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5月
二 九 三 八 十
初めて盛岡以北の新幹線に乗り二戸。そこから車で九戸→三戸→八戸。更にここまで来たのならばと十和田まで。
十和田市現代美術館。
作品・建築・人(スタッフ・来場者),そのどれもが何か浮き足立っているような感覚。全てがもう少しこなれてから足を運ぶべきだった。
それでもHans Op de Beeck「Location (5)」との出会いは唯一にして大きな幸せ。漆黒のダイナーと窓の外に広がる無機質なハイウェイ。『ロスト・ハイウェイ』を思わせるアメリカン・ノワールな景色。自分がアートに求めているのはやっぱり空間体験なんだ。白く軽い建築の中に黒く重い世界が内包されている対比と差異の強調もまた。
最後にカフェで一休み,幅の狭い通路からドアを手前に引いてトイレへ。外へ戻る際,ドアを押そうと手を伸ばすとそこには一枚の貼り紙。「ドアの外に人がいます。静かに開けてください」。確かにあの幅の通路で押して開ければぶつかるかもね。最初から横引き扉にするのではなく,他者をおもんばかる気持ちを喚起させる。その建築的配慮,有り難いことです。