牛若丸の新刊『TERRA』購入。
ボール紙で作られた天地が開いた函に収まった本,その開いたところから覗く銀色の小口(個人的にはちょっときつすぎたけど),函から取り出すと玉虫のような見る角度によってその色合いを変える表紙(中田金太かマジョーラか)。 牛若丸にしては珍しく派手な風体ではあるものの,いつも通りの見事なオブジェ本。
その派手な風体の理由は本の内容。櫻井欽一博士の鉱物コレクション(日本最大の個人鉱物コレクションで国立科学博物館に収蔵)の中から432片を収めた鉱物写像集。
敢えて残念だった点を挙げるとするならば,いつもの遊びが足りないかなぁと。カバー自体がないから裏をめくる楽しみがないし,隠れたメッセージ(本の内容がそうだったこともあったけど『ZERRO』には参った)も今のところ見つけられず。まぁ,あくまで個人的嗜好ですので,だからといってこの本の素晴らしさが損なわれているわけでは決してありません。
ちなみにこの鉱物コレクションは京都の分析機器メーカー,堀場製作所の2005年カレンダーにも使われています(ニュースリリース)。一般販売もしていたのでウェブから注文してみた。
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六本木で飯島洋一×松田行正のトークイベント。
初めて拝見した松田さん,淡々飄々とおもしろいお方でした。せんだいメディアテークは存じ上げていましたが,みなとみらい線 元町・中華街駅(せんだいメディアテークと共に設計は伊東豊雄)のサインにも携わっていたとは。これは行かねば。会場では『Mineralium Index』を購入。これ,この窪み,この指触り。たまらん…。また活版ならではの遊びも各所で発見(画像参照)。
流れの中でMicha Ullmanのベルリン,ベーベル広場(Bebelplatz)が話題に。忘れていたんで覚え書き。
・「Berlin Bau」
・『10+1』内,「IGARASHI Taro Photo Archives」
・「ギャラリーヤマグチ」(地下駐車場工事との問題があったんだ)
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所用,後,印刷博物館で「五感を刺激! 現代ブックデザイン考」。
祖父江慎と松田行正のための展覧会と思えるくらい,とにかくこのお二人の手による本が目立つ。個人的にはやはり松田さんで,牛若丸はもちろん,獄本野ばらの著作(こんな機会でもないとマジマジと手に取ることのない類ですから)や,多摩美術大学メディアセンターのカタログなどを細部まで舐めるように眺める。
牛若丸についてはほとんど持っていたんだけど,取りこぼしていたなかで今回実際に手にとってみて強く惹かれたのが『MINERALIUM INDEX』。コンピュータでレイアウトした後,それを活版で再現。とにかくその印圧の強さがハンパじゃない。なぞる指の腹に感じるその窪みはちょっと悦楽的ですら。
帰りはやっぱり神保町経由。先週開店したばかりの古本屋に今日も。棚の眺めがいいのよねぇ。
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