山を下りて天下の台所。
山の涼気が恋しくなる熱波の中,心斎橋から松屋町,空堀商店街を抜けて谷町六丁目,天満橋・北浜を廻って最後に肥後橋。知人のショップに裏を返すことが出来ただけでも満足。
夜は「志の輔らくご 文楽篇」。
偶々,日程があって,調べたらチケットが残ってて,久しく師の噺を聞いていなかったし,更に「文楽篇」ってくらいだから文楽も見られるのかも。くらいの軽い気持ちで予習することなく臨んだら…。
第一部。
閉じた幕の前でロシア人に扮した師が外人弁論大会で語るというもの。日本文化に触れる一環として見に行った文楽の様子を語り始めると舞台一転。幕が開くとそこには火の見櫓。それに登るは女性の人形。とくれば,演目はもちろん八百屋お七。
中入り後は師の落語。
旭山動物園のマクラから始まったのは「猫忠」。師の落語そのものを面白く聞けるのは,生意気ながらも了解済み。となると,この噺にどう文楽が登場するのか?。耳から師の声を聞いては笑いつつ,同時に頭では噺を先に進めてその登場時期を予測する。
そうくるのかっ!!。
四匹の愛らしい容貌,それでいて文楽ならではの繊細で切ない仕草。更にその後ろで義太夫を語るのは裃に姿を変えた師自身。想像だにしなかった極上のエンターテインメント。
終演後,物販を覗くとそこにはリアル「はんどたおる」。その洒落っぷり,更に今夜の素晴らしい舞台のお礼の気持ちもあって激しく購買欲を刺激されたけれど…。やっぱりこれはおまけで貰うものだからなぁと,心を鬼にして踏み留まる(笑)。