10
5月
回文の男
横浜と大阪,どちらが近いと言われれば,やっぱり横浜。東京-新大阪の約1/3の時間で「横浜にぎわい座 第十七回 上方落語会」到着。
皆さんお初の中,お目当てはもちろん笑福亭福笑。高座を拝見することが出来ただけでも満足なくらいだが,サゲに向かって仕掛けをはり続ける『千早ふる』,指数関数的にどこまでもテンションが上がり続ける『もう一つの日本』,そのどちらも笑いが絶えず。ときおり顔を覗かせる黒い一面もまた好み。師匠と弟子,どちらも好きという組み合わせは多いけれど,福笑・たまはその中でもちょっと抜きん出た感あり。
その他の方々もファーストインパクトを差し引いても素晴らしい出会い。上方なので上野ではなく梅田に向かう,桂ちょうば「いらち俥」。”寝起きのジュリー”桂三若(確かに似てたなぁ)の大阪人独り舞台「ひとり静」,そして器用富豪とでも表現したらよいのか,次から次に繰り出される手作りの飛び道具に唖然となった笑福亭鶴笑「パペット落語 立体西遊記」(林家しん平との東西器用富豪二人会が見てみたい。演目は孫悟空vs骸骨かっぽれで是非)。どこまでも貪欲に笑いを狙う姿勢の数々,知らない世界はまだまだある。