Day07(Prague, Vienna)
今回のプラハ探索は4年前の初訪問時に足を運ばなかった(運ぶ時間がなかった)ところを巡るのが行動基本原則(頑なに守る気はなかったものの,結局カレル橋に一歩も足を踏み入れなかったのには我ながら驚いた)。今日もその流れで行動開始。
まずは朝イチでユダヤ博物館。と,その前に博物館近くの路上にてゴーレム発見(昨日のコストニツェの路上髑髏と同じパターン)。上を見上げるとそこはレストラン。通りから店内を覗くと看板上部のイラスト通り,土手っ腹に穴の空いた巨大ゴーレムが鎮座。どうやらその穴の中でピザを焼く様子。まさに泥釜,粘土釜。
ピンカスシナゴーグでは壁一面に書かれたホロコーストの犠牲となったユダヤ系市民の名前,そしてテレジン収容所で子供達が描き残した絵を前に無言。昼(朝)なお暗い墓地では「666」のレリーフに驚いてしまい,肝心のゴーレム創造主,ラビ・レーヴ(Rabbi Loew)ことユダ・ベン・ベザレル(Judah Loew ben Bezalel)の墓碑を探すのを忘れた…。
シナゴーグからブラブラと歩いて(ちょうどトラムが走っていない区域なので)約10分,次なる目的地,郵便博物館到着。常設展示はもちろんながら,本命はグラフィックデザイナー,Zdenek Zieglerの展覧会。 会場となっている2階に上がると廊下にいきなり『Psycho』のポスター(残念ながら写真撮影禁止)。もちろんワールドワイドのものではなくチェコスロヴァキア(当時)国内用。くすんだ緑と橙を基調に,髑髏(の一部)と皮を剥がれた人体がコラージュされている。欲しいなぁ,これ。他にも数種,映画や演劇のポスターが。
廊下を抜けて部屋に入ると切手や書籍,ロゴタイプなど,その他作品の展示。書籍はどことなく牛若丸に通じる印象。全体の色合い,レイアウト,装丁,漠然とした印象でなんだけど非常に近い(例えばこんなの)。
この場所ならではの展示となるとやっぱり切手。何度か眼にしたことのあった「フェルマーの最終予想(最終定理)」の切手がこの人のデザインだったとは知らなんだ。などと言ってたらJosef Chocholの「Hodek Apartments」の切手が!。こんな切手あったんかよ,しかもZdenek Zieglerデザインかよ。辛抱堪らず傍らにいる解説員のオッサンに「これ,何処行ったら手に入んのよ?」と英語で訊ねると,ドイツ語でまくし立てられる。日本人はチェコ語なんてわかんないんだろうからドイツ語でっていう優しさなのでしょうが,そのドイツ語も苦手なのよ…。とにかく知ってるドイツ語の単語(「何処」とか「買う」とか)を並べて後はジェスチャー。そしたらオッサン,紙に地図を描き始める。見るとどうやら切手屋の場所。ありがたや…。その切手屋は博物館から歩いて1・2分。無事,Hodek Apartmentsの切手入手。更にFDCモノを色々。
古本屋,ギャラリーを眺めつつ一度宿へ帰還。一息ついたら今度はトラムに乗り川の向こう側,丘の上へ。
最終目的地を前に2日目に訪れたオランジェリーのある公園で下車,ゆるゆると歩いてまずはガンブラギャラリーを冷やかす。そこに飾られた作品群よりも,それらと共に売られていたモンティ・パイソン関連書籍のほうが気になって仕方ない。確かにギリアムとシュヴァンクマイエルは近い感じがするけれど,直接交流はある(あった)んだろうか?(ググッたら対談はしてるみたい)。
更に坂を上っていよいよストラホフ修道院。「哲学の間」,「神学の間」共に何度来ても(つったって2度目だけど)言葉を失う美しさ(そう言えば大昔,この修道院について書いたエントリーがあったなぁ。更新しなきゃ)。
修道院を出たらそのまま山道。時間が無いんで鉄塔には上らず素通り,ケーブルカーの駅へ向かう。が,駅に着いたらそこは改装中で運休。仕方なく足で下るも大幅にタイムロス。その後に寄る予定だったところを数ヶ所すっ飛ばし急いで宿に戻る。
なぜそんなにも急いだのかというと,電車の時間が迫っていたから。明日,チェコは祝日(独立記念日)で,軒並み各種施設・店舗が休み。だったらこっちも何処かの公園でボォッとして休養すればいいんだろうけど,そこはほら,どうにも時間貧乏性なもんで…。なわけで,だったらちょろっと足を延ばしてウィーンまで行ってみようかと。
身支度を整えてPraha hl.n.駅に向かい17:26発のECに乗り込む。予定では所要時間約4時間半。でもなんだかんだで約1時間遅れ,23時にWien Südbahnhof駅到着。そこには深夜のカフェ。腰を下ろしてトランス・オィロッパ・エクスプレスを待つドイツ人4人組はいませんでした…。
In Vienna we sit in a late-night cafe. Straight connection, T.E.E.
– Kraftwerk『Trans Europe Express』