Archive for the ‘Wunderkammer’ Category

9/20に記した、驚異の棚を模した国書刊行会の小冊子を紐解くエントリー「国書刊行会40周年記念小冊子 私が選ぶ国書刊行会の3冊」に、敬愛する博物系ブログ「天文古玩」の玉青さんからコメントを頂きました。

・20120920:国書刊行会40周年記念小冊子 私が選ぶ国書刊行会の3冊

・天文古玩

天文にお詳しい玉青さん、小冊子の棚に納まっている月球儀をご存知で、その出自を教えてくれました。オックスフォード科学史博物館(Museum of the History of Science, Oxford)が所蔵する月球儀。1797年にジョン・ラッセル(John Russell)が製作したものとのこと。

博物館のサイトで検索したところ、まさしくそのものが。

・Selenographia Moon Globe, by John Russell, London, 1797

Selenographia Moon Globe (via Museum of the History of Science, Oxford)

こちらが、国書刊行会の小冊子『国書刊行会40周年記念小冊子 私が選ぶ国書刊行会の3冊』。月球儀は右下、棚番号38(画像クリックで拡大します)

国書刊行会40周年記念小冊子 私が選ぶ国書刊行会の3冊

ちなみに、この月球儀については、玉青さんのサイト「天文古玩」でも2007年に触れられていました。

・20070718 天文古玩:プレ=アポロ時代の月球儀(その2)

寡聞にして、John Russellを知らなかったので、Wikipediaを。画家なのですね。

・Wikipedia: John Russell

こうなると連鎖は続くもので、オックスフォード科学史博物館で「moonscope」と題された展覧会が2007年に開催されていたのも発見。博物趣味だけでなく、月球趣味も満たされる喜び。ジョン・ラッセルと並んで作品が展示された現代の画家、レベッカ・ハインド(Rebecca Hind)の存在も初めて知りました。

・オックスフォード科学史博物館「moonscope」

玉青さん、ありがとうございます。

きっかけは、2つのオブジェ。

Milano - Castello sforzesco - Diavolo-automa di Settala - Foto Giovanni Dall'Orto - 6-1-2007 - 02

"The Chained Slave" - this image from Wikimedia Commons

Ivory Carving - this image from "Cabinets of Curiosities"

先週、国書刊行会40周年を記念して作られた小冊子『私が選ぶ国書刊行会の3冊』を入手。

国書刊行会40周年記念特設サイト

国書刊行会40周年記念小冊子 私が選ぶ国書刊行会の3冊:表紙

作家・学者等、各界著名人61名が、それぞれに愛する国書刊行会の出版物3冊を選び語る小冊子。しかし、表紙を開き本文へと進むその行く手を阻まれ、目が離せなくなってしまったのが、ヴンダーカンマーを想起させる装丁。国書刊行会40周年にふさわしい驚異の棚。

そこで見覚えのあったのが、先に挙げた2つのオブジェ。イタリア・悪魔のオートマタ「The Chained Slave」と、ドイツ・Dresden Collectionの象牙の塔。これらを目にしたのは、 ヴンダーカンマーを扱った書籍の代表的な一冊。Patrick Mauriès『Cabinets of Curiosities』

Patrick Mauriès『Cabinets of Curiosities』

本棚から本書を取り出し確認すると果たして、記憶の通り、2つの図像が見つかりました。こうなると、他のオブジェの出処も調べたくなるのは、博物好きとして必然の流れ。国書刊行会からの愉しい贈り物であり、また厳しい試験でもあるという気持ちで事に臨みます。

国書刊行会40周年記念小冊子 私が選ぶ国書刊行会の3冊:ナンバリング

まずは下準備として、表紙・裏表紙・背表紙をスキャンし、各棚毎にナンバリング。ひとつの棚に複数のオブジェが収まっているところもあります。
ここから実作業。手始めとして当たりをつけたのは、同じ『Cabinets of Curiosities』からの引用の可能性。1ページずつ捲っては小冊子と見比べていったところ、先の2点とあわせて8点。調べる過程で気がついたのですが、その中のひとつである鰐の標本(棚番号16)は、ドイツ・ハレのヴンダーカンマー。2006年12月に現地を訪れた際に撮影した写真を引っ張りだすと、しっかり写っていました(つまり、自分では忘れていたということでもあり…)

20061215 Halle, Germany

『Cabinets of Curiosities』を一冊通して見終わり、さて、次はどうしようかと思いながら小冊子を眺めると、見覚えのある書影(棚番号26)。他のオブジェとの縮尺のバランスの違いで油断したが、これは間違いなくヴォイニッチ手稿。更にもうひとつ。額装された髑髏の絵(棚番号11)は、明らかに歌川国芳「相馬の古内裏」 これら2点が加わり、10点判明。

続いて、この装丁を手がけた人にヒントはないかと、小冊子の奥付を眺めます。その人は山田英春氏。『巨石―イギリス・アイルランドの古代を歩く』の著者として存じ上げていましたが、調べるとバーバラ・M・スタフォード・著 / 高山宏・訳『ボディ・クリティシズム』の装丁も。期せずしての高山さん繋がり。
ブログを拝見すると、目に飛び込んだトップの画像が、まさにこの驚異の棚に収められている壜(棚番号8。但し、これらの壜が何処のものかまでは探すことは出来ず) また、鉱石の断面や、人形の頭部などもブログの画像から見つけることが出来ました。これで13点。

しかし、ここで手詰まり。手持ちのヴンダーカンマー関連書籍を数冊捲ってみましたが、類似するものは見つけられず。こうなると、googleに頼るしかありません。スキャンした表紙・背表紙・裏表紙から、オブジェをひとつひとつ切り出しては、googleのイメージ検索に放り込み。

そうして見つかったのが21点。これまでに見つけていたものと合算すると33点。数え方にもよりますが、装丁の中に陳列されているオブジェの数は約60点。100点満点換算にすると、試験の結果は55点。ギリギリ及第点に達せずの落第。ヴンダカーカンマー定番の鰐の剥製(棚番号2)や、七福神と思しき宝船(棚番号29) 流し目の赤い面(棚番号11)などは判るかなと思っていたのですが… さすがに国書刊行会の壁は高く厚かったです。

とはいえ、この遊びの中で初めて知ったことも多く。オブジェ自体の名称・出自はもちろん、その作者や収蔵されている施設やショップは、今後の好奇心を更に広げるものとなりました。

最後に知り得たオブジェの出処の対応をまとめておきます(数字は棚番号)。もちろん間違いが無いとは言えませんので、発見されましたらお知らせいただきたく。速やかに訂正します。また知りえなかったオブジェについても、インターネットの集合知に頼りたいところ。ご存知の方がいたらお教えくださいませ。

1. 胸像 – Manfreddo Settala “The Chained Slave”
3. ノコギリザメ – Blog: Ragland Hill Social
5. 子供の頭部と歯車:頭部 – 山田さんのブログより、メキシコの画像
5. 子供の頭部と歯車:歯車 – 橋本時計店
6. 水晶:白 – Wikimedia Commons
7. アンモナイト – Wikimedia Commons
8. 薬瓶 – 山田さんのブログのトップ画像
9. 青い鎖のブローチ – Georg Laue
9. 婦人写真 – Sun Frame with Woman
Loud Flowerというバンドのアルバム『Happy Now』のジャケ写にも使われています – Loud Flower『Happy Now』
11. 額装された髑髏の絵 – 歌川国芳「相馬の古内裏」
11. 赤い箱 – Halle Collociton Cabinets of Curiosities 27
11. 馬の頭骨 – Bone Clones
12. 歯車オブジェ – 都筑道夫『幽霊通信』 装丁:山田英春
13. 骸骨 – Paul Reichel “Tödlein-Schrein” 1580 『Cabinets of Curiosities』では1555年と記されている
15. 家族の肖像写真 – The Denver Post
16. 鰐のホルマリン漬 – Halle Colleciton
16. 茸の博物画 – Common Mushrooms of the United States
17. 男性の立像 – Ercole Lelli Flayed Man
20. 見開きの本 – The Book of Accidents
20. 紐綴じ本 – William Hoiles Picture of old books. Basking Ridge Historical Society
21. 眼球望遠鏡 – Corning Museum of Glass: Optical Model of the Eye
22. ガラスケースに入った髑髏 – Nautilus
25. 鉱石断面:大 – 山田英春『たくさんのふしぎ 石の卵』
25. 鉱石断面:小 – 山田さんのサイト「亀甲石」
26. 赤玉枠のレリーフ – Johann Georg Haintz “Cabinet of Curiosities” 1666
26. ヴォイニッチ手稿 – Wkimedia Commons
27. 石版渦 – Lucca Labyrinth
30. タロット – Charles VI (or Gringonneur) Deck; Le tarot dit de Charles VI
31. 象牙の塔 – Dresden Colloction
33. 赤玉の飾り – Johann Georg Haintz “Cabinet of Curiosities” 1666
34. 珊瑚 – Ferdinand II’s cabinet at Schloss Ambras, Innsbruck, Austria
36. 箱 – Michel Mann Box (Nuremberg, around 1600)
41. 裸体 – Nautilus

13
9月

Visite virtuelle de Deyrolle

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久しぶりにブログを書くことになったきっかけは、やはり、パリのDeyrolle(デロール)

ネットではありがちな偶然の連鎖で、久しぶりに訪れたデロールのサイト(かつてはRSSを登録していたのですが、記事の重複配信が多かったために停止していました) 本来の目的を果たすためにリンク先を探していたところ、眼の端に記事のキャプションとして記された「Visite virtuelle de Deyrolle」の一文が引っかかりました。

これはもしや? と、英訳すると「Virtual tour of Deyrolle」 あぁ、やっぱり… こうなると胸は更に高鳴ります。アレよ来い!! と、クリックしたその先には、待ち望んでいた光景が広がっていました。

Deyrolle: Visite virtuelle de Deyrolle


大きな地図で見る

Googleがストリートビューの技術を使って作った、お店の中を実際に歩くかのように体験出来るサービス「Google Business Photo(日本サービス名:おみせフォト)」に、デロールが対応していたのです。

ページを開いて最初に立つ場所は2階。螺旋階段を上がったところ。その先には真っ直ぐ並ぶ4部屋と、2室目の横にある細長い部屋の計5部屋。実際に訪れた時と同様に行きつ戻りつ、サイトを訪れた本来の目的を忘れて堪能したことは言うまでもありません。ストリートビュー同様に拡大表示も出来ますから、標本の並ぶ棚や書影をじっくり眺めることも。このラックに収められていたポスターを見た、この抽斗を開けた、この棚に入っていた骨格標本を買ったと、記憶の扉が次から次に開いていきます。そういえば、火事で焼けた店内と剥製を撮影した写真集『1000 Degrees Celsius Deyrolle』が置かれた場所も変わっていませんでした。

最初は2階ですが、螺旋階段を下りて1階へ行くことも出来ます。デロールというと剥製が並ぶ2階が有名ですが、園芸を中心とした1階も楽しいですよ。また、そのまま店外へ出て、店舗外観を眺めることも。実際に入店するかのように、再びお店の中へ入って螺旋階段を上がるのも楽し。

そして、こうなると夢想してしまうのは、世界中の博物系ショップ・ギャラリーが、このGoogle Business Photoを採用してくれないかなと。想い出に耽るなら、同じくパリの「Claude Nature」 や、ニューヨークの「The Evolution Store」「Morbid Anatomy Library」 未訪のショップに想いを馳せるなら、メルボルンの「Wunderkammer」やトリノの「Nautilus」 いつか、そのような日が来ることを。

1
2月

如月朔日四回目

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今年もこの日が来ました。
パリのデロールが火事で燃えてから四年が経ちました。

・Deyrolle: L’INCENDIE DE 2008

期せずして先月20日、アイスランドのミュージシャン、Jónsiが2010年に行ったライブツアーの記事が、ALARM Pressに掲載されました。

・ALARM Press: 20120120 Jónsi & Fifty Nine Productions: Taxidermy Fire Inspires Darkness-to-Light Aesthetic

彼のステージセットは、火事にあったデロールを収めたMartin d’Orgevalの写真集「Touched by Fire」の影響を受けて作られたもの。2010年3月に知って、このブログに記しました。

・Imaginary Beings: 20100307 Jónsi meets Deyrolle

当時は、どういった経緯でJónsiがデロールを知ったかまでは突き止められませんでしたが、ALARMの記事を読んでわかりました。

D’Orgeval published his photos in a book called Touché par le Feu (Touched by Fire), which was purchased as a Christmas present the following year for one Leo Warner, the director of a group called Fifty Nine Productions, which was rapidly altering the landscape of theatre and opera with its video and set-design work. Now the company was working on a new type of project — a music tour.

ステージデザインを行った59 Productionsのディレクター、Leo Warnerがクリスマスプレゼントとして購入したものだったのです。

12
9月

Midnight in Paris

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Twitter・facebook・RSS…
プッシュ型の情報に慣れてしまうと、自分から情報を探しに行くことを忘れがちになります。
誰かがアップした情報を上下にスクロールしながら眺めては、ただ享受するだけ。特に震災以降は、その傾向が強くなっているように思います。自分一人の知識では判断出来ないことも多いですからね。
しかしその結果、コンピュータの利用で文字を書く機会が減ったように、このままでは自分で調べるという行為そのものを忘れてしまうような心配もしてしまいます。

Midnight in Paris

と、大風呂敷を広げてみましたが、言いたいのはデロールのことです。
サイトがRSSに対応していることは知っていますし、RSSリーダーに登録して読んでいたこともあるのですが、日々重複する内容が届くので登録を外していました。そんななか、久しぶりにサイトを直接訪れてみたところ、「Woody Allen」の名前が飛び込んできました。最新作「Minuit à Paris (Midnight in Paris)」で、デロールがロケ地として使われたそうです。

Woody Allen chez Deyrolle pour ’Minuit à Paris’(オリジナル)
Woody Allen chez Deyrolle pour ’Minuit à Paris’ (google英語翻訳)

IMDbに飛んでみると、パリを訪れた主人公が1920年代にタイムスリップとするというストーリー。日本では公開前ということで、それならばとYouTubeに。すぐに予告編が見つかりました。

YouTube:Midnight in Paris 2011 – Trailer

嬉しいことに、1分16秒からの一瞬、あのデロールの2階が映し出されました。
パーティーシーンでグラスを持って乾杯する紳士淑女の間を縫うように、見慣れた剥製達も同席しています。デロールのサイトによると、撮影が行われたのは2010年7月とのこと。

海外では来月にもDVDが発売されるようです。
日本での公開時期にもよりますが、円高も続いていますので、デロールのためだけに購入するのも一興かもしれません。

27
8月

Through the Weeping Glass

   Posted by: fumi

Through the Weeping Glass (via Mütter Museum)

いつも(一方的に)お世話になっている「Morbid Anatomy」にて、待望のニュースがアップされました。ブラザーズ・クエイがフィラデルフィアのムター博物館を舞台に製作を進めていたショートフィルムが、ついに完成。

・Morbid Anatomy: 20110821 ‘Quay Brothers Mütter Museum Film Premiere in Philadelphia, New York and Los Angeles This September!’

同じMorbid Anatomyで製作中との情報を知り、このブログに記したのは昨年11月5日。あれから約10ヶ月。まさに待望です。

・Imaginary Beings: 20101105 ‘The Brothers Quay at the Mutter Museum’

発表になったタイトルは「 Through the Weeping Glass: On the Consolations of Life Everlasting (Limbos & Afterbreezes in the Mütter Museum) 」31分のドキュメンタリー。Morbid Anatomyより引用します。

Through the Weeping Glass: On the Consolations of Life Everlasting (Limbos & Afterbreezes in the Mütter Museum) is a documentary on the collections of books, instruments, and medical anomalies at The College of Physicians of Philadelphia and the Mütter Museum. This short film (running time: 31 minutes) is the first made by the internationally recognized Quay Brothers in the United States.

「嘆きのガラスを通して: 永遠の生命の慰み」とでも訳しましょうか。ガラスケースの中に並ぶ、永遠の生命を獲得した人体標本の姿が脳裏に思い出されます。また人体標本のみならず、書籍(そういえば、人皮で装幀されたものもあった)や医療器具などの収蔵品も登場するとのこと。これはイギリスのウェルカム財団のコレクションを撮影した「The Phantom Museum」を思い出させますね。

今回、上映されるのはアメリカ国内の3ヶ所。

  • 9/22 The College of Physicians of Philadelphia, 18:30~
  • 9/24 The Museum of Modern Art, New York. 19:45~
  • 9/27 Cary Grant Theater, SONY Pictures Studios, hosted by The Museum of Jurassic Technology, Los Angeles, 20:00~

フィラデルフィアとニューヨークは当初のアナウンス通り、それぞれムター博物館とMoMA。ロスアンゼルスはケーリー・グラント・シアターに変更となり、当初の予定だったジュラシック・テクノロジー博物館は、ホスト役として関わるとのこと。
しかし、22日と27日は既にソールドアウト。24日のMoMAは、チケット発売情報が見つけられなかったものの、おそらく同様なのでしょう。このために飛ぼうなんて、ほんのちょっとしか思わなかったけれど(笑)これでスッパリ諦めもつくというものです

では、もう見られないのかといえば、DVDの発売が予定されていて一安心。この映画のメイキングを中心とした展覧会がムター博物館で開かれることになっており、その模様や同時開催のシンポジウムのドキュメントなども同梱されるとのこと。ここから更にまた首を長くして待つのですね。えぇ、待ちますとも。

11
4月

月参り

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Requiescat in Pace

本家同様、二度目の息を引き取ることになるとは。
それでもなのか、それだからこそなのか、本家の光景を見た時と同じ感情を抱いております。

あの日から一ヶ月。

14
2月

春の装い

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Mini Dress in Cat Yellow (via Opening Ceremony)

何だか、Deyrolle(デロール)の話ばかりですが。

ニューヨークのセレクトショップ「Opening Ceremony(オープニングセレモニー)」とのダブルネームでスカーフが発売されたと知ったのは、昨年11月。

・Imaginary Beings: 20101108 ‘Deyrolle Pour Opening Ceremony’

TwitterでNY話が出たことをきっかけに、久しぶりにOpening Ceremonyのサイトを覗いてみると、今年の春のラインナップにデロールの剥製をモチーフとした女性服が登場していました。

・Opening Ceremony New News: 20110119 ‘Deyrolle pour Opening Ceremony, Part Deux!’

・Opening Ceremony New News: 20110203 ‘Deyrolle pour Opening Ceremony Spring Lookbook’

Mini Dress in Fox Black (via Opening Ceremony)

服の種類は、ロングドレス・ロングスカート・ミニドレス・ロングスリーブ・ボタンダウンドレスシャツ。それぞれに狐・ネコ・カブトムシがモチーフとして配置されています。価格は$270-$360。オンラインショップからの購入も可能。

・Opening Ceremony Online Shop: Deyrolle Pour Opening Ceremony

デロールの店内で撮影されたカットが素晴らしく。

Long Dress in Fox Black (via Opening Ceremony)

Button Down Dress Shirt in Beetle White (via Opening Ceremony)

Mini Dress in Beetle Blue (via Opening Ceremony)

YouTubeにはPVもアップされています。
硝子扉を開けたり、剥製に触れたりしているのは撮影ならでは(普段は写真撮影もご法度)
BGMはパリのファッションブランド・音楽レーベルの「Kitsuné(キツネ)」のコンピレーションアルバムから。やはり狙ってのことでしょうか。

くすり…

1
2月

如月朔日三回目

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20100606: Deyrolle, Paris

今日、2011年2月1日で、デロールが火事に見舞われてから3年が経ちました。その一報を耳にしたのは2008年8月某日。その場の光景と、これが言葉を失うことかという驚きは、永遠に記憶に残り続けることでしょう。

・関心空間: 剥製標本は二度,息を引き取る

遠く離れた日本にいては、今の様子を知る手立ては店舗のサイトのみ。このエントリーを記している時点では特別に3年が過ぎたことを伝えるような記述は目に飛び込んできませんでした。便りの無いのは良い便り。

その代わりにではないですが、店内にて昨年11月から先月まで、François Lelongによる鹿と植物のハイブリッドをテーマとした展示「’Hybrides’, cervidé/végétal de François Lelong chez Deyrolle」が行われていた様子。同じくパリの「狩猟自然博物館」を思い出すような作品の数々に心躍りました。

・Deyrolle: ‘Hybrides’, cervidé/végétal de François Lelong chez Deyrolle

Deyrolle: Papillons Cards

次にあの扉を開け、階段を上がるのはいつになることやら。
飛んで行ければ良いのですが、今はまたの訪問を夢見るばかり。

1
12月

名古屋のデロールへ

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明日から名古屋へ小旅行。

6月にパリで見たヨンシーのライブを、いよいよ日本で。東京公演において、先行抽選・一般発売共に完全敗北したための苦肉の策ですが、パリに比べたら名古屋はすぐそこ(しかし、名古屋・大阪は未だにチケットを購入出来るというのが。東京が異常なのでしょうね)。おそらく、これが最後の見納めとなる、デロールに発想を得たステージセット。堪能したいと思います。

EMI Music: Jónsi

ライブも楽しみですが、せっかくの機会ですから名古屋周辺の博物的なる場所にも足を運ぼうと調査。これは訪れてみたいと思う場所が幾つか見つかりました。

1. 東急ハンズ名古屋店:地球研究室

玉青さんのブログ「天文古玩」で目に留まった場所。

・天文古玩 20101118:「理科趣味アイテム、あります。」

化石・剥製・鉱石・実験器具… 博物好きの気持ちをくすぐる数々が並んでいるようです。東急ハンズということで、空間の怪しさは望むべきものではありませんが、いずれにせよこの目で確かめてみなければ。

2. 徳川美術館:「名古屋開府400年 徳川美術館開館75周年記念 特別展 国宝 初音の調度」

Twitter経由で教えてもらいました。
全くのノーマークでしたが、これが素晴らしく。特に箱物の数々には、箱馬鹿として胸躍ります。

そのなかのひとつ。16世紀に東南アジアからもたらされた「真珠貝玉箱」の怪しさたるや。同じ16世紀、神聖ローマ皇帝ルドルフ2世がプラハ城で愛でていたと言われても良さそうな造作。これを徳川家康が使っていたというのですから。

真珠貝玉箱

真珠貝玉箱 (via 徳川美術館)

3. 内藤記念くすり博物館

名古屋から足を延ばして、岐阜へ。
製薬会社、エーザイの創業者である内藤豊次が設立した博物館。

ここは以前から行きたいと思っていた念願の場所。ヨーロッパ・アメリカで足を運んだ医療系博物館に抱く期待と同じ物がここにはありそうです。

他にも、名古屋のキューガーデン、東山動植物園の温室や、数多の古書店なども訪ねてみたいものです。