。
ヘビーユーザーにとっては何を今さらだけど,これは今までの購入,または評価履歴からその人の嗜好を判断し,「あんたが買ったCDのミュージシャン,こんなものも出してまっせ」,「あんたが買ったDVDの監督,こんなのも撮ってまっせ」といった具合に新しい商品を奨めてくれる機能。まだそこから購入には至っていないものの,知らなかったモノの存在に気づかせてくれるという意味においては非常に興味深く眺められる。
で,各商品のお奨めに際して「おすすめ理由」というのも記されているんだけど,上記のような直接的理由なら話は簡単。しかし時として自分には全くもって意味不明な繋がりから奨められるモノが現れる。その人智を超えた連関に世界の全ては繋がっていると思わずにはいられない。
例えばこんなのはまだわかりやすいほう。
・DVD『マグノリア』
・おすすめ理由:David Sylvian『Everything & Nothing』を購入または評価したから。
これはアルバム1曲目に『The Scent of Magnolia』という曲があるからでしょう。
でも,こうなると途端に首をかしげる。
・DVD『美しき日々』(韓国のドラマらしい)
・おすすめ理由:David Sylvian『Gone to Earth』を購入または評価したから。
ちなみに同じ理由で『冬のソナタ』(これまた韓国ドラマらしい)も奨められている。ということは,個々のドラマとの繋がりというよりも韓国ドラマ全般とデビシルの間に何らかの関連性があるのでしょうか?。
更に同じ『Gone to Earth』繋がりではこんなものも奨められる。
・DVD『ラス・メイヤー ヴィクセンBOX』
そりゃさ,ラス・メイヤー,嫌いじゃないけどさ…(あ,あの人工乳は嫌いだ)。デビシル,韓国ドラマ,セックス&バイオレンスの巨匠が一本の線で繋がるってことに驚いてしまって,もうどうしたもんかと(っつーか,『Gone to Earth』って一体どんなアルバムよ…)。
最後に個人的傑作二篇。
・DVD『地獄甲子園』
・おすすめ理由:XTC『Black Sea』を購入または評価したから。
・『Very Best of Million』(エロDVD)
・おすすめ理由:Mark Petersen『日本人の英語』を購入または評価したから。
訳分からん…。漫☆画太郎とXTC,そして岩波新書を評価してエロDVDを奨められるとは夢にも思わなんだよ…。
断線による不具合から4ヶ月超,意を決してB&OのA8を新調。やっぱりiPod純正イヤホンとは雲泥の差(比べられるかよ)。卸し立てで高音がシャリシャリだけど,エージングによって徐々にまろやかになることでしょう。
で,一応自分のためにも覚え書き。
A8の断線については保証範囲外だと思っていたものの,ショップスタッフに直接尋ねたら実は範囲内とのこと(ネット情報を鵜呑みにした悪い例)。ただ範囲内とは言っても無償というわけではなく,9,000円の交換費用が必要。それを保証と言うのかどうか個人的には微妙なところだけど,新調すると14,000円だからまぁ良しとするしかないのかも。
ちなみに保証期間は購入から2年。保証書は無くさないようにしましょう(えぇ,何処を探しても保証書が見つからず,結局新調したってわけですよ…)。
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帰宅時,いつものレンタル屋にCD・ビデオ・DVD諸々を返却。のはずが,途中の電車の中で念のために確認したらDVDが入ってない…。仕方なく一度家に戻って準備。が,今日は返すだけだから帰りは手ぶらだな,などと思ったが最後。だったら走って帰ってくりゃいいやん(さすがに行き,借り物を揺らしながら走るのはマズいでしょ)。と,バカなアイデアが思い浮かぶ。
夜も21時過ぎ,Tシャツにシャカパン,ジョギングシューズの出で立ちで電車に乗り,そして無事返却。
いざ,ちょろっとストレッチの後にスタート。はい,10分ちょいで到着。ってなんだよ,電車よりも早いんじゃねぇかよ(乗車時間は5分もないけれど,レンタル屋→出発駅,到着駅→家の間の徒歩で10分はかかる)。これでも遠回り + 丘登りのコースを選択してのこと。谷を行けば10分かかんないのか…。
『ソランジェ 残酷なメルヘン』見る。
1972年,あまりの残酷描写に日本国税関から上陸を拒否された女子高生惨殺ミステリーと言われたら見ないわけにはいかないと手に取ったものの,30年前という時代の違いを考慮に入れたとしても,エロス・サスペンス・ホラー,どの位置から見ても中途半端でした。誰一人として感情移入できない登場人物,そして風が吹けば桶屋が儲かる的強引なストーリー展開にも引きまくり…。
とは言うものの,主人公のイタリア人教師(教え子と付き合う絵に描いたようなエロ男)の妻であるドイツ人教師を演じたKarin Baalには見とれました。角張った小さい顔立ちにひっつめのブロンドの髪,そして「どうせ私はドイツ人だから考え方が固いわよ」という自虐発言。あっけらかんとした女子高生の軽薄さがストーリー全体を覆う中にあって唯一の心の拠り所でしたよ。
しかし,この発売元には騙されがち…。『チェコ怪奇骨董幻想箱』なんて,ネーミング買いしちゃいそうだし,『アデラ / ニック・カーター,プラハの対決』に至っては,「アメリカの名探偵ニック・カーターが,あやかしの古都プラハを舞台に謎の食人植物アデラと対決!」(サイトより引用)だもんな。プラハで食人植物…。ルドルフ2世のヴンダーカマーにも収められていたんかいな。
What Have They Done to Solange? はコメントを受け付けていません
1985年7月13日の出来事,あの「Live Aid」が今年のクリスマスを目標についにDVD化されるらしい(BBC News : Live Aid finally gets DVD release)。
今までDVDどころかCDすらリリースされなかったのになぜ今?。と思ったら,ボブ・ゲルドフがネットでの違法販売を見つけてのことらしい(BBC News : geldof thwarts ‘Live Aid pirate’)。複雑ではあるけれど,ある意味では販売者に感謝すべきなのか?。
その日の自分を振り返ると,テレビにかじりついて見ていたことは覚えているものの,フィル・コリンズがコンコルドを使ってアメリカ・イギリス両方のステージに上がったことくらいしか鮮明な記憶はなし…。復活の礎となったQueenのどえらいパフォーマンスも,アメリカラストの『We are the World』での醜いマイク争奪戦も,そして信じられない仕切りをやらかした日本のテレビ局の悪行も,後に色々な媒体から補完したようなもの(っつーか,田舎にいたから日本のテレビ局の放送自体ちゃんとされてなかったんだよ!)。
全出演者全演奏を完全収録(ブートだとDVDで10枚組。ちなみにセットリストはここで見られます)なのか,それともぶつ切りなのか具体的なパッケージングについてはわかりませんが,とりあえずQueenがノーカットで収められてたら買い。
それまでは一足先にCDリリースが実現した『Chef Aid』でも聴いて待ってます。
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暴威さん2日目。
昨日からセットリストが約1/4変更(詳細はこちら)。独逸の四神もこれくらいの柔軟性があったらなぁなどと無理な願望を抱きながら今夜も堪能。
昨日からうっすら思い始めてはいたんだけど,『Heathen』っていいアルバムだったんだな。『Sunday』『5:15 The Angles Have Gone』『Heathen (The Rays)』…,特に『Slip Away』がこんなにウルッと来るとは思わなかった。
歌詞の内容は本人が昔好きだった子供向けテレビ番組『The Uncle Floyd Show』について。でもそんなこと歌われても極東の人間には何が何だか(ま,含意は色々あるのでしょうが…。でも無理矢理直球ローカライズをすると,岡村靖幸が『ピンポンパン』好きだったと歌ってるようなもんでしょ?。あ,ちょっとおもしろいかも)。でも暴威さん,そんな歌詞をそりゃもう歌い上げる上げる。そして背後のスクリーンにはサビの歌詞とそれを追うように跳ねる番組内に登場するパペット。いやほんと自分でも良く分からないんだけど泣かされた…。
アンコールでは『Bring Me the Disco King』。Mike Garsonのピアノにやられる。
そう言えば,さすがに『Love Missile F1-11』はやってくれなかったか…(やるかよ)。
先週のKraftwerkライブ終了後から結構な風邪状態。すぐに治ると楽観視していたものの,今日になって咳のし過ぎか肋骨まで痛む始末。やはり寄る年波には勝てず…。
それでもショーマストゴーオン。57歳の英雄が来るってのに風邪なんかで寝てられるか。
ってことで,今日・明日と玉葱の下で初のDavid Bowieライブ。
この年になって初めて目の当たりにした暴威さん。でもそのわりには淡々とした心持ちでいられたと言うか,あ,本当に存在するんだなぁという妙な感覚に襲われる(一方で,『All the Young Dudes』には涙腺が緩むし,また『A New Career in A New Town』が聴けたのも何気に嬉しかったのですが)。
むしろ暴威さん以上に印象的だったのはスキンヘッドの女性ベーシスト,Gail Ann Dorsey。均整のとれた筋肉質の肉体に褐色の肌。その上に纏うのは純白のドレス。後ろからのライトで透けて浮かび上がる脚のしなやかな力強さもただただ美しい。
ライブ中盤,メンバー紹介で一番最後に名を告げられた後,暴威さんが語る。「フレディと一緒に作ったこの曲,彼のパートは彼女が歌います」。もちろん聴こえてきたのは『Under Pressure』のベースライン。フレディとジョンの役を一人でこなすんすか!。しかもその声はフレディ追悼コンサートでのアニー・レノックスを思い出す存在感。
東京都現代美術館で「球体関節人形展」。三浦悦子によるバイオリンとなった自らの体を爪弾く人形,そしてマリオ・Aの生身の人間を人形に見立てた写真が印象に残る。
一方で首を傾げたのは,機械・電子的物質と融合されたいくつかの作品。引き裂かれた人形の胸や腕から顔を覗かせるジャンパー,機械とハイブリッド化された人形の背後にはめ込まれた基盤…。宿主である人形に対する異常なまでの想像(創造)力の発露に驚かされる一方でのあまりの安っぽさ。だったら外見からメカメカしているほうがまだ説得力があるというか,皮膚の内側への想像力ってまだ拡大する余地があるんだな。と,生身の人間に近い皮膚感覚の人形よりもミクロマンのようなわかりやすい機械(電子)人間を愛する者としては思うのでした。
All My Muscles Work Machine Like はコメントを受け付けていません
いつものとこで髪切り。が,担当のオッサンが忙しく,予約時間を過ぎてもしばらく待たされることに。そこでスタッフの一人から手渡されたのが『ソトコト』。自分からは絶対に読むことのない雑誌ではあるものの,細野さんのコラムがあることだけは記憶していたのでそこだけは見てみようかとページを開く。
お題はネイティブ・アメリカンの”Right Time, Right Place”(翻って”Wrong Time, Wrong Place”)の話。あまりにも不意打ち。しかし今これをここで読むことになったのも偶然という名の正しい必然と考えれば,ここ数日の雲も払われていく気持ちに(更に言えばその雲も必然だったのかもしれないし)。
やっと現れたオッサンとは細野さんから始まって来週のDavid Bowieライブの話(ロンドンで何度か見たというジギーの頃のライブ話も拝聴)。そうこうしながら後ろ髪はバッサリ。軽〜。見事,Aéro Dynamikに長けた姿となってこれからもバカ走りに勤しむ所存。